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生まれて初めてのマカロンを「マクドナルド」で体験してみた / チョコ・バニラ・ラズベリー3種と期間限定ゆずフレーバー食べ比べ

2024年3月27日

かれこれ30年以上生きてきたが、筆者はマカロンというものがよくわかっていない。

この「わかっていない」というのは「あらゆるマカロンを食べてきたが未だ本質には至っていない」などという上等な意味合いでは決してなく、「マカロンを食べたこともなければ味や食感の想像さえついていない」という純然たる無知の発露である。

そういうわけで、最近になって筆者は「マカロン事情に暗いどころか暗黒を極める人間が気軽にマカロンを初体験できる場所はないものか」と探し始めたのだが、予想に反して極めて短時間で見つけることができた。何故ならその場所は、マクドナルドだったからである。

マクドナルドで、マカロンが売っている。全く盲点であった。「人は見たいものしか見ない」と言うが、いかに日頃の筆者の視線がハンバーガーとポテトを重点的に舐め回しているか窺い知れるというものだ。

さておき、同店が扱っているマカロンについて説明すると、基本的にはチョコレート・バニラ・ラズベリーの3種である。現在は2024年3月21日より期間限定でゆずフレーバーがそこに加わっており、価格は一部店舗やデリバリー等の例外を除いて4種とも190円だ。

このラインナップを前にして、マカロン暗黒人間はどういったチョイスを敢行するか深い苦悩の沼に沈みかけたのだが、その苦悩も短時間で霧散した。何故なら「マカロン5個入りボックスセット」なる極めてうってつけの商品が売られていたからである。

この商品は文字通り計5個のマカロンを自由に選んで組み合わせることが可能なセットで、こちらの価格は850円となっている。当然ながら単品で買うよりも安い。筆者は上記4種と、チョコレートをもう一つ頼むことにした。


そしてついに実物に相まみえると、心の中に様々な感情が湧いた。つるつるとした表面を見て「画像を加工していたわけではなく本当につるつるしているのだな」と思うなどした一方で、「これは一体どうやって食べればよいのか」と無知ゆえの戸惑いを抱いたりもした。

カトラリーの類は付属していなかったので、まずはチョコレートのマカロンを手でつかんでみたものの、ほのかにべたつく。かといってやはりフォークやナイフを持ち出すほどのことでもない気がする。これほどあらゆるアプローチがしっくりこない洋菓子は初めてである。

しかしここで「マカロンの食べ方がわからなかったため記事を断念した」とあっては永久にウェブライター界から追放される予感がしたので、手につかんだマカロンを口に放り込み、噛み締めた。その瞬間、食べ方などどうでもよくなるような新鮮な驚きを覚えた。

食感、この何とも言い難い食感である。クッキーとパイ生地の狭間とでも表せばよいのか、絶妙なサクサクとした歯触りが一息に筆者の心を掌握した。この時点ですでに「マカロンからしか得られないマカロンならではの良さ」のようなものをまざまざと思い知っていた。

片やその生地に挟まれたチョコレートクリームはふんわりと柔らかで、コントラストが心地良い。まろやかな口溶けのあとに優しい甘みがやってきて、思いのほか食べやすく、食べ進めるほどに魅入られる。


次いでバニラフレーバーを味わってみたところ、チョコレートよりはかなり甘さが強く濃厚である。さりとてしつこいわけでもなく、後味がこびりつくわけでもない。しっかり甘党向けでありながら、逸脱しないバランスの良さも感じ取れる。

ともあれチョコもバニラも甘さ志向ではあるわけで、それら2つとは上手く趣向を変えているのが、第3のフレーバーを担うラズベリーである。爽やかな香りとフルーティな酸味がたまらない。最も万人受けするのはこれだと思うし、手土産に持って行きたいのもこれだ。

期間限定のゆずフレーバーもその路線の延長線上にあるようでいて、しかし明確に異なる。柑橘由来の酸味がクリームに溶け込んでいるのは確かだが、同じくクリームに含まれたバターのコク深さの方が印象的だった。和菓子とも洋菓子とも違う新境地に挑んだ一品だ。


と、立て続けに4種の品を食べた筆者だったが、舌が混乱して何が何だかわからなくなったということは全くなく、むしろマカロンを初体験すると同時にその世界の広さを実感した次第である。マカロン自体も、そしてどのフレーバーも個性的と言うほかなかった。

マクドナルドのおかげで、ようやくマカロンについて少しわかった。もし筆者と同じくマカロンを食べたことのない方がいたら、あるいはマクドナルドのそれは未体験だという方がいたら、ぜひ手を伸ばしてみてほしい。今度は皆さんと、マカロンを「わかり合いたい」気分だ。

参考リンク:マクドナルド 公式サイト
執筆:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
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