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【4時間超え】トップガン&トップガン マーヴェリック連続上映がアツい! リピーターこそ見るべき3つの理由

2022年9月27日

シリーズ作品でもない限り、爆発的な人気作の「その後」を描く続編を成功させることはきわめて難しい。

テーマとしては完結しているわけだし、時間が経つほど伝説化する。あまたの作品が「あそこでやめときゃよかったのに……」という悲惨な結末を迎えてきたことだろう。

しかし『トップガン マーヴェリック』は例外だ。もはや「完璧な続編」と呼んでいい。100%を超えて楽しむためにはぜひ前作からと当サイトのファーストレビューでも江川記者が述べている。

そんな期待に応えたかのように、全国の映画館で『トップガン』&『トップガン マーヴェリック』2本連続特別上映を実施中! とくにリピーターにこそおすすめしたい!! その理由は以下だ。


・見るべき理由その1「登場人物の見方が変わる」

※以下、第1作目を『トップガン』、第2作目を『マーヴェリック』と表記。単にマーヴェリックと書いているときは、キャラクター名。


「追いトップガン」という言葉が生まれているそうだが、「すでに一度ならず新作を見た」という人にこそ今回の特別上映をおすすめしたい。つまり今作のあらすじを理解した状態で、前作を見るということ。

すると登場人物の「その後」を知っているだけに、一挙手一投足がより一層の感慨をもって胸に迫ってくる。

とくにマーヴェリックとアイスマン、あるいはマーヴェリックとグースとその家族の関係性は、すべてを知った上で見返すとまた違った視点になる。筆者は何気ない日常のシーンに涙が出そうになった。

これだけの大作続編だとキャスト重視で設定が破綻したり、ご都合主義に流れたりしそうなものだが、「ちゃんとつながっている」感覚も秀逸。

また、すでに有名な事実だが『マーヴェリック』でヒロインとなるペニー・ベンジャミンは、『トップガン』にも名前だけ登場している。英語のセリフにフルネームが聞こえる場面があるので耳を澄ませてほしい。


・見るべき理由その2「ひとりの男の人生の物語になる」

いうまでもなく本作の成功の鍵は、マーヴェリックというキャラクターの魅力にある。

第1作目でのマーヴェリックは、無茶で無鉄砲で向こう見ず。どこか生き急いでいるような、やや反社会的なところさえ感じさせる青年。甘い笑顔とは裏腹に、心のうちには父親をめぐる葛藤がある。その危うさが、人の心をとらえて放さない。

そんなマーヴェリックが30年のときを経て、どんな大人になったのか。

若きトム・クルーズのキラースマイルも魅力的だけれど、円熟味を増した現在の演技が深い。作中で描かれる悲劇は、事件直後よりも30年以上後の本作の方が深い悲しみとして伝わってくるほどだ。

無謀な若者だったマーヴェリックは今作で、自分ではない誰かを思い、将来を考え、責任ある恋愛をしようとする立派な大人になった。

一方で、飛ぶことと呼吸することが同義となっている生き方や、逆境になるほど越えてみたくなってしまう「らしさ」も存分に感じさせる。

『トップガン』が個人的な葛藤を乗り越えていく青年期がテーマだとすれば、『マーヴェリック』は新しい世代にバトンを渡す人生の秋をテーマにしていると思う。ひとりの男の人生を、壮大な大河ドラマのように俯瞰できる。


・見るべき理由その3「時代の変化を実感できる」

『マーヴェリック』には『トップガン』へのリスペクト、セルフオマージュがふんだんに含まれている。これは制作陣も強く意識しており、トム・クルーズが何度もスタッフと話し合ったことが明かされている。

連続上映を見ると制作陣が『トップガン』をいかに理解し大事にしているか、よりはっきりわかる。続編にありがちの「こんなの○○じゃない……」という失望を抱かせない。それこそがファンが納得した理由だろう。

一方で、時代の変化も感じられる。女性パイロットの登場や、喫煙の描き方、ドローン戦闘へのシフトが一例。ベッドシーンにもニュアンスの違いがある。

セクシーな男女のロマンスとして描かれる『トップガン』に対し、より対話を重視しているように見える『マーヴェリック』。これは20代の若者の情熱的な恋愛と、リタイア間近の大人の恋愛との違いともいえるし、現代の多様な恋愛観とも通ずるかもしれない。


・リピーターこそ見るべき!

上映は全国のイオンシネマやTOHOシネマズを中心に、2022年9月16日または9月23日から。興味のある方は早めにご来場を。

ファスト映画が流行するなど、4時間以上も映画館で着席するなんて耐えられない、という人も多いかもしれないが、お尻を痛くしても損はない。筆者の訪れた映画館では途中休憩もあったので、ぜひ挑戦してみてほしい。決して後悔はさせない。


参考リンク:映画『トップガン マーヴェリック』公式サイト
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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