フルタのチョコエッグ。最近ではドラえもんやディズニーなどの人気キャラクターとコラボしたシリーズを出しているらしいが、『海洋堂』監修の超リアルな動物シリーズが印象深い世代の筆者はずいぶん遠ざかっていた。ある日、いつものスーパーに箱積みされているそれを手に取ったら、なんと「どうぶつの森」⁉︎ 今もっともホットなコンテンツ(筆者的に)じゃないかっっっ!
説明するまでもないが、チョコエッグとはフルタ製菓が1999年に発売したチョコ菓子だ。卵型のチョコを割るとフィギュアが入っていて、子どもだましではない精巧な造型と、カタログに載らないシークレットアイテムを混ぜ込むなどのコレクション性で一大ブームを巻き起こした。
「懐かしいなぁ……」と思いながら、ふと気づいた。バイト代で1個ずつ買い求めては一喜一憂していたあの頃とは違う。あれから20年、いい大人になった筆者は、当時は決してできなかった「箱買い」ができるんじゃないか……!? 箱で買ったら、どれくらいの割合で揃い、どれくらいの割合でシークレットが出るんだろうか……?
・買ってしまった
10個で1ケースとなっているのを3ケース。合計30個のチョコエッグだ。食玩に、食玩に、6000円超……! 何日分の食費だ。いくら社会人でも震える……。
ラインナップは全18種類+シークレット2種類。ゲーム本編では「どのどうぶつに出会うか」はランダムなため、おそらくプレイヤーによって思い入れのあるどうぶつは異なる。どのプレイヤーでも必ず関わるメインキャラとしては、1番から6番までの「しずえ」「たぬきち」「とたけけ」「きぬよ」「まめきち & つぶきち」「フータ」といったところが当たりと言えるかもしれない。
筆者としては一番好きなキャラクター「まめきち & つぶきち」が出れば大当たりだ。買い物の最中にプレイヤーの後ろをピョコピョコついて来るとか、小さな声で「だなも」って言うとか……もうね……。
・開封の儀
それでは1つずつ開封していきたいと思う。いざ……
え、え、ええええっっっ!
「まめきち & つぶきち」キター!!!
こんなことってある? 一番欲しいのが最初に来るって、筆者「持ってる」のか!? 持ってるんだな!? このまま人生イージーモード!? おっしゃ〜!!
2つ目は「シベリア」。どうぶつの森の住人はアニメのように大きくディフォルメされたキャラと、リアル寄りのキャラがいるけど、オオカミ族はリアル寄りでカッコいい。
3つ目は「たぬきち」だ! 抱えているのはベル袋。彼から多額の融資を受けないことにはゲームが始まらない超重要キャラ。鬼、守銭奴、金の亡者などなど汚名も多いが、真の悪人ではない……と思う。嫌いじゃない。
4つ目……ダブった。シベリアだ。
5つ目……あ、あれ? シベリアだ……。
どんどん開けていこう。その後は持ち直し、1ケース(10個)を開封しての戦果はシベリアが3つダブった他はすべて違うキャラだった。順調順調。
・2ケース目いってみよう
またシベリアだ! 嘘でしょ……。いや、シベリアが嫌いとかじゃないよ。シベリアといえば「どうぶつの森」よりもカステラに羊羹を挟んだあの甘ったるい菓子を連想するとかそういうことじゃないよ。ただ、同じの何個もは、いらな……
……と思いきや、一発逆転「しずえ」キター! 女神降臨!! シベリアはこの喜びのための布石だったんだ!
そして17個目を開けたとき……奇跡が起こった。
こ、こ、これはシークレットの「むらびと(男の子)」だ!
チョコエッグのTシャツを着ている! このTシャツ、ゲーム内でも欲しいー!!
なぜこれがシークレットなのかゲームを知らない人のために解説すると、「むらびと」とは主人公、つまりプレイヤーキャラであり、あなた自身なのだ! チョコエッグから「自分」が出てきたら興奮するよね!? こんな経験、普通できないでしょ? 興奮しすぎて文章のテンションがおかしくなっても仕方がないよね!?
・結果発表!
その後も次々と開封し、30個を開け終わった結果。
集まったのは20種類中16種類(コンプ率80%)で、未入手は「とたけけ」「アポロ」「ジュン」「シークレット」の4種。残念ながらコンプリートはならなかった。シークレットは1体出たので筆者の環境では出現率3%となる。
もっともダブったのがシベリア5体で、6個に1つはシベリアだった計算だ。冷静に考えるとダブりが14体も出たのは残念だが、コンプ率としては結構いい成績だと思う。
ただ、ケースごとに「印象」にばらつきがあったことは指摘しておきたい。というのも、1ケース目、2ケース目には「たぬきち」「フータ」「きぬよ」など、メインキャラやシークレットが適度に混じっているのに対し、最後に開封した3ケース目は「しずえ」は出たものの、あとは「リリアン」3体ダブり、「ドレミ」2体ダブりと、パッとしないラインナップなのだ。
ダブり率そのものに、大きな偏りがあるわけではない。同じダブるのでも、よく知っている、あるいは人気のありそうなメインキャラだと気にならないのに対し、あまり知らないキャラだと「損した」気分になってしまうのだ。
もしこれが、なけなしの小遣いを握りしめて買った1ケースだったら……。やはり食玩はギャンブルなのか。底なしの沼だと言いたいのか。たとえ子どもでも、世の中の厳しさをここから知れ、という天からのメッセージなのか……。そして、コレクションというのは欠けているのが「残り1〜2個」になってからが地獄だということも最後に記しておきたい。
もっと言うと、どんなに欲しくても所持金が尽きたときがコレクションの終わりである子どもと違い、大人は買おうと思えば買えてしまう、という点が最大の恐怖だ。チョコエッグ、恐るべし……。もしこれから集めてみたい、という読者がいたら自制心を忘れないよう健闘を祈る。
参考リンク:フルタ製菓株式会社
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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▼たくさん並べると壮観
▼祭りの後には大量のチョコが残った……
▼ホットチョコレートにして美味しくいただきました
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