ロケットニュース24

缶ハイボール『麻布』の謎を解く / 製造所はチェリオ中部(愛知)で販売会社は大阪なのに何故、東京の地名を冠しているのか

2025年6月19日


『麻布』というハイボール缶を手に入れた。ボトルの『麻布』は見たことがあるが、そのハイボール缶版だろう。田舎者にとっては東京の地名である「麻布」を冠しているというだけで、シュっとしたワンランク上のハイボールのように感じてしまう。

そんなことを考えながら原材料などの欄を眺めていると、おやおや? 製造所は、あのチェリオの中部(愛知県)ではないか。その上、販売者は株式会社ウィズワン(大阪)である。

……全然東京ちゃうやん! 


・スッキリと飲みやすい

缶ハイボール『麻布』はコンビニなどでも販売されているようだが、記者は酒類の小売店チェーンで入手。1本税込396円だった。ラベルには「最高峰のハイボールを追求した逸品」と記されている。

また「スコッチウイスキーをはじめ、世界各国から厳選したウイスキー原酒を富士山の伏流水でブレンド」とも書かれているので、純粋なジャパニーズウイスキーという訳ではないようだ。

名前は『麻布』だけど。


味はどうだろうか、さっそく開栓してみよう。プシュッという気持ち良い音と共に、ほのかにスモーキーな香りが漂う。グラスに注ぐと、黄色みがかかっていてハイボールらしい色合いだ。

飲んでみると、鼻で感じたほどのスモーキーさは強くなく、ふわっと香る程度で飲みやすい。果物のような華やかさと、ほんのりとした香ばしさもある。

比較的軽めの、スッキリとした味わいでクセがなく飲みやすく美味しい。食事と一緒にいただくのにちょうど良い味わいだ。

目を閉じれば、なんとなく麻布の景色が浮かぶような気がしなくもない。


・『麻布』の謎

しかしながら気になるのはやはり、冒頭に書いた通り、商品名・製造所・販売会社のばらつきだ。チェリオでハイボールと言えばライフガードハイボールなどもあるので、作っていても不思議ではないのだが。

販売者の株式会社ウィズワンに伺うのが早かろうと、問い合わせたところ以下のような答えを返してくださった。


(缶ハイボールの『麻布』は)もともと東京・麻布十番に本社を構える企業さまと共同開発を行った『麻布ピュアモルトウイスキー』に端を発しています。

同地名は洗練された都市文化と、高い美意識を象徴するものと捉えており、そうしたイメージが商品の世界観とも親和性が高かったことから「麻布」という名称を冠するに至りました。


やはり商品名の『麻布』は東京の地名で違いないようで、縁のある地域でもあるとのこと。なおかつ、シュっとした都会っぽいという印象も当てはまっていたようだ。

そんなピュアモルトウイスキーの好評を受け、ハイボールも作ることが決定。その際に酒類製造免許の関係上、信頼のおける製造パートナーということで、チェリオ中部が任されることになったという。

そもそもの土壌と、さまざまな方面からの協力があって、ハイボール缶『麻布』は出来上がっているようだ。

なるほどなるほど。株式会社ウィズワンの丁寧な返信のおかげで、無事謎が解決。当初感じた疑問がスッキリとしたところで、スッキリとしたハイボール缶『麻布』をぐびっと飲み干した次第である。

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼麻布、飲みやすくて面白いハイボールでした

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