いつからだろう。カタツムリが怖くなったのは。子供の頃は、そのゆったりした動きに可愛さすら感じていたのに、大人になるにつれ触れることすらできなくなってしまった。気づいてしまったのである。「中身ナメクジと変わらなくね?」と。
だがしかし、できることならまた昔のように仲良く帰ったりしたいものだ。そこで、関係修復の第一歩として、カタツムリを食べてみることにしたぞ。
・ヨーロッパでは高級食材
カタツムリと言えば、ヨーロッパでは「エスカルゴ」と呼ばれる高級食材だ。サイゼリヤのグランドメニューにも「エスカルゴのオーブン焼き」があるくらいだから、皆さんご存知のことかと思う。
私(中澤)も、もちろん知っていたのだが食べたことはない。前述の通り、カタツムリがかなり苦手だからだ。正直、見るだけで鳥肌が立つし、触るなんてもってのほかである。そんな苦手意識を克服したくて購入してみた。ギャバンの「エスカルゴ缶」を。
・カタツムリの水煮
税込678円のこの缶詰は、その名の通りカタツムリの缶詰。原材料名にもバッチリ「食用かたつむり」と書かれている。ちなみに、カタツムリ以外で使われている材料は食塩のみ。いわゆる水煮だ。
水煮と言えば素材の味がよく出る印象だけど、カタツムリって素材の味を出してしまって大丈夫なのか? 若干の胸騒ぎを覚えながらも缶切りでフタを開けると強烈な卵臭さが爆発した。わあ! 温泉街みたいだね♪
言うとる場合かッ! これマジで食べんの……? その匂いは思わず自問自答してしまうレベルだが、開けてしまったのでもう後戻りはできない。
・リアルなカタツムリ感
っていうか、めっちゃ入ってんな。試しに皿に出してみると、こんもりとしたカタツムリの山ができる。原材料を確認すると、固形量はなんと250グラム。皿に出すとリアルにカタツムリ感があってやっぱり怖い。これはツブ貝、これはツブ貝、これはツブ貝……
よし! これはツブ貝だ!! いただきます! ぐにゅッ!!
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!
ぐにゅってしてるゥゥゥウウウ!!
思いっきりカタツムリだコレ!!
しかも、その風味は超絶卵臭い。ひなびた温泉街の側溝、雨のアスファルト、深緑に輝く用水路の苔……そんなイメージが次々と脳裏をよぎる。
なお、食感については他の食べ物に例えることもできるが、読者の皆様にトラウマを植え付けかねないため、これ以上の描写は控えさせていただく。さて置き、まだ248グラムくらい残っているが水煮のままだとかなり厳しい。
というわけで、残りはバターとオリーブオイルで炒めて臭みを飛ばして食べた。
炒めてみると、食感は鶏肉のようにプリッとして普通にウマイ。おそらく、この缶詰はこういった調理をすること前提の食材なのだろう。
関係修復のために開いたこの缶詰。なんとか食べきったものの、克服とはほど遠い結果になってしまった。むしろ、若干苦手度が増した気もしなくもないが、私とカタツムリが昔のような関係に戻れる日は来るのだろうか。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.