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【謎を追う】童謡『ぶんぶんぶん』に “る” を入れて歌う遊びっていつ始まったの? 寄せられた情報で一番古い記憶の人に会ってみた

2020年11月2日

ネット普及以前のバズと言っても過言ではない童謡『ぶんぶんぶん』に “る” を入れて歌う遊び。2020年で38歳になった私(中澤)が小学校の時、学校で大流行していたものだ。ネットのない時代、あの歌はどこから来たのか

以前の記事で、軽い気持ちでこの歌についての情報を募ったところ、想像以上の反響があった。これホントにロケットニュース24の問い合わせフォームかよと疑うレベルで次々とメールが来るではないか。ありがとうございます! そんな多くのメールの中で一番古い記憶をお持ちだった方に会ってきたためお伝えしたい

・全国的なバズ

編集部の関東出身者は誰も知らなかったこの歌。だが、寄せられた情報によると、東京や埼玉、千葉でも普通に流行っていたようだ。他にも様々な地域の声が寄せられたため、地域的なものではなく全国的なバズであったことは間違いないようである

さらに、バリエーションも色々あるようだ。私の周りで流行っていたものは全ての間に「る」を入れるバージョンだったのだが、「はらちりがらとろぶる」というように対応する母音のら行を入れるパターンや、「ぶるんるぶるんるぶるんる」となるパターンもある模様。

・テレビで見た

いただいた問い合わせの中には、「ここで見て知った!」とテレビ番組名が書かれているものも。テレビの番組について寄せられた情報は以下のようなものだ。

「『伊東家の食卓』でやってた」
「『さんまのからくりTV』で西村知美が紹介していたのを記憶しています」
「『探偵ナイトスクープ』で観た記憶がある」
「95年頃『笑っていいとも!』にこの曲を歌う素人さん(?)が出ていた覚えがあります」
「昔CMでやっててそれで子供の頃はみんな真似してたはず」
「タレントの千秋が特技としてやってた記憶がある」
「古畑任三郎でやってたやつちゃうかな。市村正親が指揮者やってた回で田村正和が歌ってたはず」
「昔TVの欽ちゃんのどこまでやるの か、欽ちゃんのドーンとやってみようのどちらかのコーナー中、アイドルの子が突然「ブンブンブンの歌詞の中にるを入れて歌えます」と言い放ち歌い始めて、周囲をアッと言わせてた記憶があります」

──多くは90年代の番組なのだが、テレビについて断トツで古い情報が一つ。欽ちゃんこと萩本欽一さんの番組である。調べたところ、『欽ちゃんのドンとやってみよう!』は1975年4月5日から1980年3月まで放送されており、『欽ちゃんのどこまでやるの』は1976年10月6日から1986年9月24日まで放送だった。

・最も古い情報

確かに、寄せられた声を見ると、私が知る90年代はもちろん、「80年代に流行っていた」という声も多い。そんな声の中で、年代的に最も古いと思われる情報が以下であった。

「自分は昭和39年生まれ、埼玉県蕨市育ちですが、その替え歌は、小学校中学年の時には存在してました。流行っていた、と言うわけではなく、存在していた感じです。みんなでワイワイ歌うとかではなく、他に知っていた童謡や歌謡曲などと同じで、なんとなく口ずさんでしまう存在でした」

──昭和39年と言えば、1964年。その年に生まれた人が小学校中学年頃は1974年くらいだ。しかも、この人は時期をハッキリ言っているので確証がある可能性が高い。

・会ってみた

そこで連絡を取り、都内某所のルノアールで待ち合わせた。やって来たのは背の高い白髪の男性。背筋が伸びており、ピシッと着こなしたスーツがよく似合っている。仮に風祭さんと呼ぶ。

風祭さん「歌ってたのは10歳くらいなので、今から45年ほど前ですかね。1974年とか75年とかです」


──なぜそこまで記憶がハッキリしているんでしょうか


風祭さん「当時、小柳ルミ子さんの『瀬戸の花嫁』の替え歌が凄く流行ってたんです。『瀬戸は日暮れて夕波小波』という歌詞の合間に食べ物の名前を入れるもので『瀬戸ワンタン、日暮れ天丼、夕波小波そらーめん』みたいな感じです。これは本当に全国的な流行りで、それと合わせて覚えてました」


──なるほど。どこから知ったかなどは覚えていますか。


風祭さん「すみません。もう45年も前のことなので、その辺りの記憶はあいまいです。ただ、隣の家の子も歌っていましたし、僕だけじゃなかったのは確かです」


──欽ちゃんの番組でアイドルの子がやっていたという情報もあったんですが、そういった記憶はありませんか


風祭さん「う~ん、ありませんね。あと、僕の知っているのは、中澤さんがやってたほど “る” が入らないものなんですよね」


──と言うと


風祭さん「中澤さんは『はちがとぶ』の部分にも “る” を入れてましたが、僕が歌ってたのは『ぶんぶんぶん』の部分だけでした。あとは普通なんですよね」


──「はるちる」がなかったんですか


風祭さん「なかったです」


──とのこと。どうやら、風祭さんもこれ以上の記憶はないらしい。子供だったため、上の世代が知っていたかどうかも気にしなかったという。とは言え、80年代には当たり前になっている「はるちる」部分がないという情報には、どことなく物事の生まれる瞬間を感じた。

・暫定

というわけで、現状、「ぶるんぶるんぶるん」が歌われている一番古い時代は1974年頃ということになる。しかし、これはあくまで暫定値。もし、もっと古い記憶や、もっと古い時代のテレビでやってたなどの情報をお持ちの方は問い合わせフォームからご連絡いただけると幸いだ。

改めて前回の記事に情報をお寄せいただいた皆様、誠にありがとうございました!

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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