『老麺』──それは、今から1600年前に中国で生まれた「小麦の天然酵母」と「水」のみで生地をつくる伝統的な製法。独特の優しい風味と深みがある味わいが特徴で、ものすごく美味とのこと。
しかし、この製法はとにかく難かしく現代の日本には正統な老麺を扱える職人がいなくなってしまったと言われている……
ただ、1人を除いて。
・唯一の老麺師
そう。日本には有名な『老麵師』が1人存在する。その人物とは、かつて目黒雅叙園で料理長を務めた、日本中国料理会の重鎮……
『高野文雄』だ。
現在、高野氏は弟子である息子さんと共に茨城県 守谷市に建てられたセントラルキッチンにて「老麺生地をつかった商品」の製造を行っている。
通常はオンラインでの販売と、イベントへの出店のみとなっているが、毎月29日にはキッチンを開放し「お得に購入できる直売会」も開催しているとのことだ。
・ヤバい……
本日は、セントラルキッチンにお邪魔して看板商品である『老麺肉饅(税込400円)』をいただいた。
こちらは、イースト菌を一切使用していない『100% 老麺』の生地でつくられた、古くから伝わる伝統的な味を堪能できる商品となっている。
(特別に店内で試食をさせていただきました)
早速、食べようと手に持ってみたところ……ビックリ!
自分の知っている「肉まん」とは比べ物にならないほど『ほわほわ』とした感触がする。それに、小麦の香りも濃くて甘い。
んで、ひと口食べてまたビックリ!
これはヤバい……。
口に入れた瞬間、甘い香りと共に「ふわっ……」っと儚く消える老麺生地。口いっぱいに溢れる肉汁とブリブリ豪快な豚肉の旨味。それに、餡に練り込まれた小松菜のシャキっとした食感も楽しい。
超ウマいぞ……。
ちなみに、オススメしていただいた『豆板醬+醤油』につける食べかたも信じられないほど美味かった。
初めての味わいに感動していた私の前に「デザートの替わりにどうぞ」と、とある商品が差し出された。
『老麺胡麻あん(税込330円)』だ! いやいや、もう勘弁してくれ。食べなくても分かる。この組み合わせは絶対に美味しい。これ以上、衝撃を受けたらどうかしてしまいそうだ。でもせっかくなので、パクッ……
あぁぁ美味いィィィィィィィ!
極上の老麺生地と、甘くて香ばしい胡麻餡の相性はやっぱり最高だ。あまりの美味さに数秒で平らげてしまった。
2品とも本当におススメなので、是非一度ご賞味いただきたい。
・肉まん ではなくて「肉饅」
そういえば、老麺肉饅をいただく前に……
「これは『肉まん』ではなくて、大昔の中国より伝わった老麺でつくられた伝統的な料理『肉饅』です。同じ読み方でも別物なのです」
と、高野氏が仰っていたのだが、実際に食べてみてその真意が分かった気がする。
生地の柔らかさ、香り、甘味。どれをとっても自分の知っている「肉まん」とは別格の美味さを味わうことができた。
日本で唯一の老麺師がつくる絶品の『肉饅』。オンラインからお取り寄せができるので、皆さまもぜひ一度味わってみてほしい。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 老麺肉まん高野 セントラルキッチン
住所 茨城県守谷市大柏1125-7
営業日 毎月29日に店頭での直売会を開催
時間 10:30~14:00