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鉄道グルメマニアがオススメする駅そば「ひのでそば」に行ってみた! ローソンみたいな看板だけど実は…… / 立ち食いそば放浪記:札幌

2025年10月18日

旅先で乗る鉄道は趣がある。景色の見えない地下鉄でも、なんとなく乗客からにじみ出る雰囲気で旅情を感じるから不思議だ。そして、鉄道と言えば、駅そばも旅情を感じるものの1つ。

ガタンゴトンと揺られ、私(中澤)が降り立ったのは札幌地下鉄南北線の大通駅。鉄道グルメマニアがオススメする駅そばがここにあるのだ

・駅そば研究の第一人者

その鉄道グルメマニアとは鈴木弘毅(すずきひろき)さん。駅麺、駅カフェなど鉄道系グルメについての著書を多数出版する旅のスピンオフライターとして知られ、中でも駅そばは3000軒以上食べ歩き「駅そば研究の第一人者」とまで言われている人物である。

・歴史が漂う

1カ月前、本家しぶそば渋谷道玄坂店のオープン記念イベントに行った私は、会場で鈴木弘毅さんに出会った。そこでオススメの駅そばを聞いてみたところ、名前があがったのが……

「ひのでそば」である。大通駅直結の日之出ビル地下2階、まさに駅構内との接続部にあるこの立ち食いそば屋。ローソンみたいな色合いの看板がなんとも良い味を出している。多分、この看板を今初めて見た人は多くが似たような感想を抱くと思われるのだが……

実はひのでそばの創業は1971年と、日本にローソン1号店がオープンする1975年より前だ。この看板がいつ頃からのものなのかは定かではないが、カウンターが通路に吹きさらしのオープンすぎるデザインからも歴史を感じずにはいられない。

・価格にも昭和を感じる

メニューは最も安いかけそばが320円、最も高い天玉そばでも470円と価格でも昭和を感じさせてくれる。世は物価高でランチ1000円の時代に突入していると言うのに、一食ワンコイン以下に留めているところはマジで庶民の味方と言えるのではないだろうか。

そのためか、昼になると行列になる「ひのでそば」。歴史だけじゃなく今も生きている感じがする店である。活気のあるカウンターで天ぷらそば(420円)を注文してみた。

・食べてみた

つゆは意外と暗黒つゆ。飲んでみると、コクがある味の深みもどことなく関東のつゆっぽい。経験上、地方の歴史ある立ち食いそば屋ってつゆが単調な味だったり特殊な甘みがあったりすることがあるが、ここは普通に東京の立ち食いそば的なウマみがある。

そのつゆがザ・立ち食いそばな食感のそばを彩って染みる味。つゆが染みこんでふわふわになったかき揚げ天も懐かしい味を出している。外観やロケーションも含め全てが濃縮されていて実に味わい深い。

グルメの宝庫である札幌。観光での札幌だと、なかなか「ひのでそばに行こう」とはならないと思うけど、間違いなく地元の息遣いが感じられる。ここでしか味わえない味は、さすが鉄道グルメマニアがオススメする駅そばであった。

・今回紹介した店舗の情報

店名 ひのでそば
住所 北海道札幌市中央区南一条西4-13 日之出ビル B2F
営業時間 8:00~21:30
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼暖簾も良い味を出している

▼そば大盛100円

▼雰囲気も含めてウマイ

▼札幌ど真ん中にあるのでついでに寄るのにちょうど良い

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