ロケットニュース24

ここまで来たか冷凍食品! 人間力が一段高くなったように錯覚する宅配ミールサービス「GREEN SPOON」活用レポ

2023年11月26日


──とにかく料理したくない。だけど外になんか一歩たりとも出たくない。

生活用品ならAmazon定期おトク便、日々の食料はネットスーパー、外食したいときはUber Eatsという完全なる在宅生活が実現する現代社会。

筆者もヘタすると一週間くらい外に出ず、郵便受けに数日分の郵便がどっさりたまって通報されるんじゃないかというレベルなのだが、そんな苔がはえそうな潜伏生活を少しでも充実させるべく新たな宅配フードサービスを初めてみた。GREEN SPOON(グリーンスプーン)だ。


・ヘルシー志向&おしゃれな「GREEN SPOON」

GREEN SPOONは最近増えている「冷凍おかずのサブスクリプション(定期購入)サービス」のひとつだ。単品購入も可能だが、基本的には8個入り、12個入り、20個入りなどのボックスが一定間隔で届く定期プランが中心になっている。

メニューはメインディッシュ・スープ・サラダ・スムージーの 4つのカテゴリがある。ほかにパン・おにぎりを合わせて全40種類以上から好みのものを選ぶ。筆者の場合は食事としてメインディッシュを中心にオーダーしてみた。

アイテムは冷凍された状態で、パウチ容器で届いた。袋状なので冷凍庫の中でもスペースをとらず、ちょっとした隙間に入れておけるのがいい。白米などの主食は入っていないので、欲しい人は別途用意する必要がある。

和食、洋食、中華、エスニックでパッケージデザインが異なっていて、カラーが違うのですぐにわかる。ファッションのスタイル画のようなイラストが描かれ、ちょっと筆者にはもったいないオシャレさである。

調理方法はほぼ共通。まずは外側から軽く具材をもみほぐし、耐熱容器に移す。


この時点で、かなり大きくカットした具材がごろごろ出てくることにびっくり! 市販のレトルトカレーなどでは、ほとんど溶けたような野菜しか入っていないことも多いから、これは嬉しい。

彩りも鮮やかで見映えがいい。結構ボリュームがあるので、マグカップなどではなく大きめのスープボウルなど推奨。

ラップをしてレンジで加熱。レンジによって異なるが、温め時間はおよそ5分~5分半で、どのメニューもほぼ同じ工程なので作りやすい。

加熱すると、冷凍状態で入っていたソースやスープが溶ける。スプーンなどで混ぜたら出来上がりだ。

料理ごとに手順が変わるということもなく、慣れてくるとオートマチックに作れるようになる。解凍前に比べると全体がしっとりと馴染んでボリュームが減るのだけれど、それでも具だくさんだ。



同種サービスと比較したときのGREEN SPOONの特徴は、なんといっても「野菜がメイン」という点。それも家庭の常備野菜では見ないような、ちょっと珍しい具材が散見された。

たとえば芽キャベツであったり


ロマネスコであったり


グリルズッキーニであったりと、自分じゃ買わない&使わないような素材が入っているのが新鮮! ちょっとしたカフェ飯のようなスタイリッシュさが漂う。

味は本格的で、かつ個性的なものが多いように感じた。老若男女が食べられるよう特徴をぼかした万人受けの味ではなく、がっつり生姜がきいていたり、しっかり酸味があったり……。

香草、香味野菜、スパイスなどが強く感じられて、人によっては好き嫌いがはっきり分かれそうな味つけもある。

しかし、多くのメニューが「同じくらいの分量」「同じくらいの具材サイズ」「野菜&ソースという統一構成」に工夫されているおかげで、温めムラが生じず、均一に調理できるのは長所! 皿の中でこっちは熱すぎるのに、あっちは冷たいといった失敗がない。

冷凍食品でよくある「加熱ムラによる食感の気持ち悪さ」だとか「やっぱ冷凍だな……」というガッカリ感がないのは素晴らしい!



メインディッシュのうち、ハンバーグやシチューなどいくつかのメニューは加熱方法が異なった。レンジ対応の包み紙に入っているので、耐熱皿にのせて加熱する。


火傷に気をつけて包み紙を開封すると……


メインディッシュが登場する。


このハンバーグが絶品だった! 冷凍食品とは思えない肉々しい食感!


甘みのあるソースも美味しく、リピート決定の一品。



・メニューの例を一挙ご紹介!

時期によってメニューは異なるが、筆者が食べてみたものの一例をご紹介。そのままレストランのメニューに載っているようなしゃれたネーミングにも注目だ。

「たっぷり野菜とゴロっとチキンの韓国風肉じゃが」

ほかのメニューにも共通するが、いも好きには大きめカットのじゃがいもが嬉しい。全体的に具材が大きく、現代の冷凍技術には感嘆の声が出る。


「完熟トマトとオクラの野菜チキンカレー」

オクラがシャキッとして、これもかなり美味しかった。カレー系にハズレなし!


「ゴロゴロ野菜と国産チキンのハニーマスタード」

鶏肉が好きなのでいくつかチキンメニューをオーダーしたのだが、「鶏もも肉」の場合と「鶏むね肉」の場合がある。後者はヘルシーだが、モソモソして飲み込みにくい点がやや気になった。


「完熟トマトとミックスビーンズのメキシカンタコス」

普段、家では食べられないようなエスニック料理もラインナップにある。シュクメルリもあったぞ。


「黄パプリカと豚肩ロースの塩麹青椒肉絲」

すごく変わった味、と思ったら塩麹だった。全体的に「ひとひねり」が効いているのがメニューの特徴でもあると思う。



メインディッシュの基本価格は1食975円(税抜)で、購入個数が多くなるほど割引になっていくのは他サービスと同じ。最大23%オフの751円(税抜)にまでなる。

完全自炊よりは割高だし、コンビニやスーパーに行けば弁当が買える価格だが、もう一歩も動きたくない、けれども少しでも身体によくて温かいものを食べたい、というときには救世主になってくれそう。野菜不足を自覚している人にもおすすめだ。

筆者は一瞬、自分が栄養バランスや健康にも気を遣う「丁寧な暮らし」ができる人間になった気がしたが、起きたら相変わらず昼だったし汚部屋だったので、残念ながらそれは錯覚だった。


参考リンク:GREEN SPOON
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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