
隠れ家レストラン──食通なら自分だけが知るそんな飲食店を何軒も知っているだろう。1日1組限定や一見さんお断り、そんな “特別感” をウリにしている店も少なくない。
今回紹介するネパール料理店も「隠れ家レストラン」と言っていいだろう。しかし、何もそれをウリにしているわけではない。食べログなどにも掲載されていて店側もウェルカム体制だ。
ただ単純に、物理的に見つけにくいのだ。ドラクエで壁沿いをぶつかりながら歩いてようやくたどり着ける部屋やルートのように。
・初見ではたどりつけない!? “隠れ家すぎる” ネパール料理店
今回足を運んだのはJR新大久保駅から徒歩2分、大久保駅からも徒歩6~7分ほどのネパール料理店でありエスニック食材店「ソルティカージャガル(Solti HALAL KHAJA)」。
大久保エリアでも有名なエスニック食材店「NATIONAL MART」と同じビルの2階に入っているのだが……
そもそも行ったことがない2階の店に入るのも大久保ではなかなかハードルが高いし、外からはエスニック食材店や海外送金サービスの代理店にしか見えない。
それに店内も圧倒的なエスニック食材店感。というか正真正銘の食材店だ。しかしながら……
店の奥に進むと飲食スペースが現れるという構造。香港映画に出てくる隠れ家のような店の構造に何だかワクワクしてしまう。
初見ではたどり着けないようなネパール料理店なのだ(店に入ればちゃんと店員さんが「中でご飯も食べられますよ」と親切に案内してくれるぞ)。
こぢんまりとした飲食スペースには4卓ほどのテーブルが並ぶ。
着席すると大久保の喧騒が嘘のような静けさ。聞こえてくるのは店員さんと買い物客のネパール語のみ(ネパール人同士が日本語で話す場面も)で、現地感にあふれている。
・小規模店ながらメニューはよりどりみどり
メニューをチェックしていく。蕎麦粉などの雑穀を練った蕎麦がきのようなディドやダルバートセットをはじめ、
モモ(ネパール風蒸し餃子)やツマミ系、ネパール風ラーメンや焼きそばなどの食事系メニューも。店の規模の割りに選択肢はよりどりみどりだ。
ドリンクメニューも豊富。
ネパールの酒も9種類と、一般的なネパール料理店よりもラインナップは豊富。
ここではレモンサワー、ウーロンハイ、緑茶ハイは「健康サワー」にカテゴライズされるようだ。
まずは生ビールを注文。しっかりとした中ジョッキで350円って良心的すぎじゃないですか?
・かなりレアかも……干し肉を使用した「スクティカレー」
ビールで気持ちを落ち着けたところでダルバートを注文していく。
ダルバートはダル(ひき割り豆のスープ)とバート(米飯)というワードの組み合わせ。これにカレーやスパイスで味や香りづけした野菜などのおかず(タルカリ)やピクルスのような漬物(アチャール)がついてくる。定食のような存在でネパールの国民食だ。
今回は「ソルティー・ネパールスペシャルセット(1400円)」をチョイス。カレーはマトン、チキン、スクティ、ベジタブルの中から1種指定することができる。スクティのカレーがあるなんてかなり珍しい。
スクティは干した肉をスパイスと炒めた料理で、ツマミや一品料理として提供するネパール料理店は少なくないがカレーで出すところは滅多にない。というわけでスクティカレーをオーダーしてみた。
・激レア! バフもあるの!?
オーダー後、壁に「新メニュ」があることに気づいた……。一番下の料理も気になるが、えっ!? バフがあるの?
バフ(バッフ)は「水牛(バッファロー)」のこと。ヒンドゥー教徒が多いネパールでは、牛は神聖な存在。インドと同様に食べることはほとんどない。ところが、水牛は牛とは別物ととらえられているようで普通に食されている。ただ、日本で提供している店は少ない。
急いで店員さんに「バフあるんですか?」と確認したところ、「今はないよ」とのこと。かつて提供していたネパール料理店でも、コロナ禍もあってか、バフがなかなか日本に入ってくることがなく、メニューから削っている。こちらでも同様のようだ。バフ料理の提供が再スタートする日を楽しみに待ちたい。
・謎の黒い粉&なめ茸みたいなおかずの正体は……
ダルバートが到着。
左上から時計回りにサラダ、ダルスープ、スクティカレー、青菜炒め、野菜のおかず(ジャガイモやニンジンなど)、その隣の2つは……いったいなんだ? ひとまず飛ばしてパパド(豆から作られた煎餅のようなもの)、トマトベースのピリ辛ソースという内容。
店員さんに確認してみたところ、右側の黒いパウダーは発酵高菜を乾燥させたもの。左側の茶色いなめ茸のようなものは「メティ」というマメ科の植物で「フェヌグリーク」とも呼ばれるハーブや香辛料の一種。それの漬物だという。
ネパール料理の発酵高菜というと、このような日本の高菜漬けと似たようなヴィジュアルで提供されることが多いが、パウダーで出てくるというのは珍しい。
サラダにかかっているのはゴマドレッシング。これは完全に日本の味。
次いで定食の味噌汁の如くダルスープをすする。豆は複数種使用されており、豆の甘みと塩気のバランスがいい。優しいお豆のスープだ。
ライスにパパドをふりかけ、ダルスープをかけて恒例の「ネパール式ねこまんま」を楽しむ。うん、これだけでも美味しい。
・うま味凝縮のスクティカレー
マトンの干し肉・スクティを使用したカレーはどうだろうか。
うわっ! 肉のうま味が凝縮している。ジャーキー状なのでしっかりと噛みしめる必要があるが、カレーのスパイスや油分と合わせるとより風味豊かになる。ライスにも合うが、これはお酒と合わせたい。
野菜のおかずは一つひとつの具材が大きくカットされていて食べ応えあり。
発酵高菜パウダーはどうだろう。指にとって舐めてみる。思わず「上物だ」と言いたくなるようなうま味をたたえ、酸味と塩気が追いかけてくる。
発酵高菜パウダーをまぶしたライスのヴィジュアルはまんま “ゆかりご飯” のそれだ。
なめ茸のようなメティのアチャール(漬物)は塩気、酸味、辛みのバランスがいい。マスタードがしっかりと効いていて見た目以上にパンチがある。珍味といった印象だ。
・「伝統的なヒエ酒」は日本酒と焼酎のいいとこどり?
スクティカレー、発酵高菜パウダーなどで早々にビールを飲み干してしまった。そこで「新メニュ」にあった「伝統的なヒエ酒(650円)」を注文してみることに。
「ティンパネ」と呼ばれるこのお酒はヒエを蒸留したもので、日本酒と焼酎の中間のような味わい。あえて言えばやや日本酒寄りだろうか。日本人の舌にも間違いなく合う。
アルコール度数はウイスキーのように高くない。日本酒やワインほどではなかろうか。スクティカレーをかじり、ティンパネをチビチビと飲(や)る。
その後はすべての味を重ねてダルバートを食べ進めていく。
フィニッシュ間際に店員さんから「ダル?」と声をかけられたのでダルスープのおかわりをいただき、
一気に完食。ライスもおかずの量も筆者的にはちょうど良かった。大満足だ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 ソルティカージャガル(Solti HALAL KHAJA)
住所 東京都新宿区百人町2-9-15 ライオンズマンション2F
営業時間 11:00〜0:00
定休日 原則無休
執筆:ダルバート研究家・田中ケッチャム
Photo:RocketNews24
▼入店するとそこはエスニック食材店。だが、少しの勇気を出して奥へと進むと美味しいネパール料理とお酒にありつける。店名の「Solti」は英語の「bro(ther)=仲間or友人」のような意味。その名の通り店員さんはフレンドリーだ。
▼店ではなめ茸みたいなビジュアルのメティ(の原材料)も売っている。
田中ケッチャム





























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