缶詰が好きだ。安いしウマイし保存がきく。貧乏1人暮らしが長かった私(中澤)は、何度命を救われたことか知れない。缶詰を愛している。
中でも『さんま蒲焼』は多くの人が食べたことがあるだろう。『サバの味噌煮』と並んで缶詰界の2トップと言っても過言ではない。複数の会社が出しているこの缶詰。味に違いはあるのだろうか? そこで食べ比べてみたぞ!
・便利な『さんま蒲焼』缶詰
家で蒲焼を作ろうと思うと結構大変だ。でも、たまには、醤油や塩以外でさんまを食べたいよドラえも~ん! そんな時に使えるのが『さんま蒲焼』缶詰である。
スーパー、コンビニなどどこにでも売ってるこの缶詰は価格も庶民の味方。そんな缶詰の中でウマイのはどれなのか? さっそくスーパーに行ってよく見る『さんま蒲焼』3種類を買ってきた。食べ比べるのは以下の3つ。
・食べ比べた缶詰
キョクヨー『さんま蒲焼』3個セット税抜き518円
マルハ『さんま蒲焼』1個税抜き198円
ニッスイ『さんま蒲焼』1個税抜き198円
価格的に1番安いのは3個セット価格のキョクヨー。1個で換算すると税抜き約173円だ。他の2つは同じ198円。全てが200円弱で価格差はほぼないと言える。さすがに今回はそこまでの違いはないか? 開けてみたところ……
やはり大きな違いは見受けられない。強いて言うなら、マルハ『さんま蒲焼』のタレが少しトロみがあるくらいだ。
・食べ比べてみた結果
以前の記事で行った「サバの味噌煮」缶詰の食べ比べでは、各社の個性が光っていたが、それと比べるとなんとなく作ってる感じがしないでもない。
だが、食べ比べてみたところ、1つだけ圧倒的な缶詰があった!
結論から言うと、それはマルハ『さんま蒲焼』だ。タレが他と少し違うことを前述したが、まさにこのタレが曲者だったのである。
基本的に甘辛味である蒲焼。だが、マルハのタレは甘辛の “辛” が他社よりも強い。さらに、持ち前のトロみのおかげで、ジューシーなさんまによく絡み濃厚な味を出すことに成功しているのである。ああご飯が欲しい!
ニッスイは素材の味を生かしているが、少し生臭さも感じた。キョクヨーは味が薄くさんまが少しパサついている感じがする。個人的にはこの中だとマルハ一択だ。
・なぜこんなにもタレがウマイのか?
『サバの味噌煮』缶詰の食べ比べでは、キョクヨーに後塵を拝したマルハだが、今回の『さんま蒲焼』で見事にリベンジしている。しかし、このタレ何が違うのだろうか? そこで、原材料を見てみたところ……
マルハの缶詰にだけ見慣れない材料名が!!
その名も『コーンスターチ』。調べてみると、これはお菓子作りに使われることの多い調味料のようだ。用途としては片栗粉のようなもので、カスタードクリームのとろみ付けに使われたりするのだとか。このタレのなめらかなとろみの秘密はお菓子のレシピから来ているのかもしれない……!
・材料にドラマを見た
「なんとなく作っている」と言った私だが、その認識は間違っていたと言わざるを得ない。マルハがコーンスターチにたどり着くまでにどれだけトライ&エラーを繰り返したかを想像すると、この缶詰はもはや『プロジェクトX』なみのヒューマンドキュメンタリーである。
缶詰はただの保存食ではない。そこにはそれぞれの物語が詰まっている。今回もそんな物語を知ることができた。198円は非常に安いと言えるだろう。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.