東京から東名高速で西に向かう時、必ず寄るくらい有名なサービスエリアは数えるほどしかない。足柄もその1つと言えるだろう。広いし、富士山が見えるし、リフレッシュにはちょうど良い。
徒歩で行くサービスエリアシリーズに、そんな足柄サービスエリアのリクエストが届いた。リクエストの内容は以下の通りである。
・リクエストに応えたい
「東名足柄SA、最寄り駅は御殿場駅でかなり遠いですが、御殿場駅からプレミアムアウトレットへの無料シャトルバスが出ており、アウトレットからは比較的近いです。
温泉も入れます。
あえて佐藤記者ではなく中澤記者を指名してみました。」
──あえて指名されたら行くしかないな。ただ、御殿場駅からの情報はここに書いてある。プレミアムアウトレットへ無料シャトルバスが出ていて、そこから近いらしい。なるほど。
・足柄駅から行ってみたい
じゃあ、足柄駅の方はどうなってるんだろ? そう、足柄サービスエリアはJR御殿場線の御殿場駅と足柄駅の中間にあるのだ。全然誰も求めてないこだわりかもしれないが、個人的な気持ちとしても同じ駅名の足柄駅から行ってみたい。
そこで小田原まで新幹線で行き国府津でJR御殿場線に乗り換えた。渋谷から国府津は1時間ちょい。ここまではなんなら青梅に行くより近いくらいだが、御殿場線は単線で1時間に1~2本しか走ってないから注意な。
・単線ゆえに
それにつけても良い味を出している御殿場線。一番前の車両に行くと、目の前に里山が広がっているのが見られるのだが、その景色はまさに今旅をしているという実感があった。時間がゆっくり流れていく。
御殿場線がそんな感じなので足柄駅のプラットホームも時が止まったような雰囲気がある。
ただ、駅舎は近代的で、どことなくアンバランスさを感じた。無人駅だし、店はほぼないのに駅舎だけは安藤忠雄みたいである。高速道路利用者には足柄という名前は有名だけどJR駅はこんなんだったんだな。
・山越え
さて置き、御殿場方面に歩いて行くと、町の端から箱根駅伝みたいな坂が続いている。これは完全に山を越えるパターンの道だ。永遠に続くような坂道の脇には山しかない。
だが、それゆえに登っていくと……
富士山がめっちゃ見えた。特に見る気がなくとも目に飛び込んでくる。そして、目に飛び込んできたらやっぱりビビる。こんなに見えていいんですか? ひょっとしたら富士山見に来たのかなあと錯覚するレベル。
なんなら眺めが良すぎて途中で温泉に入ってしまった。最高だ。サービスエリアに歩いていってる場合じゃない。
・足柄駅からは40分くらい
道中の満足度が高すぎて危うく帰りそうになったが、その誘惑を振り切るように歩き続けたら山の中に足柄サービスエリアの入り口があった。ここまで歩いた時間は40分くらい。近いな。
広いだけあって、グルメもたくさんある足柄サービスエリア。しかし、それだけではなくハイウェイホテル「レストイン時之栖」や足柄金時湯まである。
・静岡の給食
散策してみたところ、レストランの『天神屋』で静岡の給食がテイクアウト販売されていたから買ってみた。というわけで、お昼ご飯は「ソフトめんのミートソース(税込645円)」と「さくらごはん(税込213円)」です。
ソフトめんを食べるのは初めてだけど、太めでパスタ的な弾ける食感はなく、うどんとそばの中間みたいな味だ。これしかない特殊さがあるけど、とりたててウマくはないところが給食という感じがする。ただ、個人的にはさくらごはんはかなり好きだ。
こちらは具が入っていない炊き込みご飯みたいな感じなのだが、味が小学校の頃給食で食べたかやくごはんに似ている。炊き込んでるから米の粒も立っていて子供の間ではお替わりの取り合いになったものだ。
私は静岡ではなく大阪出身だが、時代も時代だし給食費自体が限られているだけに同じような味になるのかもしれない。しっかり懐かしさを感じることができた。
・徒歩で来たからこそ
有名すぎるがゆえに、高速道路SAのイメージしかなかった足柄。しかし、歩いて来たことによってサービスエリアだけでは感じ取れなかった足柄が見えた気がする。歩くのは良い。これからも知っているつもりになっていることの新しい側面を見つけて行きたいものだ。それでは皆さんお手を拝借。せーのっ!
\徒歩で来たー!/
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.