缶詰食品は数あれど、「やきとり」においてはこの商品が代表といってもいいはず。ホテイフーズの「やきとり缶詰」である。1970年に世界で初めてやきとりを缶詰にして発売開始し、今年で50周年。もう半世紀も愛されている同社の看板商品だ。
それがなんと、カップ麺になっていた! 全然知らなかったぞ、2020年3月に発売開始していたなんて!! この春に発売された商品は、世の混乱のなかで埋もれてしまっていたらしい。そのやきとり缶詰の味をイメージした、そばとラーメンを実際に食べてみた。
・缶詰の肉は入っているのか?
販売されていたのは、「やきとりたれ味風味そば」と「やきとり塩味風味ラーメン」の2つ。どちらも近所のスーパーで税別108円で売っていた。あのホテイの缶詰を再現しているというのに108円。もう少しブランドに見合った値段がついていても良さそうだが、まあ安いに越したことはないか……。
中には缶詰のやきとりが入っているのだろうか? 入っていて欲しい! そんな願いを込めながらパッケージを見ると、味を再現しただけだった。まあ、あの肉をカップに閉じ込めるのは無理があるか。
・タレの味を忠実に再現している!
フタを開けて中を見たが、コレといって大きな特徴はない。カップヌードルでいうところの “謎肉” らしきモノが多く入っているのがわかる。おそらくこれは、やきとりの食感を再現するべく投入された、鶏肉だろう。
つくり方は一般的なカップ麺と同じ。熱湯を注いで3分待つ。そしてフタを開けると、缶詰の中身とは似ても似つかないが、香りはほのかに缶詰に近いモノがある。匂いはうまく再現されているようだ。はたして味は?
食べてみたら、汁からあのやきとりのタレに味わいがする! 濃いめの醤油の風味と、強い甘さ。特に汁をすすった後味が、完全のやきとりのタレだ! これは見事な再現っぷり。この汁にやきとりをつけて食べることもできそうだ。
ラーメンの方の香りの再現度も申し分ない。アノ塩だれの風味を、スープにすることに成功している。
熱湯を注ぐ前に見えていた赤い欠片は、赤ピーマンだった。てっきり「唐辛子では?」と思い辛さに警戒したのだが、全然辛くない。むしろ、そばの方が後半に塩辛くなった。粉末スープがカップの底に沈殿していたからだ。そうならないように、食べる際にはしっかりとかき混ぜ、スープの濃度を均一になるように心がけて欲しい。
それにしても発売元のサンヨー食品はなかなかやりおる。そういえば、「岩下の新生姜味 焼きそば」もサンヨーの仕業だったな。業界には強力なライバル企業が数多くいるが、独自の商品開発でいつまでもその存在感を示して欲しい。
参照元:ホテイフーズ、日本食糧新聞
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24