ロケットニュース24

川崎の地元民にオススメの食べ物を聞いたら「これしかねえ」と謎の酒場に連れて行かれた話

2024年2月16日

名物とかB級グルメと言えば地方都市の専売特許。東京に近づくにつれて、全部ある感じになるので「この街はこれ!」というのが無くなる。

神奈川県川崎市も東京近郊の大都市なのでそういうイメージだったのだが、川崎の地元民にオススメの食べ物を聞いてみたところ「これしかねえ」と謎の酒場に連れて行かれた。そこがマジで個性の塊すぎたためお伝えしたい。

・川崎市民まっしぐら

ドヤドヤした夜の川崎東口の繁華街。路地裏を行き交う人の中に水商売的な雰囲気が漂っているところは、池袋や歌舞伎町みたいな夜の街オーラを感じた。その中をスイスイ進んでいく背中はさすが地元民の心強さがある

ここまで読めば大体察しがつくと思うが、私(中澤)は川崎にほぼ来たことがない素人。ゆえに、友達に軽いトークのつもりで「なんかオススメない?」と聞いてみたわけ。

大体は「ない」と返ってくるこの質問。しかし、まさか川崎で「これしかねえ」というものがあろうとは。

・謎の酒場

「とりあえず川崎に来たら1回は食べた方が良い」と言う彼。そんな彼が入っていったのは薄暗いビルの2階にある真っ赤な入口。煌々と光る看板にはこう書かれていた。『元祖ニュータンタン酒場』と。

元祖と言われましても、そもそもニュータンタン酒場を知らない。っていうか、ニュータンタンって何やねん。そこでメニューを見たところどうやら担々麺のようだ。


・担々麺ではない

川崎市民いわく「中辛以上が本当の味」とのこと。そこで「タンタンメン(税込910円)」の中辛を注文してみたところ……


知ってるタンタンメンと全然ちげえッ

私も担々麵に詳しいわけではないが、とりあえず中辛でこの赤さはおかしいだろ。肉そぼろ以外に溶き卵がふんだんに入っていて、表面が卵がゆみたいになっているのも初めて見るパターンだ。だが見た目だけでなく、味も私が知っている担々麵と全然違った。


・味の違い

担々麺はゴマが香るまろやかな旨みの中にピリッと辛さが効いているイメージだったが、香るのはゴマじゃなくニンニク。唐辛子と別にニンニクの辛みを感じるくらいニンニクがめっちゃ入っている

ゆえに、辛さがなかなか暴力的だ。丸くて太い麺の外側はモチッとしてるけどパツッと切れる食感も独特。ウマイ以上になんか強い。1度食べると忘れられないくらいのパンチがあった。

・成り立ち

その味の強さはどことなく海外の現地料理みたい。ちょっとしたとっつきにくさがあるというか。と思っていたら、壁に貼ってあったグループ紹介にこう書かれていた。

「スタミナがつく料理をと創業者が中華料理の担々麵をアレンジしたのが始まりです。担々麺をアレンジしたということで「ニュータンタンメン」と命名」

──創業55年で現在では川崎市を中心に30を超える店舗数を展開しているのだとか。確かに、川崎に根付いているものの様子。



・酒場は川崎にしかない

ちなみに、ロケットニュース24でも以前、佐藤英典記者が池袋の元祖ニュータンタンメン本舗をレポートしていた。どうやら東京や埼玉、長野、宮城などにも進出している模様。

しかしながら、ニュータンタン酒場なのはここだけのようだ。さすが本場。ただのラーメン屋ではなく、メニューもおつまみ系がバリエーションに富んでいる。お酒もビール、ハイボールはもちろん、焼酎、酎ハイ、カクテル、日本酒、紹興酒まであった。

・これしかねえ

なお、案内してくれた川崎市民の話によると、「日本に担々麺が少なかった時に、創業者がガチで中国で担々麺を食べてできたのがニュータンタンメンらしいよ」とのこと。

そう考えると、私が感じた他の担々麺との違いや海外の現地料理的なとっつきにくさは、元ネタへの距離の近さから来ているのかもしれない。これもアレンジされているものとは言え、個人の研究と日本カラーが確立された後ではやっぱりアレンジ深度が違うだろうしな。

ゆえに、なんかオリジナリティーがヤバイことになっているニュータンタンメンはまさに独自進化と言える。食べた後、確かに「これしかねえ」と思ったのであった。



・今回紹介した店舗の情報

店名 元祖ニュータンタン酒場
住所 神奈川県川崎市川崎区砂子2-11-20
営業時間 平日17:00~24:00、金曜17:00~27:00、土曜11:30~15:00 / 17:00~27:00、日曜11:30~15:00、17:00~24:00
定休日 無休

参考リンク:元祖ニュータンタンメン本舗
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼ラーメン・餃子以外にも色んなメニューがある

▼辛みなしはこんな感じ

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