漬物なんてどこでも食べられる、と思ったら大間違い。京都の漬物は特別だ。京みやげの定番商品になることも納得で、京漬物は京都にしかない味だなあと思う。
そしてこれまた京都で大人気、老舗ベーカリ―「進々堂」が商品にしば漬けを取り入れたという情報をキャッチした。しかもカレーパンに入れちゃったらしいから大変! これが京都流……なのかっ!?
・特別な京漬物をカレーパンに
記者は京都の隣、奈良県で暮らしている。奈良市から京都市まで、近鉄電車を使えば1時間足らずで行くことが出来る。そこそこご近所さんである。
しかしながら、京都の漬物は奈良で簡単には手に入らない。時たま食べたい気分に襲われるのだが、探さなければ見つからないほどだ。
京都と奈良は物理的には近くとも、その間には大きな隔たりがあるのだろう。まぁやはり、京漬物は京都だからこそ楽しめるものであることの表れとも言える。
そんな特別感あふれる京漬物を、カレーパンに入れちゃったのが進々堂だ。街を歩けば、至る所で店舗を見かける同店。ド定番の食パンやフランスパンが好きで、記者も店の近くを通ることがあれば購入する。
季節に合わせた商品も人気で、今回取り上げる『しば漬カレーパン(税込300円)』もそのひとつ。店員さんに伺ったところ、今後しばらくは販売されるらしい。
錦市場商店街でひときわ異彩を放っている、と聞けばピンと来る人もいるだろうが、あの「打田漬物」のしば漬けを使用したパンとのこと。一体全体、どのような仕上がりになっているのだろう。
『すぐきピロシキ(300円)』なるものも同時販売されていたので、併せて購入。持ち帰り、少し温めていただきます!
・割とガッツリしば漬け
『しば漬カレーパン』の見た目は、至って普通。油の匂いと、ほのかに漂うカレーの香りが食欲をそそる。美味しそうなこと、この上なしだ。
半分に割ると今回の主役、しば漬けがお出ましだ。ちょろっと入っているくらいかと思いきや、割とガッツリ面積を占めている。
「キミのいる場所は本当にそこでええんか?」と思いつつ口に入れると、なるほど……。予想していたより、しば漬けの主張が強い!
さすがは京漬物、その存在感は確かなものである。カレーに負ける気は、さらさらないということか。そして面白いことにパンチがありながら、合わない訳ではないのだ。
カレーのスパイシーさに酸味と塩気をプラスしてくれて、ちょうど良い味に仕上がっている。よく考えればカレーにつきものなのが、福神漬け。つまり、カレーと漬物との相性は悪くないということだろう。
今後福神漬けの地位が脅かされやしないかと心配になる程度には、その場所が様になっていた。これは新しい……!
また一緒に買った『すぐきピロシキ』だが、こちらはしば漬けに比べて味の主張は控えめ。肉などの具材と一緒にすぐきが混ぜられており、マイルドな味に仕上がっている。
インパクトは『しば漬カレーパン』に劣るかもしれないが、すっと口に馴染む味だ。何も知らずに食べれば、ちょっと変わった野菜が入っているんだなくらいにしか思わないかもしれない。
いずれも具だくさんで、食べ応えありで満足! 思えばこの世には、たくわんを使ったパンもあるのだから漬物とのコラボは “アリ” なのだ。
しかし敢えて京漬物らしい「しば漬け」や「すぐき」を使用したところに、京都に店を構えるパン屋の矜持(きょうじ)のようなものを感じた。
『しば漬カレーパン』に『すぐきピロシキ』は今後、京名物の顔となる日も近い……のかもしれない。京都にお越しの際は是非一度、お試しあれ!!
参考リンク:進々堂 しば漬カレーパン
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼思った以上にしば漬けだった、進々堂の『しば漬カレーパン』
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