「ウエンディーズ・ファーストキッチン 」はもとは別々のファストフードチェーンだったが、ウェンディ―ズが2016年にファーストキッチンを買収して後、2つで1つのファストチェーンとして歩んできた。だが、ここ数年はどちらかといえばウェンディ―ズの存在感の方が強くなり、ファーストキッチンは影が薄い印象を受ける。
そんなファーストキッチンが、2020年2月27日に新商品を発売することを発表した。日本にちなんだ「ファーストクラシックバーガー」など3種である。事前に行われた記者発表会で試食してきたので、率直な感想をお伝えしよう。
・コレ! がない
ウェンディ―ズはアメリカ発祥のブランドで、一度日本を撤退した後に、2011年に日本市場に再参入。2016年にファーストキッチンを買収し、現在はウエンディーズ・ファーストキッチン名義で店舗を増やしつつある。一方のファーストキッチンは日本市場上位のトップブランドでありながら、近年はウェンディ―ズブランドの影に隠れているような状況だ。
実際、商品もウェンディ―ズがアメリカ由来の「ウェンディ―ズバーガーUSA」を持っているのに対して、ファーストキッチンはフレーバーポテトやパスタに個性が見られるものの、ハンバーガー商品に「コレ!」と言ったものがない。
・『和む』がテーマ
そんななか発表されたのが、「和」のテイストを前面に打ち出した商品と、次世代型店舗だ。その最初の店舗が新宿紀伊国屋店とのこと。実際にお店に行ってみると、たしかに従来型店舗よりも落ち着いた雰囲気。『和む』がテーマとのことだが、あいにくこの日は発表会関係者が大勢いて、和む感じではなかった。
・昆布出汁と焦がししょう油
和みは改めて訪問した時に体感するとして、気になったのは新商品である。ファーストクラシックバーガー(550円)、クラシックべーコンエッグバーガー(590円)、クラシックチーズバーガー(590円)の全3種を、2月27日より発売する。
この商品は、日本食をテーマにしているそうだ。パティには利尻昆布の出汁を用い、バンズには焦がししょう油を使っているとのことだ。いわゆる「旨味」を生かしたハンバーバーである。試食用に提供されたのは、ファーストクラシックバーガーだ。
実物を見ると、バンズは一般的なものよりも色が濃く、パティは焼き目がしっかりとついているように見える。ほのかにしょう油の香りが漂っている。
実際に食べてみると……。う~ん、和食の上品な感じはあるのだが、事前に情報を得てなければ、気づかないレベル。これぞジャパニーズ! というほどではない。「和食かもな~」と言った程度だ。ウェンディ―ズ商品に比べると、主張が弱いというか、奥ゆかしい味というか。そこも含めて日本を意識したのだろうか?
いずれにしても、「アメリカン」なウェンディ―ズと「ジャパニーズ」のファ―ストキッチン。2つの強みが生かせるのは、ウェンディ―ズ・ファーストキッチンであればこそだ。今後、2つのブランドの化学反応に期待したい。
参考リンク:ファーストキッチン
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24