天丼チェーンの「てんや」(運営:ロイヤルホールディングス)は今年、「駒込天丼」と「TEN Labo」をオープンしている。いずれもてんやよりも単価が高く、上等な食材を使用したハイブランドにあたる。今後この手の高級天丼店が増えるのかもしれない。
というのも、東京・銀座にまた新たな天丼屋が誕生したからだ。「レア天丼 銀座 三よし」は、厨房機器メーカーとマグロ仲買業者の協業により誕生した、今までにない天丼屋である。世界初というレア天丼は、どんな味なのか? 実際に食べてみた!!
・レア天丼とは?
天丼とは魚介や野菜などの食材に衣をつけて揚げたものを、ご飯の上にのっけたものを指すわけだが、その “レア” ということになると、どうなるだろうか?
お店のリリースには「表面は揚がっているが、中は半生に近い状態で仕上げる天ぷらを盛付けた天丼」と説明している。要するに、薄衣で中にはほとんど火が通っていない牛カツのようなもののようだ。
ちなみにこのお店は、まぐろ卸の「株式会社魚がし鎌形」と厨房機器メーカーの「クールフライヤー株式会社」の協業により、出店が実現したそうだ。
メニューは海鮮レア天丼の「並」(税別1500円)と、「特上」(税別2600円)の2種類のみである。
特上を注文しておいて、メニュー裏の「おすすめの食べ方」を見ると……。細かい! この手の食べ方指南は「まずはそのまま食うべし! 次に醤油をかけて食うべし!」みたいなザックリした手引きのはず。
ここのは細かいなあ~。それだけ食べ方にこだわりがあるんだろうけど……。
さて、こちらがレア天丼です! 魚介は衣をまとっているけど、ほとんど生! というか、中にはまったくといっていいほど火が入っていない。刺身同然でございます。
具材は手前が軽く漬けにした本鮪赤身、その上がバチ鮪赤身。そのほか紋甲イカ・ホタテ・アスパラ・明日葉・ナス・ニンジンとなっている。
まずは指南にしたがって、バチ鮪から。天ぷらは紙のように薄い。軽く醤油とワサビをつけて食べてみると、あまりにも薄くて鮪を食ってる気がしないなあ。上品で油っぽくなく、パサついた感じは一切ないけど、鮪らしさがあまり感じられないかも。
お次はホタテを塩でパクリ。こちらは厚みがあって、塩でホタテ本来の甘さが引き立っている。
さらにおすすめにしたがって、野菜天とご飯を一緒に食べると、タレが美味いことに気が付いた。秘伝のタレはご飯にしっかりかかっていて、これがやたらとご飯を食わせに来やがる。
4口目からは自由に食べていいらしいので、好きなものを好きな順番で食べ進めていく。だが、フィニッシュは決まっている。卓上のポットの出汁で天茶にするのだ。ご飯を茶碗に盛って、その上に天ぷらをオン! そして出汁をまんべんなくかける。
ジャン! 天茶完成!!
……ちょっと盛り方が悪かったな。まるで「干上がったダムの底から出てきた水没都市」みたいになってもうた……。本来はもっと美味しく盛れるはず。私のセンスのなさを許して欲しい。
見た目はイマイチだが味はイイ! 鰹出汁と塩のみで味付けした出汁は天丼のタレとの相性がよく、出汁だけでご飯が2膳でも3膳でもいけそうだ。レア天にも軽く熱が入って、そのまま食べるのとは違った食感を演出している。
レア天丼にも大いに満足したのだが、このお店はとても清潔だ。というのも、天ぷらをレアで仕上げているため、油の揮発が少ないからだ。油臭さはまったく感じない。お店は2023年6月2日にオープンしたばかり。これから新たなメニュー開発も進むはずだ。さらなるメニューの拡充に期待したい!
・今回訪問した店舗の情報
店名 レア天丼 銀座 三よし
住所 東京都中央区銀座6丁目3-15 昭和イーティングビル1F
時間 11:00~14:30(L.O.14:00) 17:30~20:30(L.O.20:00)
参考リンク:PRTIMES
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24