美容クリニックの情報をググっても宣伝ばっかりで実態が見えない……。
というわけで、自腹でいろんな美容法を試し人柱になる、それが「自腹レボリューション」である。
今回は、最近よくCMで流れてくる「クールスカルプティング」という脂肪冷却の痩身術を10万円でやってきたレポート。まさに清水の舞台から飛び降りる覚悟である。
にっくき腹の肉よ! 去ね! 去ね! 去ねえええええええ!!!!!
・あらすじ
太りに太って、もうどうしようもない状態である。中でも特にヤバいのが腹の肉。浮き輪みたいになってしまっていて、去年まではいていたスカート類が入らない。
しかも今のトレンドはヘソ出しファッション。考えた人を殴りたい。この腹の肉をちぎって投げることができたらどんなにいいか……。でも脂肪吸引とか怖いし……。
と、思っていた矢先に切らない痩身術として「クールスカルプティング」(以下クルスカ)の情報が入ってきた。なんでも、脂肪を急激に冷却することで、数ヶ月かけて脂肪を体外に排出するらしい。厚生労働省からも認可がおりているそうな
脂肪が落ちづらいことでおなじみの二の腕とか、背中の肉、腹の肉などをやる人が多いらしい。ちなみに、効果が出始めるのは約1ヶ月後からで、3ヶ月で効果が最大になるらしい。
・1部位 2万9800円からだが……
CMでは1部位2万9800円からと謳っているが、これでお腹とか二の腕全体をやれるわけではないというのがミソ。
これはアプリケーター1つの値段で、たとえば二の腕だったら両腕で2個以上のアプリケーターを使うので2万9800円×2で最低でも約6万円になる。
ちなみに、私がやりたい腹部に関してはダイヤモンド型といって、合計4個のアプリケーターを使う人が多いそうな。総額にすると約12万円。
これが、モニターキャンペーンで20%オフとなって、約10万円で受けられるという。
クリニックのHPによく載ってるビフォーアフターの症例写真を撮らせる代わりに安くなるのだ。
正直、写真なんか撮られまくってるし、顔は出ないのでこちとら抵抗感ゼロである。ええよええよ。
……なんて思っていたのだが、こころもとない紙パンツと紙ブラ姿で、美しい美容クリニックの女性に醜い体の写真を撮られまくるのは屈辱的だった。
・腹のマーキングからスタート
カウンセリングと診断、撮影を終えたら、腹のどこにアプリケーターを付けるかのマーキングが始まる。
クルスカはアプリケーターのサイズがきっちり決まっていて、これが施術途中で外れるとダメらしいので、かなり慎重にやっていく。
アプリケーターをあてて、たるんだ腹にラインマーカーで線を引かれていく……。これも屈辱である。
私が行ったクリニックはアプリケーターを2個同時に施術できる「クールスカルプティングダブル」という機械を使っていた。
クルスカダブルでは、冷却を2ヶ所ずつまとめてできる。私は合計4ヶ所冷却するので、2回に分けて施術する。
準備や術後のケアを含めるとだいたい全部で2時間かかると言われた。
・いざ冷却!!
施術台に載せられて、まずは腹にジェル状のマスクみたいなものを貼られた。これを貼らないと肌が凍傷になるかららしい。
そして、マーキングした部分に、慎重にアプリケーターを当てていく。アプリケーターは強力なスッポンみたいな感じで肉に吸い付く。
施術中に動くとアプリケーターが外れてしまい、その時点で冷却が停止してしまう。やり直す場合は同じ料金がかかるので、絶対に動かないようにと言われ緊張が走る。
思わず「ヒュッ」と声が出るくらい強い力でアプリケーターが吸い付いて苦しい。下腹より上腹のほうが痛い……!
アプリケーターをつけ終わったあとは、ズレないようにマジックテープのようなもので腹部をキツくグルグル巻きにされる。
そしてようやく冷却開始で、冷却時間は35分間。その間、腹部を動かしてはいけないのだが……。
冷却開始とともに、痛いほどの冷たさを感じる!
さらにスッポンみたいに吸い付くアプリケーターと、まるで氷の中に手をツッコミ続けた急速冷却の痛み!
看護師さんから「施術後の注意」について説明されるが、痛いほどの冷たさと吸引の強さで気が遠くなっていて全く頭に入らない。
「だいたい10分くらい経ったら、この冷たさにも慣れてきますので頑張ってください」と言われたが、5〜10分間は感じたことのない、突き刺さるような冷たさが襲う。
あまりの刺激に「このままじゃお腹が凍傷(トウショウ)ボーイになっちゃう……」という、くだらなすぎるダジャレがグルグルまわっていた。
腹式呼吸で動くとアプリケーターが外れるかもしれないので、呼吸も浅くしか出来ないのだが……。たしかに、10分過ぎたあたりから腹の痛みは感じなくなった。
ちなみに、腹を動かさなければOKなので、スマホなどは見られるようになって、スマホゲーを楽しむ余裕も生まれたくらいである。
ちなみに、温かいお茶とお菓子をなぜか出された。美容院みたいだな……。
・冷却後、地獄のマッサージ
そうこうするうちに35分の冷却タイムが終了。アプリケーターを腹から外されるのだが……。
クルスカは冷却して終わりではないのである……。
このあと、冷却した部分をしっかり揉みほぐして、血流を流さないと効果がない!
ということで2分間のマッサージが行われるのだが、これがめちゃくちゃ痛いと噂に聞いていた。
カッチンカッチンに冷やされた腹の肉を、二人がかりでゴシゴシグリグリグリグリ!!!! と揉まれるけど、たしかに痛い! めっちゃ痛い!
意外だったのは腹部の下の方よりも、上の方が痛かったこと……。
我慢できないほどじゃないけど「う、うう……!」と声が漏れるくらい痛い。でも、ここが効果の60%近くに関わるらしいので耐える!
10万払って腹の肉を減らそうとしているのだ。このくらいの痛みなんか耐えるさ! でも、痛い!!!!
終わったのはまだ片方だけ、まだもう1周残っている……。私はこの流れを2回もやって拷問にでもあったかと思った。
・地味に長いダウンタイム
このあとは、1〜2週間くらいは筋肉痛のような痛み、ピリッと刺すような痛み、あるいは足がしびれたときのような感覚が続く……とのこと。
そして、悲しいことにこの痛みに耐えたからといって即効性はなく、効果が出始めるのは1ヶ月後なのである。
つまり、真夏の今、クルスカをやったところで効果がでるのは秋以降。
その間はなるべく代謝をあげるように過ごしてくださいね〜と言われた。
ネットの口コミなどを見ると「忘れた頃に効果が出てきた」とか「金ドブ(金をドブに捨てるよう)だった」とか、意見はさまざま……。
さあ、私の腹の肉はどうなるのか……忘れたころに、経過記事を上げたいと思う。
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.