100円均一の大手「ダイソー」のイヤホンがスゴイという噂を聞いた。いやいや、あのダイソーだよ? 安くて便利なものがたくさんあるのは知ってるけど、さすがにそんなに褒めるようなものでもないんじゃないの? どんだけ高くても1000円程度でしょ? え!? 販売価格は税込550円? ならなおさら、スゴイってことはないでしょ。
このように、かなり舐めた気持ちで音を聞いたところなんじゃコリャーーー!! ってなった。
・スゴイらしい
ダイソーのイヤホンに関する噂は以前から耳にしていたのだが、私はワイヤレスイヤホンを愛用しており、少し前まで有線イヤホンを使う気はあまりなかった。
しかし最近ちょっとしたきっかけで心変わりして、安価で良質な有線イヤホンを探そうとしていたところ……再びあの噂にたどり着いたのである。
「ダイソーのイヤホンはスゴイ」と……。
もはや音をたしかめる以外に呪縛から解き放たれる術はない。そう覚悟を決めてダイソーを訪ねた。
時計とかスマホフィルムとかあるコーナーを覗くと、噂のハイレゾイヤホン発見。
型番の異なる製品が1つずつあったので、まずは入門編ということで若い番号の方を購入した。いずれも税込550円である。この値段で「スゴイ」と言わしめる音質を楽しめるとは到底思えない。
・3製品を聞き比べ
マイク付ハイレゾ対応イヤホン(型番:6071)。マイク部のボタンで音楽の再生・停止、着信時の受話・終話の操作ができるようだ。ちなみに私はハイレゾ音源(および再生アプリ)を持っていないので、ハイレゾの音質をたしかめることはできない。
こちらが実物だ。価格にふさわしい見た目というか、ルックスは想像の範囲を出ない。まあ、こんなもんじゃないでしょうか。外見でその実力がわからないのは、人もイヤホンも同じだ。
音質をたしかめるためにダイソーのほかに、古(いにしえ)の100均イヤホン。それからiPhoneの純正「EarPods(Lightning)」と聞き比べをしてみることにした。
比較した曲は、スティングの『Shape of My Heart』とイマジン・ドラゴンズの『Bones』である。プレイヤーアプリのイコライザーをフラットにして、それぞれ聞いてみた。
・iPhone純正「EarPods」
純正製品だけあって、音は可もなく不可もなくのバランス型。広さを感じさせる聞こえ方がするのは、おそらくEarPodsの形状が理由なのかも。もわ~んと柔らかい広がりのある音だ。
やはり良くも悪くもない。良く言えばバランスがいい。悪く言えば個性や主張がない。
・古の100均イヤホン
最近見かけることが少なくなった、チープな100均イヤホン。私(佐藤)はコレを、Pouch編集部のあんすずに借りた。なぜ彼女がコレを持っていたのか不明だが、比較材料にちょうどよかったので貸してもらった。
さて、音は別の意味でスゴイ、漏れまくりである。聞こえ方をあえて例えるなら、遠くの小屋で誰かがオーディオを鳴らしているような感じだ。鼓膜に音が到達せずに、横っちょから全部漏れている気がする。100均のイヤホンなんてこんなもんだったんですよ。だから逆に安心した。
・ダイソーのイヤホン
そして本題のダイソーなのだが、再生した瞬間にハッ! とさせられてしまった。音がイイ! EarPodsよりずっとイイ!! あくまでも個人の好みではあるけど、私は好きだ。
音の分離がしっかりしていて高音の抜けが良く、ほどよい広がりも感じさせる。このイヤホン、いくらだっけ? 550円だよな、ウソだろ? 桁が1つ違うんじゃないか? と思うほど使える鳴りをしやがる。なんじゃコリャ―ーー!!
正直なところ、多少物足りない点は否めないけど、イコライザーをいじれば補えそうだ。ヘッドフォンアンプやDACがあれば、さらに満足度を高めることもできるだろう。
とにかく驚くのは550円という低価格。あのシャーシャー音漏れのする100均イヤホンの時代からこんなところまで来ちまったのか!? この先さらに改良が繰り返されたら、イヤホンの価格破壊が起きるかもしれないぞ。割とマジで! 気になる人は550円で買ってみてほしい。おったまげるぞ!!
参考リンク:ダイソー
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24