名古屋に『ワンランク上の世界の山ちゃん 山』なる店がある。これは『山』が店舗名で「ワンランク上の世界の山ちゃん」はキャッチフレーズ的な位置付け、ということなのだろうな。
調べたところ現在『山』は名古屋に3店舗、大阪に1店舗があるのみらしい。「今日『山』予約してるよ」とか言われたら、名古屋の女子はキュンキュンしちゃったりするのかなぁ? いいなぁ。
ところで「ワンランク上の山ちゃん」があるってことは、普通の山ちゃんって「ワンランク下の山ちゃん」ってことになる? その発想はさすがに性格悪すぎですかね?
・衝撃の光景
今回訪れたのは名古屋駅店。ビルの2階へ上がると……
「ワンランク上の山ちゃん」と「普通の山ちゃん」がトイメンで営業していた。名古屋っぽい大胆な発想だ。
前情報がなければ絶対に入店しないであろう、いかにも “時価” のメニューがありそうなたたずまい。今のところワンランクどころか3ランクくらい上に見える。
個室に通された。店内BGMはオシャレ・ジャズピアノ。山ちゃんの面影はテーブルの隅にそっと置かれた「手羽先の骨を入れるヤツ」くらいだろうか。
・同じ……か?
そう。ワンランク上の山ちゃんの名物は、普通の山ちゃんと同じ『幻の手羽先』なのである。
「普通の山ちゃん」の手羽先は、1人前5本で税込660円(愛知県の場合)。対して「ワンランク上の山ちゃん」は1人前5本で税込715円……1本あたり11円高い計算だ。有史以来、これほど微妙な上乗せを私は知らない。
果たしてワンランク上の山ちゃんの手羽先と、普通の山ちゃんの手羽先は別モノなのか? 記憶を全集中させてムシャ……
……ち…………いや、たぶん同じッ!!!!
世界の山ちゃんマニアとかじゃないので断言はできないが、おそらく肉の出どころ・スパイス・揚げ方などは、普通の山ちゃんと同一であると推測された。ただ、どうも引っかかるのは「こんなにコショウっ辛かったっけ?」ってこと。
しかしながら、過去に普通の山ちゃんを訪れた際にも「幻の手羽先ってこんなにコショウっ辛かったっけ?」と感じた経験がある。よって “山ちゃんの手羽先、久々に食べたらコショウっ辛くてビックリする説” もあながち否定できない。個体差の可能性もありえるしなぁ。
あと、この先っちょに「チョン」って付いてる味噌っぽいヤツ。これ普通の山ちゃんの手羽先にもあったっけ……? 今回は時間の都合で断念したが、次回はトイメン同士の山ちゃん2軒をハシゴする徹底検証を敢行したい。
・究極の親子丼
なお私が今回訪れたのはランチタイム。夜は刺身、ステーキ、鍋などいかにもワンランク上なメニューが並ぶが、ランチタイムは「ちょっといいランチ」って感じのリーズナブル・メニューが揃っている。中でも人気は『親子丼』らしい。
『こだわり卵の親子丼』(税込1280)と……
『究極の親子丼』(1480円)の2種類。
とても難しい選択だったが、ここは記事的に『究極』でいっておいた。こだわっている予感しかないビジュアル。
『こだわり卵の親子丼』が鶏の正肉を卵でとじた “いわゆる一般的な親子丼” であるのに対し、『究極の親子丼』は正肉に加えてレバー、ハツ、砂肝、つくねが使用されている。このテの親子丼、私は初めて。
親子丼にドバドバ砂糖を入れる地域で生まれ育った身の上としては、あまりに調味料の主張がなくて驚く。強いていえば塩の味がするくらいかな? 「よほど素材に自信があるんですね」ってのが第一印象。
どの部位も硬めで弾力があり、黄身は口紅に使えそうなほどネットリしてる。この “鶏そのものを余すところなく味わってる感” はたしかにワンランク上と言わざるをえないだろう。たまにジャリッとするのは炭火で焼いた証拠。う〜ん、ワンランク上。
なお冒頭で提起させていただいた「普通の山ちゃんはワンランク下なのか問題」だが、そういう意味じゃないことはよく分かった。たしかに “気合い入れたデート” とか “秘密の商談” とかであれば『ワンランク上の山ちゃん』が向いているかもしれない。
しかし仕事終わりにダラッと飲みに行くのであれば、私は断然「普通の山ちゃん」がいい。当たり前だけど、どちらへ行くかは場面による。どっちが上とか下とか無い。これは真剣に。
現在名古屋と大阪にしかない『ワンランク上の世界の山ちゃん 山』であるが、なんと今月24日、関東初進出となる東京・有楽町店がオープン予定だ。山ちゃんファンもそうでない人も、一度は目撃しておくべし!
参考リンク:ワンランク上の世界の山ちゃん 山
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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