ロケットニュース24

セブンイレブンには今「麺類を調理してくれるロボット」がいる / 店舗限定「お店で仕上げた できたて麺」を体験してみた

15時間前

2025年10月22日より、セブンイレブンは「お店で仕上げた できたて麺」と銘打ち、先進的な新サービスを開始した。冷凍ケースで販売される専用の商品を購入したのち、それを店内に設置された調理マシンのところへ持って行けば、名前の通り出来立ての麺類が味わえるという。

12月16日現在は導入店舗が埼玉県内の約40店に限られているが、麺類のラインナップには当然ながらラーメンも含まれていて、ラーメンをこよなく愛する筆者としては興味が尽きない。

このような文明の進歩は、大変喜ばしいことである。「日本は全ての技術をラーメンに投入するべきだ」とは流石に言わないが、八割くらいは投入するべきだと思っている。ともあれ、現地で体験しない手はない。

そういうわけで、筆者は「できたて麺」を実際に味わうべく、埼玉県内のセブンイレブンを訪れた。

店内に入ると、すぐ脇に調理マシンが鎮座していた。正確には、ソフトバンクロボティクスが開発した蒸式調理ロボット、その名も「STEAMA(スチーマ)」というものらしい。筆者はその分野には全く明るくないので、「何やらすごそう」と述べるだけに控えておく。

そしてロボットの上には、麺類のラインナップが書かれたパネルがつるされていた。上記のラーメンに加え、まぜそばやうどんも用意されている。詳しくは公式サイトの商品紹介を参照してほしい。導入店舗の一覧もそちらで確認が可能である。

ちなみに公式サイトにはまだ載っていないが、12月3日より「麺処 晴」監修の煮干し醤油ラーメン、および「中華蕎麦 とみ田」監修の濃厚豚骨魚介ラーメンも登場したようだ。それらもろもろの麺類が冷凍ケースにて売られているので、まずは商品を買うことから始める。

筆者は今回、王道の「醤油ラーメン」を選んだ。価格は税込680円だった。フィルムのフタ越しに、具材が中央を避けるように配置されているのが見て取れる。この空洞部分にロボットがパイプを突き刺し、熱湯を注入するわけである。ラーメンもロボットに配慮する時代である。

いざその調理の瞬間を迎えんとレジに向かったところ、店員の方に「ご利用は初めてですか」と尋ねられた。未だかつてコンビニで耳にしたことのない台詞に面食らったが、無論それはコンビニ自体についてではなく、「できたて麺」についての問いであった。

「はい」と答えた筆者を店員の方はロボットの元まで先導し、使用法を説明してくれた。とはいえ、大して複雑ではない。最初に画面に表示されたスタートボタンを押し、次にロボットのQRコード読み取り部に、商品の側面に付されたQRコードをかざす。

まもなく庫内の洗浄が始まるので、フィルムのフタをはがさずに約30秒ほど待つ

最後にロボット下部の電子レンジのような機構に商品を入れれば、約90秒で調理が完了する。

調理中、商品に刺さったパイプが稼働し、庫内が蒸気に満たされるさまには、何とも言えない迫力があった。「何やらすごそう」と述べたのは間違いではなかった。

出来上がった商品を持ち帰る場合は、商品と一緒に渡されたシールでフタの穴を保護すればよいとのことだが、筆者が訪れた店舗にはイートインスペースがあったので、すかさず実食することにした。

取っ手部分以外は持てないほどに熱く、フィルムを剥がすや、もうもうと湯気が立つ。ここまで高温のラーメンは専門店でもそうそう見れまい。

その熱にあてられて麺をすすると、素朴でシンプルな味わいが口の中に広がった。変に奇をてらっていたり、余計なアクセントが主張していたりもしない。醤油の風味と出汁の旨味がストレートに伝わってくるラーメンである。

加えて麺は適度に柔らかく、チャーシューもとろける。ロボットの手による独自の調理が、このラーメンに特異な「鮮度」をもたらしている。「できたて麺」の名に偽りはない。

極まった専門店のクオリティに及んでいるとは言い難いものの、インスタントラーメンや冷凍食品のラーメンよりは確実に勝っていると感じる

例えばラーメンを食べたいが周囲に専門店がない、あるいはあっても値段が高いという時、この価格でこのレベルのラーメンにコンビニでありつけるのは有難いはずである。何ならラーメンと一緒に惣菜も調達して食事を彩るのもよいだろう。色々と想像が膨らむ。

あとはもう、この新サービスがどれだけ勢いを増すかである。ラーメン以外の商品も気になってきたので、近いうちに再び利用したいものだ。当記事を読んで興味の湧いた方も、ぜひ都合が合うなら体験してみてほしい。

いずれ調理ロボット「スチーマ」の存在が、人々に馴染む日を待ちたい。そんな未来が来たら、何やら楽しそうである。

参考リンク:セブンイレブン ニュースリリース商品紹介ページ
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.

モバイルバージョンを終了