カレーは一般的にインドを起源とする料理で、麻婆豆腐は中国発祥である。言うまでもなく、この2つは違うものだ。が! スパイスカレーと四川麻婆豆腐を融合させた、麻婆カレーを提供するお店があるという。麻婆カレー専門店「マボカリ」だ。
この店で出てくる料理は麻婆なのか? カレーなのか? どっちなんだ、コラ! 食べてたしかめるぞ、コラ!!
・麻婆なのか? カレーなのか?
このお店は大阪で4店舗を展開するカレーチェーンで、2023年9月には東京に進出している。難波の本店は吉本新喜劇の裏にあり、芸人も足を運んでいるのだとか。
今回訪れた新宿西口店は、JR新宿駅南口から徒歩約5分のところにある。黄色い看板が目印だ。
さて、これは麻婆豆腐なのかカレーなのか? 同じ疑問を誰もが持つようで、表にはあらかじめこう書かれていた。
「食べたことがない人は問います。『麻婆豆腐なの? カレーなの?』
食べた人は言う。『カレーでもなく麻婆豆腐でもない。』
それが、『マボカリ』なのです。」
いやいや、こういうのはベースがカレーだからカレーでしょうよ。カレーでも麻婆豆腐でもないなんてことはないはず。
……とはいえ、食べる前から決めつけるのは良くない。とにかく食べてみましょう、そのマボカリとやらを。
・この味は!?
メニューは大きく分けて、麻婆カレーと本格麻婆豆腐、それからオムマボカレーの3種類。そのほかにトッピングが用意されており、お店のおすすめは麻婆カレーにとりカツと生たまごを乗せた「カツタマ麻婆カレー」なのだとか。
お好みで辛さを4段階まで強化することができ、痺れ増し(花椒)も可能だ。ただし、これらは追加料金が必要となっている。
注文したのは、麻婆カレー(辛さ普通:税込880円)にとりカツトッピング(税込300円)である。待っている間に卓上を見ると、「とりカツ用ソース」が置かれている。カレーもさることながら、とりカツにも自信があることのあらわれではないだろうか。
これがそのマボカリとやらだ。見るからに辛そうなんだけど、辛いモノが苦手の私(佐藤)でも食い切れるか少々不安……。
具材に豆腐と挽き肉があるところからすると、麻婆寄りな気もするのだが、はたして味は麻婆なのか? それともカレーなのか?
スプーンですくい上げて、そのまま口に放り込むと……こりゃ麻婆!? いや違うな。やっぱカレー!? それもどうもしっくり来ない。う~ん……。
私の脳内の味を識別するセンサーは、この料理の味について「麻婆豆腐」と「カレー」のちょうど間あたりで反応している。これは難しい! たしかに麻婆豆腐でもカレーでもない気がしてきた。
一旦判断を保留にして、カツを食っておこう。先ほどの専用ソースをジャッとかけて、ひと切れ頬張る。
肉質がしっかりした鶏胸肉を薄衣でカリカリに揚げていて、トロリとしたカレーの食感とよく合っている。トロトロとサクサクは鉄板の食い合わせだ。間違いない。
今一度カレーに戻って、麻婆とカレーの境界線を探りたい。思うに、味の印象を決定づけているのは、カレーそのものよりもむしろ豆腐のような気がした。
麻婆豆腐というくらいだから、麻婆には豆腐があるのが当たり前。逆にカレーにおいては少々異質な存在である。それが全体に大きく影響しているところを考慮すると、私のジャッジはこうだ!
麻婆豆腐55%:カレー45%
僅差でこの料理は麻婆豆腐と感じられるのである。もしも具材にじゃがいもやにんじんが入っていたら、味の印象はまったく違うものだっただろう。
とはいえ、麻婆カレーと名の付く商品がこれまでいくつか登場しているなかで、1番中立な味を実現したのはマボカリではなかろうか。ぜひ食べていただき、あなたのジャッジを仰ぎたいところだ。食べた人の数だけ、麻婆とカレーの境界線がある……。
・今回訪問した店舗の情報
店名 マボカリ 新宿西口店
住所 東京都新宿区西新宿1-19-4 山本ビル1F
時間 11:00~23:00(L.O.22:45)
参考リンク:PRTIMES
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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