「目測を誤る」、歳を重ねるごとに自分の力量を過信して、想定外の事態に見舞われることが多くなった初老の佐藤です。
ここのところ、予定通りに事が運ばず、思わぬ負担を自らに課してしまうことが多々ある。
最近もフードコートで本格的な南インド・パキスタン料理を食べられるお店が、東京・豊田の「イオンモール多摩平の森」にあるとの噂を聞き付け、実際にお店に足を運んだ。
そこで、インドのクレープといわれる「ドーサ」を頼んでみたところ、完全に目測を誤って食いすぎる事態となってしまったのだ。クレープっていうから軽い気持ちで頼んだのに……。
・フードコートで本格派
このお店は、都内でインド・パキスタン料理店を展開する「パラソルグループ」の1店舗だ。新橋や東上野にも店舗があり、それらのグループ店は食べログの百名店(アジア・エスニックTOKYO)に毎年のように選出されている。つまりたしかな実力を持つお店である。
実力店の味をフードコートで味わえるなんて、にわかには信じがたいのだが……。
1階のフードコートのラインナップを見てみると……。ここは何でもあるなあ。丸亀・ケンタ・ロッテリア・ミスド・リンガーハットなど。フードコート外にもジョナサン・鎌倉パスタ・スタバがあって、何もかもここだけで完結してしまうじゃないか。
うちの近所にデカいイオンがなくてよかったよ。あったら、朝から晩まで入り浸ってしまいそうだ。
そういえば、こんなお店もありました。トリドールのとんかつ専門店「豚屋とん一」。いつか来たいと思っていたけど、今日の目的のお店はここじゃない。
今日はこちらです。「アナスドーサビリヤニ」、お店の名前にもある「ドーサ」を食べるためにここに来たのである。
ドーサとは、米と豆を発酵させた生地を薄く焼いた、いわばインドのクレープのようなものらしい。「インドのクレープ? 何それ、食べてみたい!」という純粋な衝動だけでここまでやってきた。
そのほかカレーはもちろん、そのほかインドの煮込み料理「コルマ」や、パキスタンの肉料理「カラヒ」なども提供している。だいたい価格はセットで1000円前後といったところか。
・デカすぎるインドのクレープ
私は「プレーンドーサセット」(税込989円)を注文した。それだけで昼食に足りないかな? と思い、一緒に「ラムビリヤニ」(税込1112円)も頼んだ。
それが誤りだった。
軽い気持ちでクレープを頼み、足りないと考えてもう1つ頼んだ結果、卓上はこうなりました。
ドーサってこんなにデカいんだね! 知らなかった……。長さは推定40~50センチ。
薄焼きのクレープ状ではあるけども、これ1つでお腹が満たされそうなレベル。
やっぱりデカいよね? 一般的なスイーツクレープの感覚で注文してしまったよ。知らない料理であるがゆえに、メニュー写真の見立てを完全に誤った。だが、頼んだ以上は食いますよ!
・高コスパ
まずはビリヤニから頂きましょう。ビリヤニには付け合わせにヨーグルトの「ライタ」がついている。それからすべてのメニューにドリンク1杯無料でついてくる、ラッシーかアイスチャイのいずれかだ。
2つ頼んだ私は、2杯無料で付いて来るので、ラッシーとアイスチャイを1杯ずつ頂いた。
ドーサのインパクトが強すぎて、ビリヤニが少なく見えるかもしれないけど、そんなことはない。これも1人前にしては量が多く、2人でシェアしてちょうど良いくらいである。
米は細長いバスマティ米を使用しており、肉や野菜の旨味と、香辛料の香りをしっかりとまとっている。パラリとしていて、食べるとほんのりスパイシー。
ラム肉もゴロゴロ入っていて、食べごたえバツグン! これで1112円って相当コスパ高いよね。サービスとはいえ1杯ドリンクもついてるしね。
ライタをかけると辛味が和らいでより美味しくなった。元の味は、断然甘党の私でも無理なく完食できる辛さではあったが、酸味の強いライタを加えることで口中がさわやかになって、一層食が進む。辛味と酸味って相性が良いんだよね。普段インド・パキスタン料理を食べる機会はあまりないけど、改めて食べるとよくできている。
さて、これ1食だけなら、味にもボリュームにも大満足。だが、私にはまだドーサが待っている……。
・無心で食えてしまう
一旦ビリヤニを置いて、ドーサに取り掛かろう。
これはどう食べるべきものなのか? やっぱりちぎって食べるもんだよね。ナンみたいに。広げてみると、デカいなあ。
まずはそのまま食べると……、あ、コレ好き! パリパリでお菓子みたい。ほのかに甘くて、無心で1枚ペロリと食べられてしまうような中毒性がある。
ほんとに無心になって、パリパリパリパリ食べていたら、付け合わせの存在を忘れてしまっていた。野菜を煮込んだカレー「サンバール」と「グリーンチャツネ」があるので、コレにつけて食べるべきだよな。
サンバールは野菜と豆を煮込んだものなので、香辛料の辛さもあるけど、全体的に味は甘め。一方のグリーンチャツネは、後味がピリリと辛かった。ドーサをつけて食べると、甘さと辛さが相殺(そうさい)されてちょうど良い塩梅に。なるほど、甘さと辛さを楽しむ料理なんだな。
そんなわけで2つのプレートを完食して、お腹いっぱいになってしまいました。目測を誤ったばっかりに、食いすぎるハメになるとは……。
とにかく、ドーサはとても美味しいインドのクレープなので、未体験の人は1度お試しを。本場の味を手軽にフードコートで味わえる良いお店だぞ!
・今回訪問した店舗の情報
店名 アナスドーサビリヤニ
住所 東京都日野市多摩平2-4 イオンモール多摩平の森 1F(森のキッチンコート)
時間 11:00~22:00
定休日 なし(施設に準ずる)
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24