私(佐藤)の趣味は企業の公式サイトをじっくり読むことだ。創業時のエピソードや商品開発秘話を読んでいると、つい夢中になって夜更かししてしまう。そんな企業サイトマニアの私が最近見たもので、とくに印象に残っているのは「太陽のトマト麺」のサイトだ。
ここは外食チェーンでありながら読み物が充実しており、ブランドの小ネタを集めた「Taitomaのトリビア」という項目を設けている。トマトやラーメンに関するネタもさることながら、サイドメニュー「らぁリゾ」が生まれた経緯が実に興味深い。
そこにはこう書いてあった……。
・試食会から生まれた
「らぁリゾ」とは、ラーメンを食べたあとのスープをかけて食べるご飯のことである。これが太陽のトマト麺の定番アフターなのだとか。このらぁリゾはこうして生まれたそうだ。
「「太陽のラーメン」の完成試食会で女性のみなさんに無料モニターしてもらった際のこと……。その中の1人の女性が「このスープ美味しいからもったいない」と言いながら、持ってきていたお弁当のライスを残ったトマトスープの中に入れたのでした。それをヒントに「らぁリゾ」が生まれたというわけです」
なんと! 試食会に参加したお客さんの発案だったとは!? それをヒントにメニュー化してお店の定番になるなんて。従業員の「まかない」からメニューに昇華されるパターンはあっても、試食会から生まれるメニューは珍しい。試食会の成功事例ではないだろうか。
・イタリアン + ラーメン
そんな稀有な誕生秘話を持つ、らぁリゾを食べてみたい! ってことで、新宿の商業施設ミロードに出店している「太陽のトマト麺 with チーズ」にやってきた。このお店はチーズを使った商品に特化しており、ラーメンメニューの半分がチーズどっさりだ。
サイドメニューやトッピングも充実している。「イタリアン + ラーメン」というコンセプトを生かしつつ、ラーメン店のスタンスを崩していないところが面白い。
今回注文したのは、「太陽のチーズラーメン with 魅惑のラクレット」(税別1150)を「Sセット」(サラダ・ドリンク:税別340円)で。それに「らぁリゾ」(税別160円)をお願いした。
まずはサラダ、取り立てて特徴のないシンプルなものだ。
続いて、その他の品々が来た。えっと……、たしかここはラーメン屋さんだったはずだが、私がこれまでに食べてきた品々と異なりオシャレだ。器やトレーがオシャレ過ぎて、おじさんの私はやや困惑。しかし利用客のほとんどが女性であるところを見ると、これで良いのである。街場のラーメン店は入りにくいって女性客も、ここなら利用しやすいはずだから。
中央の鉄板に置かれているのがアツアツのラクレット。これを麺の上からかけるそうだ。
こちらがらぁリゾ。ご飯の上からスープをかけるのかな? それとも麺の鍋に入れちゃっていいのかな? スタッフの方が説明してくれたのに、ボーっとしてて聞き逃した。まあ、キレイに食べればどちらでも良いかな?
そしてチーズラーメンです。麺の上にスライスしたモッツァレラチーズが4枚乗っている。
スープを飲むと、ガツンとトマトだ! もっと和風の味付けを想像してたんだけど、キッチリとイタリアン、完全にパスタのソースの味である。
麺は博多ラーメンを思わせる細麺だ。ガチのトマトベースのスープと、細麺が合うとは意外。よくぞ、この組み合わせを編み出した! さすがチェーン店として店舗を増やしているだけはある。気まぐれで生まれた味ではない。
上からラクレットをドバ―ッ!!
チーズとスープの相性はバツグン、トマトの酸味とチーズのコクのマリアージュ。イタリアンラーメンの完成形といっても過言ではないだろう。
ラーメンよりもパスタ派の私だが、これなら両方の良いところを1度に楽しむことができる。なぜ今ままで1度も食べたことがなかったのか? 今となっては不思議なくらい好みの味だ。
・ここまでは序章だった……
そしてらぁリゾに突入! ご飯の上にスープをかけて食べるのが正解だったらしい。わからなかったので、スープにご飯を入れてしまいました……。
コレを一口食べたとき、それまでのラーメンが序章に過ぎなかったことを悟った! らぁリゾ、美味い!! ただご飯をぶち込んだだけのはずなのに、なぜにこんなに美味いのか?
強いて例えるなら、おでんの鍋にご飯を入れて食っているような感覚。そこまでに鍋の中で培われた美味しいエキスが、ご飯に全部乗り移っているからこそのおいしさだ。
太陽のトマト麺はらぁリゾ1本でも十分やっていけるんじゃないのか? ちなみにメニューには麺なしの「太陽のリゾット」(税別660円)もある。次はそれを食べるとしよう。
私と同じく未経験の人は、1度らぁリゾを食べて欲しい、飛ぶぞ!
・今回訪問した店舗の情報
店名 太陽のトマト麺 with チーズ
住所 東京都新宿区西新宿1-1-3 小田急新宿ミロード7F飲食フロア
時間 11:00~22:00(LO.21:30)
定休日 なし(施設に準ずる)
参考リンク:太陽のトマト麺
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24