ロケットニュース24

銚子電気鉄道の「線路の石」缶詰を買ったら、驚きと遊び心が詰まっていた!

2021年4月21日

千葉県銚子市のローカル路線「銚子電気鉄道」。赤字路線として知られており、会社の売上の大半を食品事業でまかなっている。2021年4月17日からは、岩下食品とコラボして「激しく辛(つら)いまずい棒 岩下の新生姜味」などの販売を開始した。

その銚子鉄道の「線路の石」が缶詰で販売しているのを発見した。興味本位で購入してみたところ、そこには驚きと遊び心が詰まっていた! マジかよ、銚子鉄道!!

・高速バスの売店にグッズ

銚子電鉄は4月18日より、ジェイアールバス関東株式会社と連携し貨客混載物流を開始した。これにより、地域の活性化と物流におけるドライバー不足や渋滞緩和などの社会問題の解決に取り組むそうだ。

それに伴い、東京駅八重洲南口のJR高速バスターミナルの隣にある売店にも、銚子電鉄グッズが運ばれることになった。従来は宅配便を利用して売店に配送していたものを、JRバスが届けることになる。


売店に行ってみると、銚子電鉄の銘菓「ぬれ煎餅」や線路の枕木を固定する「犬釘」を加工した栓抜きを販売している。


それらと並んでいたのが、線路の石の缶詰だ。1缶税込550円。売れるものは何でも売る、その気構えが伝わってくるようだ。


・賞味期限、永久!

買って帰って商品の説明を見ると、「品名」は玉砂利というそうだ。私(佐藤)は保線の仕事をしていた経験があるが、その時には「バラスト」と呼んでいた。おそらく誰にでもわかるように玉砂利として販売しているのだろう。

「原材料」は50年以上前の石とある。この石は私(47歳)より年上で、その長きにわたって線路を、列車を、ひいては銚子の人々を支え続けてきたんだなあ。想像しただけで胸が熱くなる。買ってよかった!

そして「賞味期限」は永久! そうだよな、きっとこの石が朽ちる前に、私は死ぬんだ。そう思うと、石の一生は途方もなく長い。石を1個買っただけなのに、悠久の時の長さを感じさせるとは、やるな! 銚子電鉄!!


・採取者はなんと!

驚きはまだあるぞ。「採取場所」は銚子電鉄の仲ノ町駅だ。Googleマップで場所を確認すると、銚子駅の隣だな。そうか、この場所に50年以上いて、今日私と出会った訳だな。これはもう奇跡的な出会いとしか言いようがない。


さらに「採取者」を見ると……。


!!!! 竹本社長 !!!!


まさか社長自ら石を拾っていたとは! マジかよ、缶をよく見ると拾っている姿が写っている


バケツを手に石を拾う社長、その背中に威厳を感じる。反射ベストが輝いて見えるのは気のせいではないはずだ。カッコイイよ、竹本社長!


・銚子電鉄よ、いつまでも

フタを開けると、中には石と紙切れが1枚入っていた。


通常、線路の石は油でベトベトになっている。列車を円滑に走らせるために、線路上は潤滑油がまかれており、それを浴びて石は黒く汚れて、非常に油臭くなっている。

だが、これは黒くなく、また油臭もしない。キレイに磨かれてワックスを塗布してあり肌触りが良い。長い年月を線路で過ごしたために、角がとれて丸くなっている。石としては老年の域だ。う~ん、形も色もとても渋い。味のある石だなあ。ずっと見ていられる。


ちなみに、一緒に入っていた紙切れは、おみくじでした。「大吉」だそうです。


この缶詰には驚きと銚子電鉄の遊び心が詰まっていた。これからも地元の足として、走り続けて欲しい。


参考リンク:銚子電鉄
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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