お風呂以外も充実しているスーパー銭湯。食事やロケーションなど魅力もそれぞれ個性的だ。サッと入って疲れを落とすのも良し、ゴロゴロするのも良しで休日を満喫するのにもってこい

そこで友人と出かけたついでに千葉県市川市のスーパー銭湯『楽天地天然温泉 法典の湯』に寄ったところ、入口に「日本一のジャンボ提灯」という看板があった。なんでも「これほど大型で贅を尽くしたアクリル製提灯は全国でも例を見ないと評判」なのだとか。? その提灯ってひょっとしてこれ……?

・日本一にも色々ある

そう、車用の入口を通った時に大きめの提灯があって、通過する時私(中澤)はなんとなく写真も撮った。ただ、日本一と言われると……

ピンと来ない。評判なんだあれ。その事実を知って、車用入口に引き返し、念のためじっくり見てみてもやっぱりピンと来ない。鳥獣戯画の絵が入ってたりするのは、綺麗ではあるけれど日本一なんだ。色々あるな日本一にも。

・自分探し

スーパー銭湯も個性がないとダメな時代なのかもしれない。なんとなく自分探し的な雰囲気を感じるぜ。1990年代から2000年代初頭に青春ど真ん中だった私は分からんでもないぞその気持ち。虚無であることに浸った時代だった。見つからなくとも探すこと自体が目的だったのである

自分探しって今やそんなに語られないけど、あの頃にゲットした「自分はちょっと人と違うこと言いますよ」って個性の出し方を引きずってる人は多いのではないだろうか。っていうか、私である

・スルー

黒歴史が疼(うず)くので閑話休題。提灯を見なかったことにして、風呂に入ることにした。悲しき記憶にはフタをするに限る。誰も悪くない。誰も悪くないんだ。そう言い聞かせながらサウナに入ったところ衝撃を受けた。おいおい、提灯どころじゃねえぞ……

サウナが明らかに凄いって……!


スタイルとしてはドライサウナで90度と普通なのだが、5段あってまるで映画館みたいな段差の付き方をしているのである。そのため、5段目に座ると肌がビリビリ痛いくらい熱い。この熱さは北海道登別で入った110度の鬼サウナを思い出した。

・サ活してみた

とはいえ、1段目はちゃんと90度くらいの熱さのため、ただ熱いだけじゃなく好みによって選べるようになっている。シンプルなアイデアだけど気が利いているのだ。

さらに水風呂は90cmと深い。温度は15度で冷たすぎずぬるすぎずという感じなので、水風呂に入った時点で心地いいのだが、何より良かったのは外気浴である。

露天風呂は5個も種類の違う湯があって内湯よりも広いくらいなのだけど、寝湯以外は隅の方に寄っていて、それ以外は全て外気浴スペース。湯のベッドみたいな寝湯も含めて、真ん中が全部外気浴スペースになっているのだ

建物の屋根が低いためか、風の通りもとても良い。完全にととのわせに来ている仕様で、事実、外気浴スペースでととのってる人は20人以上いた。サウナーの間でも話題のスポットなのかもしれない。

・銭湯力が高い

個人的にもサウナ室も水風呂も外気浴も全部に工夫が見えるのは珍しいように感じた。完全にサウナで戦えてる。探す必要もないくらい個性が迸(ほとばし)っている。

さらには、お湯もかなり良い。露天風呂には源泉かけ流しの湯舟があるのだが、42度と温度がしっかりあって熱め。また、内湯の炭酸泉は露天風呂側が開け放たれていて開放感がある。サウナーじゃない人にとっても良いスパ銭であるあたり、銭湯力が高い。

・スパ銭界の森田先輩

『げんしけん』の笹原かと思いきや、『ハチミツとクローバー』の森田先輩だったこのスパ銭。日本一の提灯は森田先輩が彫刻科を卒業したあと日本画科に入学したみたいな話なのかもしれない

そんな森田先輩っぷりを発揮しているにも関わらず平日入館料が850円なのは安めと言えるだろう。バスタオル・フェイスタオルは購入で、それぞれ450円と150円なので手ぶらで行っても計1450円。お食事処や座敷で地元のおじいちゃんがチルってるのも頷ける。

将来は私もこんなスパ銭の近くに住んでみたいものだ。そう思わせてくれた『楽天地天然温泉 法典の湯』。出る時には、日本一のジャンボ提灯はむしろオマケに感じたのであった。というわけで今回も……


\ととのったー!/

・今回紹介したスーパー銭湯の情報

店名 楽天地天然温泉 法典の湯
住所 千葉県市川市柏井町1-1520
営業時間 平日10:00~25:00 / 土日祝9:00~25:00(最終受付24時)
定休日 年中無休

参考リンク:楽天地天然温泉 法典の湯
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼お食事処のそばが十割そばで「更科」「石臼」「田舎」と3種類あるのがこだわりを感じた