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断然洋菓子派の私は、あんみつ発祥の店「銀座 若松」で和菓子の魅力に目覚めた……

2023年3月22日

和菓子よりも洋菓子派の佐藤です。私の人生に欠けていたモノが何なのか、最近ようやくわかってきた。それはもしかして和菓子だったのかもしれない。これまで私の大部分はカスタードクリームとチョコレートで構成されていた。しかし歳を重ねて、「餡子もいいですね」という境地にようやくたどり着いたのである。

そこで和菓子の美味しさを根本から知るために、あんみつ発祥の店「銀座若松」を訪ねた。ガチのあんみつを食べてみて、なるほど! と感じ入るものがあった。

・住所地はPRADA?

公式サイトによると、お店は明治27年(1894年)に汁粉屋として銀座に誕生したそうだ。今から約130年も前に創業して、今も同じ場所で営業を続けているのだとか。

その住所地に行ってみると……。PRADA! ここなの? また地図を見間違えたか? と思い、何度もスマホを確認したけど、やっぱりココだ。


あんみつを売っているようは見えんのだが……。もしかして、PRADAのブランドバッグと一緒にあんみつが売っているとか……。そんなわけねえよな。

近づいてみたところ、PRADAの横っちょに建物の入り口があった。ここか? この先にあるのか?


行ってみるとあった! 建物の外観とウラハラに、昭和を感じさせる甘味処。ここが若松だ


店前のショーケースを見ると、あんみつのルーツを示す「元祖あんみつ」(税込950円)。ここから始まって、日本中に広まったんだな。


・「プリンしかあり得ん」と思ってた

メニューにはあんみつ・豆かん・みつ豆・白玉・ところ天・くず餅・わらび餅など、甘味の定番がズラリと並んでいる。裏面には汁粉・お雑煮・いそべ餅などの温かいものもあるぞ。


そういえば子どもの頃、祖母の家に行くと必ず近所の洋菓子店でプリンを買ってもらえた。そのお店はあんみつも販売していたんだけど、「この世で1番美味いものはプリン」と信じてやまなかった私は、母と祖母があんみつを買う気持ちがまったく理解できなかった。「プリンしかあり得んやろ!」と幼心に思ったものである

そんな私も大人になった今、2人の気持ちがわかる。「あんみつというのも良い選択ですねえ」、と……。


・もっと甘い物を

ってことで注文したのは「クリーム白玉あんみつ」(税込1250円)だ。


「そこは元祖で行かんかい!」と思われるかもしれない。そうだ、私もそうすべきだと思った。が! この日はちょっと暑くて、アイスを捨てきれんかった。許してくれ……。


あんみつを食べるのは何年ぶりかな? 以前の記憶がないから、真剣に向き合うのはコレが初めてかもしれない。こしあんの上に乗っているのは、お店のシンボル「松」の羊羹だ。


あんみつの食べ方がイマイチよくわからないのだが、最初に黒蜜をかけるんだよね? これで合ってるよね?


そしてスプーンですくい、蜜のかかった寒天を口に入れると、ザクっと弾けるような歯ざわりが心地良い。寒天ってこういう食べ物だったっけ? 今まで食べて来なかったけど美味しい。食感が気持ちいい食べ物だな。


ちなみにお店では厳選した食材を使用しており、寒天は伊豆三宅島産を。黒蜜は奄美大島の黒砂糖。小豆は十勝産、赤えんどう豆は富良野産を使用しているそうである。


続けて、餡子とアイスを一緒にすくって口の中へ。和洋合体のひと口である。滑らかな餡子の舌触りとクリーミーなアイスの甘さが混ざり合って、魅惑の食べ応え。白と黒のエクスタシーである。


昭和5年に常連客から「もっと甘いものが食べたい」と言われて、誕生したというあんみつ。その上位版がこのクリームあんみつなわけだが、その常連客の気持ちがわかる気がする。だって甘味はこんなに人をトリコにするんだから。すでに私はイチコロだぞ。

私は間違いなく和菓子の美味しさに目覚めてしまった。よ~し、次に来た時には汁粉を食っちゃうぞ~! いまだ洋菓子一辺倒の人は、1度ここのあんみつを食べて欲しい。和菓子も良いもんですぞ。


・今回訪問した店舗の情報

店名 銀座 若松
住所 東京都中央区銀座5-8-20 コアビル1F
時間 11:00~18:00(L.O.17:30)
定休日 月・火曜

参考リンク:銀座 若松
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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