松屋のステーキ屋といえば「ステーキ屋松」である。2019年3月に松屋フーズのお膝元、三鷹駅北口に1号店がオープンした。あれから5年を経て、その三鷹店はどうなったかというと……。
新しく生まれ変わったのである! それもステーキ屋松としてではなく、「松牛」になっていた~~! 2024年3月に上大岡に1号店をオープンしたこのブランドは、すでに八王子にも出店しており、この三鷹で3店舗目になる。いつの間にそんなに出店していたんだ! まさかこの調子で、ステーキ業界の覇権を狙うつもりか!?
・松牛になってた
ステーキ屋松三鷹店がリニューアルしたのには大きな理由がある。それはオープンからちょうど5年目を迎える2024年3月10日(開業日は3月12日)、店舗火災が発生したのだ。
火災から約半年を経た8月7日。事後について、ステーキ屋松のX(Twitter)アカウントは次のように報告していた。
「「ステーキ定食 松牛」という業態で再出発させて頂く事になりました」
皆様へ
この度は、ステーキ屋松三鷹店にて、2024年3月10日に発生しました店舗での火災事故により、近隣の方々をはじめとします多くの皆様方に多大なるご不安とご迷惑をおかけしましたこと深くお詫び申し上げます。
誠に申し訳ございませんでした。 pic.twitter.com/pf6dIV38vn— 【公式】ステーキ屋松 (@steak_matsu) August 7, 2024
その報告通りに9月16日、JR三鷹駅北口のあの場所に帰ってきた。
ステーキ屋松が松牛となって……。
あらためて言うけど、「マツギュウ」ではなく「マツウシ」だからね。
「ステーキ定食」のお店なので、メインはカットステーキの定食。それから丼ぶりやハンバーグも提供している。
上大岡のお店を訪ねた際にカットステーキの定食を食べているので、今日は丼ぶりを試してみよう。ヒレステーキ丼の並盛(税込1100円)をオーダーした。
そういえば! 上大岡のお店では注文商品の提供カウンター横に、オリジナルタレが3種置かれていた。それぞれのタレの名前が長かったんだよなあ。
「パンチが効いて肉と一緒にごはんがすすむ。 ステーキ用ニンニクダレ」「大根おろし1に対してポン酢ダレ3の黄金比でお試しください。 ステーキ用ポン酢ダレ」「食べたら分かる。ただの醤油にしなかった理由。 ステーキ用特製醤油」の3種類。
あの長い名前のタレは、ここにもあるのか? 提供カウンターの横にタレは置いてないのだが……。
ふと卓上を見ると、タレが3種ある。これはもしや……。
ここにもあった、サブタイトルの長いタレ。今日はこの「食べたら分かる。ただの醤油にしなかった理由。 ステーキ用特製醤油」を使って食べよう。本当にただの醤油にしなかった理由がわかるんだろうか……。
・1100円のヒレステーキ丼
で、こちらがヒレステーキ丼の並です。みそ汁・おしんこ付き。デフォルトでみそ汁付きは、松屋ならではのオプションだ。松屋はライス単品でもみそ汁がついて来るからありがてえ!
見た目は悪くない。赤身を残したレアな焼き具合で、実に美味そうではある。
たまたまかもしれないが、いくぶん筋張っているような印象もあった。ただ価格を考えたら十分だ。
先ほどのタレをたっぷりかけて今一度、口の中にかっ込む! ステーキ醤油と名付けられているだけあって、肉の旨味を引き出して、なおかつ味を引き締めてくれる。肉もさることながら、タレのかかったご飯がより美味しく感じられる。
「食べたらわかる」と書いてあったが、わかったのはご飯も美味しくなるということだ。なるほど、ただの醤油にしなかった理由はこれだったか……。
・まさかステーキ業界でも…
ところで、私はふと思った。松屋は牛丼チェーンだったはず。それが今ではサブブランドだった、揚げ物の「松のや」、カレーの「マイカリー食堂」を上手く軌道に乗せている。
ここへ来て「松牛」でステーキ業界でも覇権を狙っているのではないだろうか? かつや一強だった揚げ物業界に松のやで殴り込みをかけ、ココイチ一強だったカレー業界でもマイカリー食堂で幅をきかせはじめている。
ステーキといえば……いきなりステーキだったが今ではあまり話題を聞かない。それもさることながら、気になるのはお膝元の三鷹をなぜ新ブランドにしたのか? だ。本来ならステーキ屋松に戻しても良さそうなところ。それをステーキ定食にしたのはなぜ? 松屋の松牛に対する意気込みの表れか?
理由はさだかではないが、この1年で立て続けに3店舗出していることを考えると、松牛でステーキ業界を蹂躙(じゅうりん)する気かも……。とにかく今後が気になるところだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 ステーキ定食松牛 三鷹店
住所 東京都武蔵野市中町1-1-8
時間 11:00~22:30(L.O.22:00)
参考リンク:松屋フーズ、ステーキ屋松公式X
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24