
私(佐藤)は普段、ネットプリントをよく使う。自宅にプリンターがないために、必要な時に限って、セブンイレブンで出力している。「コンビニプリントといえばセブンだよな!」なんて思っていたら、実はロ―ソン・ファミマをはじめと他社のマルチコピー機もめちゃくちゃ進化していた。2020年に冨樫記者がマルチコピー機について紹介しているので、そちらも合わせてご覧頂きたい。
さて、そんなマルチコピー機は、以前のようなコピー機能だけでなく、現在はコンテンツ販売に注力しており、アイドルやタレントの限定アイテムやシールを購入するマシンとして大活躍している。
それら豊富なコンテンツの中には「お誕生日新聞」というのがあって、自分の生年月日に発行された新聞を買うことができるのだ。私の生まれた1973年の新聞を買ってみたら、当時を垣間見えてとても興味深く面白い! だが、50年前と今とが怖いくらい似通っていて、暗い気持ちにもなった……。
・コンビニで買える当時の新聞
これは「株式会社アシストシステム研究所」が提供している、「お誕生日新聞コンビニプリントサービス」である。同社は1997年に記念日新聞自販機「あんぷり」を開発・販売開始し、以降サービスを進化させて、現在はコンビニのマルチコピー機でも販売を行っているのだ。
購入できるコンビニは、ファミマ・ロ―ソン・ポプラ・ミニストップなどである。各社によってマルチコピー機が異なるので、利用方法はお誕生日新聞の公式サイトでご確認頂きたい。
・興味深いテレビ欄
さて、私は1973年11月19日の読売新聞と日本経済新聞をそれぞれ購入した。価格は片面(新聞一面)なら1枚500円、両面(一面とテレビ欄)なら800円である。ちなみに日経新聞にはテレビ欄はついていなかった。
読売のテレビ欄を見ると、50年前のテレビ事情が今とずいぶん違っていることがわかる。たとえば、ガチャピン・ムックでお馴染みの「ひらけ! ポンキッキ」はこの当時14時からだった。この年に放送を開始して1975年に朝の時間に移動している。
ちなみに同局の「ママとあそぼう! ピンポンパン」は朝と夕方の2回放送だった。
・気になる内容がアチコチに
次に気になったのが、日本テレビ17時の「タイガーマスク(再放送)」。東映動画(現:東映アニメーション)が手掛けた不朽の名作で、私も幼少期に再放送を見ていた。続く18時に「サンダーマスク(再放送)」というのがあった。
この作品を私は知らないのだが、特撮ヒーローモノで放送から半世紀を経た現在も再放送やソフト化されていないのだとか。それゆえに知らないのかもしれない。
さらに同日の13時から「フォー・リーブス料理」という番組を放送していたらしい。フォー・リーブスとは当時のジャニーズ事務所に所属した4人組の男性アイドルグループだ。まさか料理番組をしていたのか? 調べてもこの番組に関する情報は全然出て来ない。どんな番組だったんだろうか……。
テレビ欄下の番組紹介のところには、俳優としても活躍した納谷悟朗さんの貴重な写真が掲載されている。納谷さんといえば、ルパン三世の銭形警部役でその名が良く知られているのだが、俳優としても数多くの作品に出演していた。
新聞に掲載されている広告も興味深い。たとえば、書類に穴をあける電動のパンチャーのものであったり、トランジスタのメガホンのものであったり、当時の事務用品や生活家電の状況をうかがい知ることができる。
・50年前のオイルショックが今…
何より50年前の新聞で、もっとも私が気になったのは、当時の世界情勢についてだ。
両紙ともに1面で「石油危機」について伝えている。1973年のオイルショックでトイレットペーパーがなくなったとは、よく聞かされたものだ。それを当時の新聞を目にすると、未曽有の危機であったことがよくわかる。
この当時、日本は「第1次オイルショック」の渦中にあり、第4次中東戦争を機に、アラブ石油輸出国機構(OAPEC)が石油の供給削減と価格引き上げを断行した。OAPECの石油を武器とした戦略は、資源を他国に頼る日本を直撃。街からは灯が消え、トイレットペーパーを求め人々が殺到し、まさに「狂乱物価」が幕を開ける。日本は戦後最大の経済的試練に立たされていたのである。
両紙は緊迫した当時の情勢を克明につづっている。中でも印象的なのは、「日曜マイカー自粛」だ。これは石油危機の影響下にあって、マイカーでの遠出を控えるように呼びかけるものだ。
今の中東の情勢を考えると、当時の紙面の内容は決して過去のこととは思えない。半世紀もの月日が流れたというのに、まるでこの当時に時代が逆戻りしているような気がするのは、私だけだろうか? 当時のことから学べることは少なくないはずだ。
いずれにしても、お誕生日新聞は誰でも簡単に購入できるので、自分の生年の新聞を見ると面白いだろう。家族や友人にプレゼントしても喜ばれそうだ。
参考リンク:お誕生日新聞、株式会社アシストシステム研究所
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24