カルディといえば輸入食品の店。中でも強いのが「エスニック系」なわけだが、春のカルディは一味違う。
ホワイトデーや送別会でのプレゼント用とおぼしきロマンチックなお菓子が目白押し。淡いパステルカラーや花柄の箱に入ったかわいいお菓子にうっとりしてしまう。
中でも私の中の乙女心がふるえたのが「フローラルチョコレート」なる商品である。これ、カルディで売ってる商品の中で一番かわいいんじゃないかしら。
・フローラルチョコレート ローズ&クランベリー(669円)
まず、美しいのがクラシカルな花柄の缶ケースのデザイン。エメラルドグリーンに淡いピンクの薔薇と、レトロな文字。
缶の佇まいもさることながら、中に入ったチョコレートがまたロマンティックなのだ。
なんと「ローズとクランベリーのチョコレート」ときたのである。
まるで子供の頃に読んだ絵本でお姫さまが食べていたお菓子のようではないか。
もしくは、私が10代の頃にバイブルにしていた少女雑誌「Olive」の世界である。自由が丘の隠れ家みたいなお菓子屋さんで売ってるチョコレート……みたいな。
ゴチャゴチャしたカルディで陽気な民族音楽のBGMをバックに、私の頭は完全に乙女モードに入っていた。
・味も乙女チック
缶入りのお菓子は蓋をあける瞬間も、秘密の宝箱を開けるみたいで楽しい。
中から出てきたのはピンク色のビーズみたいなチョコレート。
袋を開けるとふんわりと薔薇の香りが漂う。中にドライクランベリーの粒が入っているようだ。
こうした薔薇のお菓子というのはバランスが難しくて、下手すると化粧品や芳香剤を食べてるみたいになりがちである。
これはどうかしら……と思いながらひとくち食べると、フワッと薔薇の香りが口に広がり、クランベリーのキュッとした酸味があとから広がった。
かわいいだけじゃなくて、ちゃんと美味しいじゃないの……。
甘酸っぱいクランベリーがかなりいい仕事をしていると思う。薔薇のチョコだけだったらここまで美味しくないはず。
現実の私は新宿の雑居ビルで働く40歳女性ライターだが、この「フローラルチョコ」をひとくち食べたら、心の中はお姫様である。
フランスかどこかの輸入食品かしらんと思いながら、箱の裏をチェックしてビックリ。なんとカルディのオリジナル商品だったのだ! センスいい!
・夢のようなお菓子
小さな花柄の缶を開けたら、薔薇とクランベリーのチョコが出てくるなんて夢みたいである。
『若草物語』に出てきた秘密のキャンディ缶や、『赤毛のアン』に出てきたいちご水みたいな、ロマンティックなお菓子に憧れた人は買い。
食べ終わったあとの缶も再利用できることも考えると、約700円はかなりお買い得だと思う。
さて、私は毎日飲んでる薬でも入れようかしら……。漢方薬とサプリが入るサイズの箱、ちょうど探していたのよね。
心は乙女でも、体はもう中年なのだ。あ、自分で魔法を解いてしまった……。
【忖度ゼロ評価】
珍しい度 ★★★★★
買い指数 ★★★☆☆
参考リンク:カルディ
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.