埼玉県を代表するうどんチェーンといえば、全国区の知名度を誇る「山田うどん」を思い浮かべる方が多いだろう。しかし、個人的には「久兵衛屋」もなかなかの実力者だと思っている。仮にうどんチェーンの全国大会が開催されたら、ベスト8までは勝ち進むのではなかろうか。
なんてことを言っていながら、実は久兵衛屋に通っていたのは約20年前。大学生の頃にビートルズが流れる店内で「つけ汁うどん」や「ミニ天丼」を食べまくっていたのだ。時は流れ、再び埼玉県に戻ってきた私は、真っ先に久兵衛屋へ。さてと、ひさしぶりに何を食べようかな。
・久兵衛屋
埼玉県を中心に関東で約50店舗を展開する久兵衛屋は、小麦の香り高いうどんを具だくさんのつけ汁につけて食べる “武蔵野うどん” のチェーン店だ。麺が太くてコシが強く、ムチムチッとした弾力を味わえるのが特徴である。
今回、凱旋気分で訪れた久兵衛屋で目に留まったのは「牛もつつけ汁うどん」なるメニュー。ほほう、もつ鍋が名物の福岡では “シメ” にちゃんぽん麺を投入するのが定番だが、歯ごたえのある “久兵衛うどん” で食べるのも悪くないかもな……てことで、即決。
「牛もつつけ汁うどん並盛(869円)」と、久兵衛屋の隠れボス的存在「ミニ天丼(352円)」をオーダーした。そのまま注文後にじっくりメニューを眺めていたら「ほうとう」の存在にも気がつく。懐かしい。そういえばあったな、ほうとう。また今度食べるか。
・店内BGM
んで、今さらだけど店内BGMがビートルズではない……いや、ウソだろ久兵衛。もしかしたら店舗によって異なるのかもしれないが、当時は「久兵衛屋 = ビートルズ」だったぞ。知り合いの店長も「うちの社長、ビートルズ好きなんです」とか言ってたよなぁ。たしか。
・牛もつつけ汁うどん
それはさておき、お待ちかねのセットが登場。キタキタ……やはり麺の存在感がたまらん。牛もつの量もえぐい。辛味噌、ネギ、おろし生姜で味の変化を楽しめるようだ。けっこう本格的です。ただ、久兵衛屋のつけ汁は濃い目だから「味変は慎重に」が基本である。
それでは、ひさびさの久兵衛うどんをいただこう……うまああああああ! みっちり重量感のある麺が相変わらず最高。歯応えと小麦の風味を存分に楽しめる。そうそう、この久兵衛屋の麺が好きなんだよ。久兵衛屋に「おかえり」と言われた感じだ。最高ォォ。
そして牛もつですよ、食べきれないほどゴロゴロいるんですよ……まるで無限列車だな。ひと口目から遠慮せずにバクバク食べられる。汁はピリ辛の醤油味、ちょい甘めの福岡で食べ慣れているから辛く感じるが、これはこれでうまい。ニラも大量に入っていて食べ応えはMAXだ。
・ミニ天丼
で、で、意外と侮れないのが、ミニ天丼。主役の「つけ汁うどん」を引き立てる名脇役である。かつおだしを効かせた特製ダレは、天ぷらはもちろん、ご飯もいけちゃうレベルの美味しさ。昔は追加でもらっていたなぁ。うむ、あの頃と同じ美味しさだ。ただいま久兵衛ィィ!
──てな感じで完食。懐かしの久兵衛屋は最高だった。ただ、ビートルズが流れていないと久兵衛屋感がビミョーに薄まる……てことで、食後に問い合わせたら「現在はUSENを流しています」とのこと。マジかよ。それなら今度はセルフでビートルズだな。また来ます。
参考リンク:久兵衛屋
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.