今年も確定申告の時期がやって来た。そこでJASRACから送られてきた著作権利用料(言わば印税)の支払調書を確認したところ、2023年分は22万4160円。私(中澤)の場合、著作権利用料は雑所得。つまり20万円を超えてるということは確定申告しないといけない。
だが、去年のようにJASRACの税務相談を利用しようとしたら予約でいっぱいだった。大人気。というわけで、自力でe-Taxでやってみることにした。
・ド素人
ちなみに、私が確定申告したのは去年が初めて。でも去年はJASRACの税務相談で書類を作ってそのまま提出しただけなので、確定申告について何も分かっていないド素人と言って差し支えないだろう。
去年の経験で分かったのは、職場の源泉徴収票とJASRACの支払調書が必要ということくらいだ。はたして、e-Taxはこんな私を無事に確定申告させることができるのか? たのもー!
・準備
で、触ってみて一旦やめた。準備が思っていたより大変だったのである。マイナンバーカードは当然用意していたが、他にもアカウントを作ったり、利用者識別番号を取得したり、マイナポータルアプリをダウンロードしたり、開始するまでが思っていたより長い。
ただ、この辺は面倒くさいだけでド素人の私でも詰まったりはしなかったので、e-Taxのサイトの「ご利用の流れ」とかを見ながら進めたらできるんじゃないかと思う。一旦やめたのはキリの良いところまで行ったから休憩したくなったのだ。
逆に言うと、そう思うくらいの面倒くささではあるので、初めての人は余裕をもって始めた方が良いだろう。
・作成開始
それよりも、私がマジでブチギレかけたのはこの後だった。日を改めて準備万端な気分で国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を開き、意気揚々と作成開始ボタンをクリックした。ついに確定申告が始められるぞー!
すると、出てきたのは3つの選択肢。「1.スマートフォンを使用してe-Tax」「2.ICカードリーダライタを利用してe-Tax」「3.ID・パスワード方式でe-Tax」……3の選択肢は1、2をお持ちでない方と書かれている。ICカードリーダライタは持ってないから、私の場合スマホだろう。
そこで1をクリックしたところ、次のページは税金の種類の選択。これは「所得税」。うんうん分かるぞ。ついに始まるんだな確定申告が。
・その前に
すると、「マイナポータルと連携する」と「連携しないで申告書等を作成する」の選択肢が。どうやらマイナポータルで証明書等のデータを一括取得し、そこからe-Taxへ自動入力される機能のようだ。
令和5年分確定申告からは、給与所得の源泉徴収票、国民年金基金掛金、iDeCo、小規模企業共済掛金が対象なのだとか。これめっちゃ便利やん。
・事前準備
せっかくマイナポータルに登録してるんだからこれは連携しないと意味ない気がする。当然連携するを選んだのだが、下にスクロールしたところ、「事前準備を行う」というボタンが表示されていた。まだ確定申告始まってなかったんだな。
そこでクリックしてみると、「マイナポータルと各種ウェブサイトをアカウント連携(事前準備)」と書かれている。どうやら事前準備とは、データを取得するために各種ウェブサイトをマイナポータルと連携することを指すようだ。
まあ、必要ならやるかという感じで「ログインしてはじめる」をクリックする。一刻も早く確定申告したいからサクサクいくぞ。
・QRコード
と思いきや、表示されたのはQRコード。そこにはこう書かれている。「マイナポータルアプリでQRコードを読み取る」と。そこでマイナポータルアプリを起ち上げてログインしてみたところ……
QRコードの読み取り機能がない! e-Taxの「QRコード認証」の説明ページによるとトップ画面右下に表示されていることになってるのにどれだけスクロールしてもないもんはない。QRコード読み取りが表示されないってもう行き止まりやん。確定申告させてよォォォオオオ!
想像してみて欲しい。迷路を一生懸命進んで来たらシャッターが閉まってた時の気持ちを。しかも、お前らが来いって言うたんちゃうんかコラァ! フー!! フー!!
いかんいかん。思わず政府にブチギレかけてしまったが、楽にしようとしてくれているという前提を忘れてはいけない。あと、ここで投げ出したら追徴課税になる。確定申告じゃなきゃ投げ出してるね。
・私が解決した方法
というわけで、別の入り口はないか探してみたところ、マイナポータルアプリのトップの注目のコーナーに「確定申告の事前準備」という項目がある。ここから普通に証明書の取得からe-Taxとの連携まで全部できた。
さらには、指示通り進んでいくと、確定申告作成に飛び、確定申告が始まって終わった。エスカレーターやん。なんで最初からマイナポータルに飛ばさへんねん!!
・迷宮感がある理由
再びブチギレかけてしまったが、よく考えたらド素人の私でも確定申告が始まったら詰まるところが1つもなかったのは凄い。数値入力も自動入力と手元の資料で入力するだけで計算とかないし、質問に答える形式も分かりやすい。始まってしまえば中身自体はユーザーフレンドリーな設計であるように感じた。
入口で躓いたのも私がド素人だからこそだと思う。とは言え、ド素人が分からないと意味ないシステムであることも事実。なのであえて意見を言わせてもらうと、入口は1つで1本道の方が分かりやすい。いくつも入口と分岐があってたまに出口に出られなかったりするから迷宮感があるのだ。
・読み取り機能の位置
まあ、とにかく終わったし、そのうち、もっと分かりやすくなっていくだろう。落ち着いてから改めてマイナポータルを開いてみたところ思いもよらなかったことに気づいた。ホゲエエエエエエエ! QRコード読み取り機能が……
ログイン前の画面にあるッ!!
探してみると、QRコードの読み取り機能の表示については、e-Taxの説明より、国税庁のこちらのページの説明が正しそう。とにかく2024年2月28日時点ではマイナポータルの読み取り機能はログイン前画面の下のタブだ。
そういうとこやぞ。見逃しちゃってる道は他にもあるのかもしれない。なにせ普通に行ったり来たりしすぎて今e-Taxにいるのかマイナポータルにいるのかすら分からなくなってたもん。今後の進化に期待しかない。
参考リンク:国税庁
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.