どんぐりのシーズンです。動物たちの食料としての需要がメインかと思いますが、人間の子供もどんぐりが大好き。外で大量に拾いまくった経験は誰しもあることでしょう。そんなどんぐりですが、大人になるとそこまで魅力を感じなくなるもの。
地面に落ちていたものなので清潔ではないことと、中から虫が湧いてくる可能性も。ゆえに家に持ち込むことを禁じたり、子供が寝てる間にこっそり捨てたりしているパパやママも多いのではないでしょうか。でもそれ、いささか後味が悪いですよね。そこで今回ご紹介するのが……
・どんぐり銀行です
細かい話は公式HPを見て頂くとして、要は拾ったどんぐりを預かってくれる銀行です。リアルな銀行のように通帳があり、預けたどんぐり1つに対して、1D(どんぐり)という単位で記録をつけてくれます。
銀行なので、もちろん貯蓄に応じて引き出すこともできます。と言っても、引き出せるのはどんぐりではなく、クヌギの苗。100Dにつき木の苗1本を郵送でゲット、あるいは植林用に寄付できるのです。
HPによると、どんぐり銀行では集めたどんぐりを選別し、発芽させて植樹しているもよう。どんぐりを真剣に拾ってきた子供の労力も、拾われたどんぐりも無駄にしないというパーフェクトなソリューション。折角なので、試しに実際にどんぐりを拾い、預けるまでをやってみました。
・どんぐりを拾う
ということで、まずはどんぐり拾いです。どんぐりはブナ科の木から落ちます。基本的にはその辺の公園や森に行けば落ちていることでしょう。まあ、場所によってはサクラの木しか植えられていない的な、住民も行政もサクラ原理主義者で占められている所もあるかもしれませんが。
どんぐり銀行では、預かるどんぐりの種類を特定していません。クヌギでもコナラでも、どんぐりなら何でもOK。好きに拾いましょう。なお、預ける際には発芽可能なように鮮度の良いものを選別しなければなりません。
拾う時点で綺麗なものを選んでおくのがベター。1本の木からも大量に落ちまくるので、複数植わっているような場所なら綺麗なものも容易に見つかるでしょう。30分ほどでそこそこ拾えました。
・水に浸す
こうして拾ってきたどんぐりですが、銀行にもっていく前に選別して、数を数える必要があります。最初の工程は水に浸すこと。土や虫がついていることもあるかと思うので、この時に軽く洗ってもいいかもしれません。
水に浸すと、浮かんでくるものがちらほら。水に浮くどんぐりは、虫食いなど、何らかの理由で発芽能力が低下しています。かわいそうですが、除去しましょう。
・乾かす
水に浸したどんぐりは、乾かさなければなりません。太陽光で自然乾燥しましょう。適当にザルなどに入れて、丸一日ベランダにでも置いておけばOK。タオルで拭いただけでは乾きませんし、ドライヤーなどで乾かしたら高確率で割れます。レンチンやフライパンで炒るのはもってのほか。
・選別&カウント
こうして良質などんぐりがそろったところで、最後の工程です。洗って干したことで、いくつか割れるどんぐりが出てきます。どんぐり銀行では割れたどんぐりはNGなので、数を数えつつ、割れたものを取り除きます。
こうして最終的に筆者がゲットできたどんぐりは183個。なかなかの収穫な気がします。あとは、密閉してしまわないよう気を付けつつ袋に入れて、数を書いておきましょう。
・どんぐり銀行へ
それではいよいよどんぐり銀行に行きます。どんぐり銀行、どんぐり銀行って、そんなものどこにあるんだよ……そう思っていた方もいることでしょう。どんぐり銀行は、もちろん「どんぐり共和国」にあります。
正確にはジブリのグッズなどを扱う「どんぐり共和国」の店舗に、どんぐり銀行出張所が併設されている感じ。一部の「どんぐり共和国」店舗にはどんぐり銀行が併設されていないこともあるようですが、2020年11月時点では営業中の全ての店舗に出張所が併設されていました。念のため、持っていく前にHPにて確認した方がいいかもしれません。
近くに店舗が無い場合は、高知県にあるどんぐり銀行本店に郵送してもいいそうです。送料は自己負担。筆者は近所に店舗があったので、持ち込んでみることに。
とりあえずレジにどんぐりの入った袋を持っていき、どんぐり銀行に預けに来たことを告げましょう。初めての場合は、通帳の発行に税込み110円かかります。
こうしてゲットした通帳に、店員さんが年月日と入金したどんぐりの数、そして合計残高を記入して終わり。
通帳には「ご出金」の項目もありますが、これは100D(ドングリ)使って苗木を1本ゲットした場合に記入されるもよう。公式HPによると、出金可能なのは1月から2月で、5月から6月に苗木が発送されてくるようです。
苗木を受け取っても植える場所がない場合は、代理植樹も可能。交換できるのは年に1回で、苗木の受け取りと代理植樹で1本ずつまで。受け取れるクヌギの苗木は、植えたらガチな大木にもなり得ます。植える場合は、今後の事をよく考えた上で行った方が良さそう。
・子供に
ということで、水に浸したり干したり数えたり……と、多少は手間もかかりますが、言うほど面倒ではありませんでした。子供にやらせれば、拾ってきたものに責任を持つことや、貯蓄することについて学べるいい機会になる気もします。
ということで、家に拾ってきたどんぐりが転がっている皆さん、せっかくのどんぐりです。捨ててしまうのはもったいないので、もう一手間加えて選別&カウントし、どんぐり銀行に持っていってみてはいかがでしょう。
参照元:どんぐり銀行
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼預けたどんぐりの数に応じて葉っぱシールが貰える。1日で貰える上限は10枚。