商品名は大事だ。ヘタしたら、商品そのものよりも大事な場合がある。客がその商品を手に取るか? その商品の名を人に伝えたくなるか? 記憶に残ってまたその商品を購入するのか? 名前ひとつが売れ行きに与える影響は計り知れないだろう。マジでセンスが問われるところだ、うん。
そんでだな、最近ファミリーマートで発売されたプリンの名前が、どうも気になる。その商品名は「ねっとりイタリアンプリン」だ。ねっとり? ねっとりか……。う~ん、あまりスイーツに用いられる言葉ではない気がする。ねっとりなのか? 本当にねっとりか? どうも気になって、昨日8時間しか寝られなかったので、ねっとり具合を確かめることにしたよ、うん。
・さらに美味しくなったらしい
この商品、2020年3月にも発売されていたらしい。近所にファミマがないもんで、外出自粛中は買いに出かけなかったんだよな。そんで、再販されてさらに美味しくなったらしいから、改めて購入したんだ。残念ながら、以前とどう変わったか、たしかめることができないんだけど、とにかくねっとり感を確認しないことには、今日も8時間しか眠れそうにないんだな、うん。
・セブンのプリンと比べてみよう
それにしても、スイーツに「ねっとり」と名付けるのは結構勇気のいる選択だったと思う。「しっとり」とか「さっぱり」とか、近いところではローソンが「みっちり(ミッチリ)」と名付けた商品を出している。みっちりもなかなかスイーツでは使うことのない言葉だけど、まあ、ねっとりよりは言うかなあ。
ねっとりというと、私(佐藤)のような品性の乏しいおじさんはなぜかニヤニヤしてしまう。「ねっとりか~……」と思わずつぶやいて、遠くの空を見てしまったりする。なかなか勇気がいるよ、マジで。スイーツでねっとりはなあ、うん。
で! ねっとり感をたしかめるために、近頃のイタリアンプリンをけん引してきた、セブンイレブンの元祖「イタリアンプリン」とファミマのねっとりプリンで、それぞれの感触を確かめることにした訳だ。これでねっとりしてなかったら、おじさん怒っちゃうよ! 遠くの空を見ながら思わずつぶやいた時間を返せ! それくらい思っちゃうよ、マジで。
・まずはセブンのねっとり感を確かめる
まずはセブンのプリンからだ。そもそもこの四角い形状のものを、プリンと呼ぶべきか。プリン大好きな私はいまだにその答えにたどり着いていない。
とはいえ現状、イタリアンプリンの先駆けであり、昨今のプリンブームに一役買った商品であることに間違いはない。だから、一応礼を言っておこう。セブンのイタリアンプリン、ありがとう。
さっそくセブンのプリンにスプーンを差し込んでみると、こともなくすくい上げることができた。
あえて擬音をつけるとしたら、「むち」っといったところだろうか。柔らかすぎる羊羹、もしくは硬めのヨーグルト。カラメルソースのおかげでプリンの味を演出することに成功しているものの、やはりこれをプリンと言われると、言葉に詰まってしまうんだな、うん。ギリギリセーフ! 昭和風にいうなら、「バナナはおやつに入りません!」、そう叫んだ先生の苦渋の決断を思い出す心持ちである。
・ねっとりプリンのねっとり感は?
そして本題のねっとりプリンだ。セブンと違いカップに入っている。ちなみにローソンの「ブラボーミチプー ミッチリプリン」は下にスポンジを敷き、その上にプリンを鎮座させていたそうだ。
私と同じ誕生日(11月19日)の記者、江川資具をして「革命的」と表現させている。それはとても気になる代物ではあるが、私はねっとりのことで頭がいっぱいなんだよ! あとにしてくれ、今忙しい!!
さて、キラリと光るカラメルソースの液面に向かって、静かにスプーンを差し入れる。
すくい上げようとしたところ……お! なんだコレは⁉
重い! 感触が重いぞ。硬くて持ち上げられないのではなく、むしろ柔らかくて持ち上げられない。たとえるなら、泥で自動車のタイヤがスタックした感じだ。プリンがスプーンにまとわりついているのが良くわかる。
これは、プリンとスプーンの間の空気がなくなって真空状態になってるんじゃないのか? 割と力のある方のおっさんの私でさえも、持ち上げられないとは!? あまり力を入れすぎると、カップをひっくり返してしまう可能性もある。なんてことだ、プリンを一口食うのに、こんなに苦戦したのは人生で初めてのことだぞ。くぅ~……。
戦うこと約1分、ようやくプリンとの力比べに勝利した! やるな、ねっとりプリン。ちょっと見直したぜ、ちょっとだけな(笑)。
そんな訳で、今回のねっとり感に関する調査の結果、このプリンはねっとりではないことが判明しました。私の所感でそれにふさわしい言葉を授けます。それは……。
「ねっちょり」です。
これをねっとりで留まらせておくのは惜しい。したがって、次に商品開発会議が行われる際には、「ねっちょりイタリアンプリン」と名称変更することが議論されることを切に願う次第です。どうか皆さん、その感触をぜひとも確かめて頂き、私の訴えが1人でも多くの人に聞き入れられることを願ってやみません。
本日はご多用のなか、お集り頂き、誠にありがとうございました。暑い日が続きますので、ご無理のないようにお気をつけください。本日はご清聴頂き、ありがとうございました!