待ち時間が長い空港。必然的に食べるタイミングを迎えることが多いと思う。そのためか、羽田空港には多種多様なグルメがあるけれど、どれもマジ高い。第2ターミナル3階の飲食街のそば屋はかけそばが税込790円もするじゃないか!
ウマイんだろうけど個人的には空港食にこだわりとか求めてない。味はそこそこであれば良くて、何より、サクッと一食食べたいんだ! そんな方は地下に降りると良いかもしれない。
・吉野家の牛丼より安い
東京モノレールで来た人は分かると思うのだが、羽田空港第2ターミナル駅と空港との接続部の広場にコンビニやカフェなど店が数軒ある。その隅に『つきじ亭』という立ち食いそば屋があるのだが、ここのかけそばは税込450円。吉野家の牛丼並(税込498円)より安い。
人情で言うと、羽田空港の「空港キター!」って感じの飲食街で食べたいのも分かる。事実、そちらにあるそば屋の方が行列になってるしな。ゆえに穴場である。
・冷しゃぶサラダそば
私も毎回一旦はスルーして上階の飲食店の様子をうかがうのだが、心を折られて結局ここに戻ってきがち。特に、帰りの疲れているタイミングとかにはここの場末オーラが染みる。というわけで、まさしく帰りである本日は「冷しゃぶサラダそば(税込750円)」を注文した。
サラダと言っても乗ってる葉っぱは水菜でそばに合うサラダ感。ごましゃぶ状態の豚肉にはラー油がかかっており、爽やかさの中にも味の強さがある一品と言える。疲れた体に染みわたるぜ。
高級感とかこだわりのそばって感じではないんだけど、そばはちゃんと締まっているし、つゆもしょっぱさの奥に甘みがあって肌に馴染んだウマさを感じる。必要なものは揃っている味だ。
・これくらいで良い
ちなみに、揚げ玉はカウンター前に調味料と一緒に置かれている。かけそばでも多少の彩りを添えられるのがありがたい。これくらいで良いんだよな。これくらいで。
フライトってやたらキラキラした陽イメージが浸透してるけど、旅の良さってお金をかけたキラキラした世界観だけではない。色んな非日常の形があるからこそ旅は良いものだ。
・日常と非日常の狭間
そんな非日常と日常の中間にあるこの立ち食いそば屋では、いつもモラトリアムを感じる。「とりあえず戻ってこれた」という安心感がある反面、日常には戻りきっておらず、非日常に後ろ髪引かれる思いになる。まだ戻りたくないー!
結果、やたらじっくりそばを味わってしまう。旅のことを思い返しながら噛みしめるここのそばは、日常と非日常の狭間の味だ。
仲間との旅行でワイワイ行くような店ではない。ゆえに、1人旅ならではの味わいがある『つきじ亭』。羽田空港の中でコスパを求めるならオススメの店と言えるだろう。
・今回紹介した店舗の情報
店名 立喰いそば酒処 つきじ亭
住所 東京都大田区羽田空港3-4-2 羽田空港第2旅客ターミナル B1F
営業時間 7:00~20:30
定休日 無休
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.