ロケットニュース24

【東京レトロビル&地下街探検】カオスな地下街「新宿サブナード」には新宿のエッセンスが凝縮されておる…!

2022年10月6日

昭和・平成とその土地で独自の発展を遂げてきたレトロビルや地下街が好きだ。街の匂いが色濃く染み付いている気がするのだ。

駅前の再開発が進む東京都心では、老朽化や再開発の影響で、そういった場所が姿を消していっている。2020年9月には新宿メトロ食堂街が惜しまれつつ閉館、2021年7月には紀伊國屋書店新宿本店の地下名店街が閉鎖……。いつまでも、あると思うなレトロビル。

ロケットニュース編集部からもほど近い、新宿東口の地下街「新宿サブナード」を探検しよう。


・シンプルなのに迷路のよう

「新宿サブナード」は、新宿駅東口の地下通路に直結するショッピングセンターである。

地上からは、靖国通り沿いやアルタ前にいくつか入り口があるので、新宿駅への近道として通ったことがある人も多いと思う。

入っているテナントは主にアパレルショップと飲食店なのだが……意外なほど中が広い! 地下街の中を、1丁目、2丁目、3丁目、4丁目と番地をふるくらいの広さがある。

そんなサブナードの魅力は、テナントの独特なセレクションにある。スタバやドトールなどのチェーン系カフェ店も沢山あるのだが、きらっきらなパルコとかマルイとかルミネとは一線を画していて、妙な味わい深さがある。


・新宿で働く女の服

まず、一番多いアパレルショップから見ていこう!

地下通路の入り口側から入ると、いわゆるOLの通勤服のショップが立ち並んでいる。価格は総じて上下1万円でコーディネートできそうなプチプラ系。

右を見ても左を見ても、くすんだパステルカラーの清楚なブラウスや、きれいめのスカートやパンツ、ジャケットが並ぶ。

着回しがしやすく、清潔感があって、ちゃんとして見えて、そして目立ちすぎないことを強調したようなディスプレイ。なるほど、オフィスカジュアルってこんな感じなのか……。

と、ここまではオフィス街に近い駅ビルにありがちなセレクションなのだが……。サブナードは奥に行けば行くほど、ディープさを増していくのである。


・これもまた働く女の服

OLたちの通勤服が立ち並ぶ入口側を抜けて、歌舞伎町に近い奥側に行くと……。

今度はキンキラキンの派手なドレスが立ち並ぶ通りが現れる! 

スパンコールとビジューの反射で目が! 目が〜!! 久しぶりにこんな赤とか青とかドピンクの服を見た気がした。

そう、ここもまた、新宿の女たちの働く服を売るエリアなのだ。先ほどのオフィスカジュアルとは反対に、とにかく派手で、セクシーで、目立つことを強調した服である。これもまた夜の蝶たちのマナーをわきまえた仕事服なのであろう。

いっぽう、オフィスカジュアルと同じところはあくまでも仕事のための服であり、意外とプチプラであるということ。

ワンピース1着5000円くらいで買えるのは意外だった。サブナードは新宿で働く女のファッション……いや、戦闘服を支えるビルなのだ。


・独自路線をいく飲食店

飲食店も他ではあんまり見かけない中堅フランチャイズ店が多め。ちょっと珍しい店に行きたいなら、サブナードに行くという選択肢はありだと思う。「阿夫利」の辛味専門店「からくれない」とか、北欧系の「オスロコーヒー」とか……。

そして、昭和の香り漂う老舗も……。「バンビ」と「カフェハイチ」である。

「バンビ」は創業昭和40年という老舗の洋食店。ボリューミィなランチセットが名物。

個人的にオススメなのが「カフェハイチ」

かつて新宿西口や南口にもお店があったハイチコーヒーとドライカレーの名店。

食後のコーヒーには、香り付けのラム酒がついてくる! デザートのバナナケーキも美味しい。

いっぽうでスタバ、ドトール、ベローチェといった定番どころのカフェがそろっているのもポイント高し。なかなかの穴場だと思う。


・謎の専門店

ちなみに、新宿近辺はショーパブや劇場などもあるため、サブナードにはダンサーのための服を売る店もある。以前は舞台化粧用品の三善の店舗もあった。

このほかも、不思議な専門店が多い。アクアリウムの専門店があったり……

異様にマッサージ専門店が多かったり……。ラフィネが2軒もあるうえに、ドクターストレッチ、アジアン系のスパまで全部で5〜6軒ほどある。

マッサージ店が多すぎだが、実際、サブナードは思いのほか広くて疲れる。区画が碁盤の目のようになっているせいか、景色が似すぎていて自分がどこにいるか分からなくなり、余計に歩かされる感じがするのだ。

そして、ひっそりと佇むすっぽんの専門店も。

個人的にレトロビル&地下街にはなぜか「すっぽんの店」がある率が高い気がしている。すっぽんとレトロビルの奇妙な関連性については、今後も調査していきたい所存である。


・頑張れサブナード!

しかし、気になるのがコロナ禍もあってか、空きテナントが多いこと……。

以前よりも、ごった煮感というか、新宿ならではのカオス度が薄まってしまった気がしてさみしい。

これからも個性的な店が入ってきて、盛り上がることを祈ります! 新宿という街を知りたければ、みなさまもぜひサブナードへ!

参考リンク:新宿サブナード
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
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