徳島市内を自転車で走っていた時、見慣れないお寿司屋さんを見かけた。その名も『瀬戸の祭り寿し』。緑と白を基調としたおとなしい雰囲気の店舗が逆に目立って見える。

お腹が空いていたためフラッと立ち寄ってみたところ、瀬戸内の魚介類の底力を見せつけられることになった。

……っていうか、そもそも瀬戸内の魚が美味しいって世間ではあまり知られていない気がする。これを機会に覚えてほしい。身がプリプリで旨みたっぷり、種類も豊富なんだぞぉ~~!!!!

・四国のローカル回転寿司チェーン

瀬戸の祭寿しは徳島県に3店舗、香川県に1店舗、そしてなぜかハワイのワイキキに1店舗を展開する四国のローカル回転寿司チェーン。(ただし、徳島県内のうち2店舗は『廻る寿し祭り』という名称です)

筆者が訪れたのは、徳島県徳島市にある瀬戸の祭寿し 住吉店。席に着くと回転レーンは動いておらず、寿司はすべて注文してから提供されるシステムになっていた。

昨年起きた醤油ぺろぺろ事件は、回転寿司業界へいまだに大きな影響を与えているようだ。(必ず出来立てが食べられる点は個人的に嬉しいんだけどね)


注文はタッチパネル式。開いて最初に出てきたのは平日限定のセットだったのだが、その価格を見て驚いた。

8貫で748円、12貫で1012円、おまけに高級路線の厳選12貫セットでも税込1518円だとっ!?!?」(価格はすべて税込)


そういえば、店先には「一皿100円」と書かれていた覚えがある。

「なるほど、この店はプチプラ路線の回転寿司屋さんなんだな」……そう納得した筆者なのだが、はっきり言ってこの時点では瀬戸の祭寿しを甘く見ていたと言わざるを得ない。


・赤エビの素揚げに感動!

まずはお手並み拝見、という気持ちで注文したのは生イワシ(税込110円)、すだちブリ(1貫税込110円)、甘鯛天ぷら(税込165円)。

生イワシにはしっかりと脂が乗っていて美味しい。「生」というだけあって新鮮だ。

時々魚を買って自分でお刺身を作ることがあるのだが、イワシに関しては手間と味を考慮すると回転寿司に勝てる気が一切しない。


すだちブリは、徳島の特産品の柑橘 すだちをエサとして与えた養殖ブリ

なによりサイズが大きくて立派だ。まったりとした濃厚な脂の食べ応えがありながらも後味はサッパリ。生臭さは一切感じられず、とても110円のクオリティとは思えない。


甘鯛は揚げたてでフワフワ。上にはちょこんと柚子胡椒が乗っていて、塩味と辛みと爽やかさがぴったりだ。


どれを食べても旨い。この時点で「瀬戸の祭寿し最高やん」の思いが芽生えつつあったのだが、それが決定的となったのが炙り赤エビ塩レモン(税込165円)だ。

天然のプリプリ赤エビはビッグサイズで甘い。それだけならよくある話なのだが、頭が素揚げで添えられているのにはテンションが上がった。

カリカリでアツアツの赤エビの頭は、噛むたびにエビの旨みがジュワ~っと染み出してくる。

日頃から「エビのお寿司、余った頭を捨てるのが勿体ないなぁ、食べたいなぁ」と考えていた筆者にとってはドンピシャ。お酒のおつまみにもバッチリなメニューなのである!

その他にも炙りピリ辛ゲソマヨ(税込165円)、あさりバター(税込330円)、すだちブリとタイのあら煮(税込550円)、うな玉盛り(1貫税込165円)などおつまみにうってつけのメニューをたくさん発見。

思わずビールを頼みそうになったのだが 自転車で来ていたため断念し、酒の代わりに涙を呑んで寿司に集中することとした。


・地元産の魚がお値打ち価格!

世間ではあまり知られていないような気がするのだが、実は瀬戸内海で獲れる魚はとても美味しい。

四国地方と中国地方に挟まれた瀬戸内海には 小さな島がたくさん浮かんで独特な潮流が生まれており、見た目以上に流れが強い。徳島で言うと鳴門の渦潮が有名だよね。

激流の中で生まれ育った魚たちは、みんな身が引き締まってプリプリ食感。海の栄養も豊富なので旨味もタップリなのである。


ということで、続けて頼んだのが香川産の炙り生はも(税込330円)

小骨は丁寧に処理されているようで、身がプリップリしていて美味しい。徳島 神山産の梅との相性もバツグンで、もう一皿頼んじゃおうかと思うぐらいに好きだった。


瀬戸内産の炙りタチウオ(税込220円)

個人的な話で恐縮だが、広島出身の筆者は魚の中で 父が釣ってくるタチウオが一番好きだった。あっさりと上品な味で身はホロホロ。最高!


香川産の讃岐サーモン(税込330円)

香川産の海面養殖ニジマス。シナモンやジンジャーなどのハーブを配合した飼料で育てられているそうで、さわやかな旨みが感じられた。


この他にも地元の魚がたくさんある上に、お寿司に使われているお米やお醤油も徳島産とのこと。

地元に根差したローカルチェーン店って、新鮮で美味しくて大好きだ。まさかフラッと立ち寄った回転寿司でこれほどのクオリティが味わえるなんて、思ってもいなかったよ!

なお、大人2人がお腹いっぱいになるまで食べて会計は5280円。価格のことは一切考えずに手加減ナシで食べたのに、想定以上にリーズナブルな会計に驚かされることになった。

あぁ、近所に瀬戸の祭り寿しがあれば 週1で通うのになぁ……!

参考リンク:瀬戸の祭り寿し
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼その他美味しかったのは、炙り煮穴子(1貫税込165円)

▼ひらめ(税込220円)

▼ブリトロ(1貫税込165円)

▼しまあじ(1貫税込220円)

▼ネギトロ軍艦(税込220円)

▼キス天ぷら(税込330円)といったところ。


▼逆に、フグ(1貫110円)

▼白エビ軍艦(税込220円)はあまり好きじゃなかったかな……。地元産の魚の方が 圧倒的に美味しいように感じた。