ロケットニュース24

【自衛隊グルメ】漫画『ゴールデンカムイ』にも出てきた大湊水雷団の本拠地・大湊でカレーを食べる

2024年8月11日

駐屯地ごとの名物メニューや基地公開イベントのBBQなど、“自衛隊グルメ” はさまざまあるが、まっさきに思い浮かぶのは海上自衛隊のカレーライスではないだろうか。

部隊ごと、艦ごとに独自のレシピが伝わるとされるが、一般向けに「海軍カレー」「海自カレー」をPRしている町が全国にたくさんある。

青森県むつ市の大湊(おおみなと)もそのひとつ。漫画『ゴールデンカムイ』のファンなら、大湊水雷団の名に聞き覚えがあるかもしれない。


・北の防人(さきもり)大湊

函館の対岸・下北半島に開庁し、作中では「もす」こと鯉登平二少将の指揮下にあった大湊水雷団。現在は大湊地方総監部として日本の防衛を担っている。

そんな大湊基地のある むつ市 では、市内6店舗で「大湊海自カレー」を提供している。駅前食堂=護衛艦ちくま、DiningBar下北バル=護衛艦おおよど、下北名産センター=多用途支援艦すおう、といった具合に監修が異なる。複数店のハシゴの楽しみも!

今回は「レストランクッチーナ」の「大湊基地業務隊カレー」を目指す。



同レストラン、どの地図アプリでも住所に「マエダ2階」と出てくる。「マエダは当然知ってるでしょ」という前提で表示されるのでなんだろうと思っていたのだが、白鳥マークが目印の「マエダ」は青森ご当地スーパーマーケット。

ほとんどの店舗はスーパーらしい平屋なのだけれど、むつ市にある本店はデパートのようなビルヂングだった。

クリーニング店、衣料品店、菓子店など各種テナントが入り、大っ変にぎわっているのだが、天井の低さや少し波うった床材に歴史を感じる。まさに昭和レトロ!

ショーウィンドウにずらりと並んだ食品サンプルを見たときは、思わず「おおぅ!」と声が出た。

日本中がイオンに席巻される前には、こんな個性豊かなご当地ショッピングセンターが各地にあった。売り場の片隅にはたいてい薄暗いゲームコーナーがあり、10円玉を握りしめて「マッピー」(警察ネズミと泥棒ネコのアーケードゲーム)に興じた夏が脳裏によみがえる。



話を戻そう。「レストランクッチーナ」では金・土・日に1日限定20食で自衛隊カレーを提供。

「海軍カレー」がおもに明治時代の「海軍割烹術参考書」のレシピを再現しているのに対し、「海自カレー」は現代の海上自衛隊で実際に食べられているレシピだそう。

給養員らから直接技術指導を受け、厳しい「認定審査会」を経て艦長や司令から味の認定を得ているというガチっぷりだ。

定食はAとBの2種類で、ほかに単品のオーバルプレートもあり。ここはもちろん定食(各税込1200円)でしょう!

ちょっと待って、スプーンに「大湊地方隊」って入っているじゃないのぉぉぉ! アルミのプレートも給食感があってイイ! 食べる前からテンションがMAXに。

大湊基地業務隊のカレーはスパイス香るチキンカレー。ほかの部隊ではビーフカレーもある模様。

牛乳付きなのも「らしい」! 大人になると食事時に牛乳を飲むことが減るので新鮮だ。公式サイトに掲載されている実際の隊の写真では、紙パックの牛乳やカフェオレが見てとれた。

ゆでタマゴとタマゴサラダのダブル盛りなのは、タンパク質重視だから? 身体が資本ですからね。

チキンは白ワインに漬け込んでいるそうで、ホロホロと軟らかい。部隊ごとに異なる秘伝のレシピがあるというが、基地業務隊では隠し味にチーズ、すりおろしりんご、コーヒーを使用。凝っている!

「海自カレーA」はとんかつ付きで、カツカレーにアレンジできる。実際の隊の写真でも、カレー+揚げ物+野菜+デザートという構成がデフォルトのよう。

カツはサクッと揚がっていて旨い。量ばかり多くて味や彩りは二の次、という自衛隊食のイメージが覆る。

デザートにコーヒーゼリーまでついていた。栄養バランスが考えられているだけでなく、食べる楽しみもありそう。筆者が普段作っている「カレー、白米、以上」の食事とは雲泥の差だ。



もうひとつのセット「海自カレーB」は、とんかつが唐揚げに変わり……

デザートの代わりにラーメンがついていた! 海の家で食べるような「何も足さない、何も引かない」素朴なラーメンだ。

社員食堂、寮のまかない、学校給食、昭和基地メシなど、大勢に一斉に供される食事にはどうしてこうロマンがあるのだろうか。

たぶん献立から調理まですべてを他人に委ねる「今日のごはんはナンデスカ?」的な “お任せ感” が魅力なのだと思う。大人になるとなかなか体験できないからな。

基地業務隊とは総務科・厚生科・会計科・車両科・施設科・補充部のある隊だそうで、縁の下の力持ちのような存在だろう。今日もお仕事お疲れさまです!



・1日限定20食を用意

なお、「レストランクッチーナ」店内は昔ながらの和洋中なんでもあるファミリーレストランといった趣で、どこか懐かしくなるような温かい雰囲気。

まだイオンがジャスコだった頃、夏休みにおばあちゃんちに行くと、2階のレストラン街に連れて来てもらえたことを思い出した。きっと子どもが喜ぶから、という理由だったのだろう。

少し早めの10:30開店で限定20食のため、ランチタイムにはすでに完売している可能性もある。予約も可能とのことなので、確実に食べたい人は店舗まで直接問い合わせてみて欲しい。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 レストランクッチーナ
住所 青森県むつ市小川町二丁目4番8号 マエダ本店2F
時間 10:30~18:45(ラストオーダー)

参考リンク:大湊海自カレー公式ホームページ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

モバイルバージョンを終了