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漫画『NANA』を20年ぶりに読んだら登場人物が全員ヤバくて笑った / 〇〇が気になりすぎて話がまったく入ってこない

8分前

漫画『NANA』が2025年で25周年を迎えるという。これを記念し、昨年末には「LINEマンガ」が同作の全話無料キャンペーンを実施。SNSを中心に大きな話題を集めた。久しぶりに読み返したという人も多かったはずだ。

かく言う私(あひるねこ)もその一人で、先日およそ20年ぶりに『NANA』を読んだのだが……これは気のせいだろうか。登場人物がほぼ全員ヤバすぎて、内容がまったく頭に入ってこなかったぞ。

・好きです矢沢あい

1歳下の妹が大の矢沢あいファンだった影響で、私も実家にいる時はよく読ませてもらっていた。『NANA』と『パラダイス・キス』はリアルタイムだったこともあり、特に思い入れが深い作品だ。


『NANA』のコミックス第1巻が発売されたのが2000年5月。当時、私は中学生であった。それが今では立派なアラフォー。既婚。子持ちのワケで、月日の流れを感じずにはいられない。もう25年も前なのか……。


・大人になってからの再会

よく考えたら『NANA』に出てくるキャラクターは、ほとんどが20歳前後である。クソガキやないか! とまでは言わないまでも、年齢だけ見るとまだまだ未熟な若者ばかりだ。


今回の無料公開によって、SNSでは「大人になって読んだら全員クズ」とか、「倫理観ヤバすぎ」とか、「タクミがいい」とか、「タクミはクズ」といった感想が散見されたが、それも若さゆえの過ちと捉えれば大目に見れ……るような気がしないでもない。


『NANA』の登場人物たちは、それぞれが何かしらの欠陥を抱えていて、恋愛を含むあらゆる関係性においてお互いに依存したり、傷つけ合ったりしている。

誰もが間違い、間違っていることに気付きつつも、さらなる間違いを重ねていく。



すべてが行き当たりばったりで、歪(いびつ)で、ひどく不完全ではあるものの、しかしその不完全さこそが、この漫画を名作たらしめているように私は思う。


たしかに大人になった今 読み返してみると、やや引っかかるキャラクターの言動はちょくちょくある。が、どの人物も本当に魅力的で、心から素晴らしい作品だなと改めて感じた。ナナも奈々も最高である! ブラストもトラネスも最高である!!


ただぁ!!


マジでこれだけは、どうしても気になって仕方がないのだ。この漫画のキャラほぼ全員……


いくら何でもタバコ吸いすぎだろ!!


・驚異の喫煙率

約20年ぶりに『NANA』を読み返して驚いたのが、とにかくキャラクターたちがありとあらゆる場所で喫煙しているということだった。もちろん電子ではなく紙巻きタバコである。気になってもう漫画どころではない。


記念すべき第1話を読もうとしたら、冒頭からいきなり喫煙していて笑った。吸っているのは浅野崇(29)だ。29歳が高校生の隣でタバコ吸うんじゃないよ! つーか手を出すな!! 改めて見るとこの男、ドクズである。


比較的まともだと思われる京助も実はヤバイ。知り合って間もない女子(淳子)の家に初めて入るや否や、即リビングで吸い始めているではないか。そこはせめて換気扇の下やろ! それでも嫌だけどな!!



そしていよいよブラスト周辺に話が切り替わると、ステージがさらに数段上がるので注意が必要だ。特にナナとレンに関しては、もはや喫煙していないシーンの方が珍しい。この世界は自分たちの灰皿だと思っていそうな節すらある。


いやいや。作中一の常識人であり、すべての読者が熱い信頼を寄せる男・ヤスならきっと大丈夫だろう。


……と、そんな風に考えていた時期が私にもありました。一番どうかしていると思ったのが、ナナのためにヤスが上京してくるシーンだ(コミックス第3巻)。ちょっと想像してみてほしい。


賃貸マンションの共用部に座り込み、タバコを吸いながら住人を待ち伏せするスキンヘッドとか、完全に『ウシジマくん』の世界だろ。私が隣人だったら管理会社を通さず一発通報である。なぜ『NANA』のキャラたちは屋内だろうとお構いなしに吸いたがるのか?


ここで序盤に登場した「え、そこで吸うの?」ポイントをいくつかご紹介したい。


海水浴場、ホテルのベッド、レストラン、駅のホーム、大学構内、ファミレスの前、友達の実家……


20年前の日本ってこんなにフリーダムだったっけ……? それにしても、どうしてこうもキャラクターの行動が気になってしまうのだろうか。


・違和感の理由

仮に昭和の漫画のキャラが放送禁止用語を使っていたとしても、「まあ時代だし」で済むような気がするが、『NANA』の場合はそうはいかない。今回のタバコのように、明らかに不自然に見えてしまう。20年以上前に始まった作品であるにもかかわらずだ。


それは、彼らが今もたしかに生きていて、そこに実在しているからだと私は思う。未完だからという物理的な理由もあるにはあるが、矢沢あい作品のキャラクターたちは、物語の完結後もどこかで自分の人生を生き続けているような気がしてしまうのだ。



ただの漫画の登場人物には到底思えない。今もこの世界で暮らしているから、そこらじゅうでタバコをスパスパ吸っている姿がより奇妙に感じられるのだろう。


この続きを読める日が来るかは分からないが、その時は誰か、彼らに電子タバコの存在くらいは教えてあげてください。

参考リンク:クッキー
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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