B級グルメ……それは庶民的でどことなくジャンクなウマさのある料理のことを指す。そんなB級グルメの代表選手がカレーパンだが、私(中澤)は、東京都江東区のパン屋「カトレア」のカレーパンだけはB級とは言えないと思う。
サクッとしたパンを噛んだ瞬間、あふれ出すクリーミーなカレー。その絶品のハーモニーは感動すら覚えるウマさ。これはもはやB級ではない……!
・カレーパン発祥の店
都営新宿線森下駅を出てすぐにある「カトレア」。見かけは全く普通のパン屋なのだが、実はここ、カレーパンの発祥とされる店である。昭和2年(1927年)に「洋食パン」の名で実用新案として登録されたものが、現在の「カレーパン」のルーツなのだとか。
そんなこの店の名物は、もちろんカレーパン。というわけで、「元祖カレーパン(税抜き200円)」を購入してみると……ずっしり。
ん? 気のせいか? 普通のカレーパンより腕にきてるような。買ったのカレーパン1個だよね? なんでこんな重いの? まあ、所詮パン1個なので持てないってレベルではないのだが……。
・謎の真相
若干の違和感を覚えつつ持ち帰って袋から出してみると、やっぱりどこからどう見てもただのカレーパン1個である。では、あの重みは何だったのか。謎は食べた瞬間に解明した。
こ、これは……!
カレー詰まりすぎィィィイイイ!!
噛んだ瞬間、揚げパンからむっちりとあふれ出してくるカレー。予想外のカレーの洪水に、断面を見てみると、揚げパンと具の間にはすき間が一切ない。親の仇のようにカレーが詰め込まれている。「カトレア」は揚げパンに何か恨みでもあるのだろうか?
だからと言って決して食べにくいわけではなく、にんじんなどが極小に刻まれたペースト状のカレーは、塊感があるのに舌触りが滑らかでクリーミー。マイルドな味がサクサクの揚げパンと奏でるハーモニーに、私は気づけば自分の人生を振り返っていた。今までこんなにウマイカレーパンを食べたことがあっただろうか。
もちろんない。人生で食べたカレーパンの中で間違いなく最強だ。具も普通っぽいのに、これだけの味が出せるなんて。カレーパンってこんなにウマイものだったのか……。
「カトレア」に聞いてみたところ、『元祖カレーパン』の味は開発当初から変わっていないという。始まりにして最強。まさしく、カレーパン界のビートルズである。
・揚げ上がり時間
なお、私がカレーパンを買いに行ったのは、11時過ぎだったのだが、たまたま元祖カレーパンが揚げ上がる時間だった。このウマさにはそういったタイミングも関係しているに違いない。
ちなみに、店頭で知ったのだが、元祖カレーパンが揚げ上がる時間の目安は7時、11時、15時のようだ。カレーパン好きは、是非1度この時間を狙ってカトレアに行ってみてくれ。B級と言うには惜しい奇跡の味があなたを出迎えてくれるはずだ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 カトレア
住所 東京都江東区森下1-6-10
営業時間 月~金7:00~19:00、土・祝8:00~18:00
定休日 日曜日
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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