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ハンパないほど真緑なチャーハン! 特許まで取得した「翡翠炒飯(ヒスイチャーハン)」食べてみた / 横浜中華街『翡翠楼』

2020年4月1日

緑色、しかも真緑のチャーハン──そう言われると、とても美味しくなさそうなチャーハンが浮かぶかと思う。しかし、横浜中華街で発見した真緑のチャーハン「翡翠炒飯(ヒスイチャーハン)」は、お米の一粒一粒まで真緑に染まり切っているのに超絶美味しいという。本当か……?

おまけに、なぜか特許まで取っているらしい。緑色も特許を取得していることも謎すぎる「翡翠炒飯」、その味と誕生秘話に迫ってみた。

・容赦なく真緑

「翡翠炒飯」は横浜中華街にある『翡翠楼』で提供されている、お店一番の名物のようだ。店の入り口横に置かれている看板に「翡翠炒飯」の写真が載っているが、写真で見る分にはえげつないほど真緑。本当にこんな色なのだろうか、美味しいのだろうか……

写真からうかがえる容赦ない真緑に気圧されつつ、迷わず「翡翠炒飯(税抜1000円)」を注文。メニューを見ると緑色の素はホウレンソウのようなので、青臭くないか不安が募る……

野菜の青臭さが苦手な筆者でも食べられるのか、少しドキドキしながら待っていると……「翡翠炒飯」が来た。写真で見たより鮮烈な緑!! これはちょっと……想像していたよりも真緑度が高い。

真緑の餡がかかっている、真緑に染まったお米たち。海老やイカなどの海鮮やキノコ・ハムが入っており、それらは緑色に染まっていないが気休めにしかならない。容赦なく真緑なチャーハンに仕上がっている。

かなりのホウレンソウ感を覚悟しながら、恐る恐る口に運ぶと……美味しい。なんだコレ、めちゃくちゃ魚介類のダシが効いてる! グッとくる旨味としっかりと効いた塩味、おまけに香ばしさまで感じる。味の奥の方にかろうじてホウレンソウを感じるが、ほんのりとしたホウレンソウの味わいはむしろ良いアクセントになっている。

食べ進めてチャーハンの山を崩しても、中から現れるのは一粒一粒しっかりと緑色に染め上げられたお米たち。食べる前は不安の種だったその色が、今は旨味のアクセントにしか見えない。

夢中で食べ進め、あっという間に食べ終わってしまった。真緑パワー、恐るべし。

・まかない料理から試行錯誤

驚きの緑具合に加え、外の看板にも書いてあった「特許取得」について気になったため、店員さんにお話を伺ってみた。そもそも、なぜチャーハンを緑にしようと思ったのかというと、これは単純に「お店の名前が翡翠楼で、翡翠が縁起の良いものだから翡翠色にしようと思っただけ」だそう。

そのアイデアを思いついたのは、まかない料理として振る舞われていた「ホウレンソウの炒飯」から。点心などでは翡翠色のものがすでにあったが、チャーハンでは見たことないな……とホウレンソウの緑を見ていて思いついたらしい。そして、試行錯誤の末にホウレンソウを用いたペーストを生み出し、鮮烈なまでの真緑な「翡翠炒飯」が出来上がったようだ。

斬新な「翡翠炒飯」はすぐに人気となったが、ここは中華料理屋激戦区・横浜中華街。人気が広がると瞬く間に、確認出来ただけでも3軒ほど緑色のチャーハンを真似るところが出てきたそうだ。そこで打った手が「特許取得」だったという。しかし、ただでさえ取得するのが難しい特許、しかも料理で取得するというのはかなりの困難を極めたらしい。

料理で特許を取得するには独自性が求められるだけでなく、レシピをかなり詳細に書かなければならないという。書き方に苦戦して2度落とされ、3度目の申請でようやく特許を取得することが出来たという。取得の難しさからか、現在横浜中華街で料理の特許を持っているのは『翡翠楼』の翡翠炒飯と『梅蘭』の焼きそばだけだそう。

特許取得までの苦労が実り、真緑、もとい翡翠色をした「翡翠炒飯」が食べられるのは『翡翠楼』だけとなった。ちなみに、見た目だけではなく味へのこだわりも並ではなく、しっかりとした深みのある味付けは、ほぼ具材から出る味のみで出すよう苦心したんだとか。

翡翠炒飯の旨味や塩味はほぼ、海鮮やキノコ、そして金華ハムという豚の育て方や熟成方法により旨味を増加させた特別なハムを使用することで生み出し、中華料理には必須と言っても過言ではない化学調味料は一切加えないそうだ。あくまでも素材の味で勝負する、ということなのだろう。

見た目にも味にもこだわり抜いた、縁起が良いとされる翡翠の色をした「翡翠炒飯」。はじめは真緑の見た目に気圧されるかもしれないが、食べ始めればきっと、最初に抱いた印象が変わるだろう。不思議な炒飯が気になった方はぜひ、挑戦してみては。

・今回訪問した店舗の情報

店名 翡翠楼 本店
住所 神奈川県横浜市中区山下町139
営業時間 月~金曜日 11:00~15:00、17:00~22:30(L.O.22:00) / 土日祝 11:00~22:30(L.O.22:00)
定休日 無し

Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼「翡翠炒飯」以外も美味しかったです!

▼前回お持ち帰りしたのはコチラ。お得だった……!

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日本、〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町139
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