絶景駅ってよく話題になるけど、絶景の道の駅ってあんまり知らない。そこで道の駅マニアに話を聞いてみたところ、道の駅こそ景色の宝庫なのだという。へ~、田舎のお土産屋みたいなのしか見たことなかった。
というわけで、全国500駅を巡ったという道の駅マニアのスーザンさんと、YouTubeチャンネル「拝啓、道の駅から」の相棒であるだんぺいさんの2人に絶景の道の駅を聞いてみたぞ。2人が実際に体験して心に残った道の駅の絶景10選がこれだ!
・道の駅湯西川(栃木県)
スーザン「栃木県の奥に佇む湯西川温泉の入り口にある道の駅なんですが、目の前には五十里湖があり、野岩鉄道の湯西川温泉駅が直結しています。その鉄道風景が冬になると、一面雪景色になるんですね。真っ白に染まる山、鉄道、雪の景色は絶景と言えるでしょう。観光名所とかダム湖の中を走る水陸両用バスもあって良い道の駅です」
だんぺい「僕も山中の雪景色とその中を走る電車が心に残ってますね。雪景色という絶景をさらに引き立てていてオススメッス!」
・道の駅かつやま(山梨県)
だんぺい「紅葉シーズンで思い出すのは道の駅かつやま。富士五湖の一つの河口湖と紅葉を一緒に見られて絶景だったな~」
スーザン「目の前には河口湖。道の駅の周りから色づく紅葉はまさに鮮やか。河口湖の周りを走らせるだけでも最高のドライブを楽しめて、紅葉と富士山を眺めることもできます。道の駅には季節のフルーツや河口湖を眺める展望台もあって紅葉シーズンには重宝される道の駅ですね」
・道の駅高田松原(岩手県)
だんぺい「東日本大震災の津波で他の松の木が薙ぎ倒された中唯一残った奇跡の一本松は、単なる絶景というだけじゃなかったな。色々と考えさせられたッス」
スーザン「この奇跡の一本松はメディアにもよく取り上げられているんですが、その他にも震災遺構が残っており、震災で起こった事を深く深く考えさせられました。力強く残る一本松は絶景でもあり、色んなものを感じ取れる神秘的な場所です」
・道の駅美ヶ原高原(長野県)
だんぺい「日本一標高が高い道の駅の美ヶ原高原のパノラマもヤバかったスね。壮大さに危うく召されかけました」
スーザン「長野県の山の上にあって、北アルプス、浅間山、佐久平を眺められる道の駅です。晴れの日に標高2000メートルから見渡す山々は圧巻ですよ」
・道の駅笹川流れ(新潟県)
だんぺい「笹川流れも外せないッしょ。海の水が透明すぎて目を洗いたくなったッス!」
スーザン「笹川流れは天然記念物に指定されている海岸なんですが、道の駅笹川流れは、道路を渡ればもう海という絶好のポイントにある道の駅です。美しい日本海に並ぶ奇岩、洞窟の数々は荒々しくも精密で芸術品のような美しさがありました。夕日も綺麗で時間帯によって表情を変えるオススメスポットですね」
・道の駅瀬戸大橋記念公園(香川県)
スーザン「雄大さで言うと、香川県の瀬戸大橋記念公園も良かったですね。巨大な橋を等身大で感じ、瀬戸内海にのびる橋は先が見えなくなるほど長い。道の駅では瀬戸大橋の歴史や構造を学べ、その後に瀬戸大橋を見ると人間讃歌を感じます。違った目で瀬戸大橋の景色を楽しむことができるのでオススメです」
だんぺい「瀬戸大橋を渡り切ってすぐのところにあったんですけど、瀬戸内海、瀬戸大橋、本州を見渡せるのは迫力があったッス。橋は渡るのではなく感じないとダメッスね。学びを得ました」
・道の駅うみてらす名立(新潟県)
スーザン「海繋がりで、うみてらす名立もオススメですね。目の前が上越の海で、夕方には、シンボルの風車と日本海に沈む夕日がここだけの絶景を作り出します。海風を感じる絶景露天風呂や、カーテンを開けたら目の前が海の宿泊施設も極上の時間を届けてくれます」
だんぺい「道の駅内の宿泊施設とか、温浴施設からも海と風車と綺麗な夕日が見えたのが良かった! その時、分かっちゃったんスよね。今日のベストシーン、来ちゃったかって。ととのいました」
・道の駅みなかみ水紀行館(群馬県)
だんぺい「海も良いけど川もあるよね。あるある。みなかみ水紀行館ありえるよ! 利根川のラフティングでたくさんのラフトが並んでる光景は壮観でした」
スーザン「みなかみ水紀行館は群馬の名温泉・水上温泉の玄関口にあたる道の駅なんですが、裏手で激流の利根川上流を眺められます。普段見る利根川とは全く違うその姿は一見の価値あり。日本一のモグラ駅「土合駅」、水上温泉の温泉街、百名山の「谷川岳」と街の雰囲気にあった道の駅ですね」
・道の駅果樹公園あしがくぼ(埼玉県)
スーザン「東京から近めのところで言うと、果樹公園あしがくぼでも幻想的な光景が見られます。道の駅からはちょっと離れたところなんですが、氷柱があるんですね。高さ30m幅200mにわたって広がる「あしがくぼの氷柱」は見惚れてしまう美しさで、夜にはライトアップもされます」
だんぺい「辺り一面に氷柱が広がる空間は神秘的だったスね。神でした」
・道の駅みょうぎ(群馬県)
スーザン「みょうぎは、日本三大奇景の1つ妙義山の目の前にある道の駅です。特徴的なフォルムをくっきり眺められるのもさることながら、早春になると多くの河津桜が咲き道の駅を彩ります。桜と妙義山を一気に眺められる景色は、日本古来からの絶景が感じられて良いですね」
だんぺい「妙義山は見れば見るほど面白い形をしていて好きです。さすが日本三大奇景。ギザギザがマジ個性的でリスペクトっス。あれだけ尖ってたら大変なことも多いだろうに山社会の同調圧力にも負けない心意気を感じます。山も生きてるんですね。クッ、涙なしには見られません!」
──以上。道の駅マニアに聞いた絶景10選であった。画像を見せてもらった時は妙義山が普通に感じたのだが、説明を聞くとちょっと行ってみたくなる。そういうところにもマニアの愛が感じられたのであった。
ドライブしているとポロッとあるイメージだった道の駅だが、思った以上に未知の世界が広がっているようだ。遠出した際は、ついでに寄るだけでなく、そこに注目してみるのも面白いかもしれない。
参考リンク:拝啓、道の駅から
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
道の駅画像提供:拝啓、道の駅から