空前の大ヒット映画となった『アベンジャーズ / エンドゲーム』。ご存じのとおり本作は公開されるや否や、あっという間に世界興行収入ランキング2位に躍り出た。その後も破竹の勢いで1位の『アバター』に迫っていたが、あと一歩及ばず6月28日に上映を終えてしまった。
ああ、歴史が変わる瞬間を見たかった……。いや、『アバター』も大好きだが、やはり新たなる王者が生まれる瞬間に立ち会いたかったのだ……残念。しかし! 文字通り、歴史にも記憶にも残る大傑作が生まれたことには間違いない。そんな『エンドゲーム』に特別な “祝杯” をあげることにしたゾ!
やってきたのは、東京・渋谷センター街のド真ん中にある「八月の鯨」というバー。地下1階と2階に分かれているお店だ。
私が入らせていただいたのは地下1階だが、店内はまぁよくある普通のおしゃれなバー……と見せかけて、店のあちこちに「映画」のポスターやグッズがディスプレイされている。
そう、実はこの「八月の鯨」は映画好きには有名なバーで、なんと映画のタイトルを告げると、その映画をイメージした “オリジナル・カクテル” を作ってくれるのだ!
メニューを開くと、そこに並んでいるのは古今東西の名作映画のタイトル。くぅ~! 映画ファンはこのメニューを眺めているだけで楽しい~! ちなみにメニューは随時更新されいるが、バーテンダーさんが鑑賞済みの作品であればメニューに載っていなくとも注文可能だ。
ということで、さっそく『アベンジャーズ / エンドゲーム』を頼んで──と、その前に、ディフェンディング・チャンピオン(防衛王者)に敬意を払い、まずは『アバター』のカクテル(1000円)から注文してみよう!
・『アバター』のカクテル
『アバター』と頼んで出てきたのは、よく冷えたシャンパングラスに注がれた青い液体。ミントの葉っぱがちょこんとあしらわれている。
なるほどなるほど~、「青」は言うまでもなく『アバター』に出てくる衛星パンドラの先住民族・ナヴィの肌を表現したもので、ミントはパンドラに生い茂っている密林を表したのですな~!
店内の照明にかざしてみると、その透き通るような美しい青さがよくわかる。それでは、ひと口飲んでみると————おおう!? シュワシュワと口当たりが良く、ほんのりと甘い!
──バーテンダーさん、コレ何が入っているんです?
「スパークリングワイン + ブルーキュラソーというリキュールをベースにしています。……飲みやすいですが、思っている以上にアルコール度数が強いですよ(ニヤリ)」
うむ……確かにバーテンダーさんの言う通り、その飲みやすさとは裏腹に、あとからジワジワと効いてくる力強い味だ。コレはけっこう酔いそう。
当時、次世代型 「3D映画」として公開され、映画ファンのみならずとも多くの人を魅了した『アバター』だが、のちに世界興行収入ランキング1位という座をつかむに至った、その底強さを見事に表現したカクテルだ。10年前、劇場で鑑賞した時の感動がよみがえってくる……。
・『アベンジャーズ / エンドゲーム』のカクテル
では、お待たせしました。その『アバター』に世界興収で肉薄した『アベンジャーズ / エンドゲーム』のカクテルは一体、どんなモノなのだろうか? バーテンさ~ん、『エンドゲーム』のカクテルいっちょ、お願い~!
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な、なんじゃあ、こりゃぁぁぁぁぁ !!??
ほぼ、フルーツパフェやないかいぃぃ !!
手に持ってみると、ズッシリと重ぇーーー!!
平静を取り戻して、1つずつ点検していこう。とにもかくにも、まず目に飛び込んでくるのがグラスの手前にある★(星)が半分に割られた円形のリンゴ。これはもちろん、キャプテン・アメリカの盾ですねぇ……!(ハァハァ)
ネタバレになるので半分になってしまった理由は自粛するが……これを見ると『エンドゲーム』のラストを思い出して、泣けてくるぜ……。それにしても、リンゴでこんなの作れるの、すげえなぁ~! いかんいかん、どうしてもテンションがあがってしまう……落ち着け。
うっ……! その奥にあるのはアイアンマンの胸に埋め込まれている「アーク・リアクター」ではないか!?(ハァハァ) これまたスゴイ細工……。しかも、よく見てみると溝の部分にリキュールが垂らされているのだろうか? 光沢が確認できる。
──バーテンダーさん。アーク・リアクターが光を反射して、キレイですね……
「アーク・リアクターは……やっぱり……光っていないと……(しみじみ)」
ぐっはぁ~~~~!! これまたネタバレになるので多くを語ることは差し控えるが、この粋な計らい……バーテンダーさん、あんた最高だよ。アイアンマンのファンの皆さん! アーク・リアクターの光は、今も東京・渋谷で灯り続けていますよ!!!!
……と、感動したのはいいが、他のフルーツはなんだかスゴイことになりすぎていたので、正直よくわからんです。無粋と思いつつもバーテンダーさんにそれぞれ何がどうなっているのか、解説していただいたところ──。
稲妻のごとくジグザグに皮が切られたレモンは「マイティ・ソー」。反対側にある、皮が翼のように細工されたレモンは「ファルコン」。その下にある黒ブドウは「ブラック・パンサー」。さらに、その下に隠れている真っ赤なイチゴが「スパイダーマン」。
後ろにまわってみると、確認できるメロンは「ハルク」。そして、その横にいるドラゴンフルーツが「アントマン」。最後に、グラスの両脇にブッ刺さっている肉厚なパイナップルが「ポータル(ワープ・ホール)で飛んできた大勢の援軍」とのことだ。
ふぅ~。これで、アベンジャーズ主要メンバーが大体そろっ……イヤ、あれ?
──バーテンダーさん! スカーレット・ヨハンソンが演じた「ブラック・ウィドウ」は?
「ブラック・ウィドウは、××(ネタバレ自粛)したので……」
そこ、シビア……!(笑) そうか……まぁ、でも黒ブドウが3粒あるので、そのうちの1つは「ブラック・ウィドウ」ということにしときましょう、と勝手に脳内補完。
・『エンドゲーム』の味は?
で、中に注がれているお酒を飲むために、まずはフルーツたちを平らげます。ちなみに、このカクテルはフルーツが多くを占めるので、価格は「時価」とのこと。筆者がいただいた時は、込み込みで2000円でした。
フルーツに転生したアベンジャーズを食べ終えると、サノスの顔色っぽい「お酒」がお目見え。『アベンジャーズ / エンドゲーム』のオリジナル・カクテル、その肝心な味は……。
──むむ? バーテンダーさん、勘違いだったらすいません。これ、なんか…… “エナジードリンク” のような味がするのですが……
「あ、正解です。実は、『レッドベア・エナジー』というドイツのリキュールを使っているのですが、その名の通り、エナジードリンクなどによく使われるタウリンとかガラナが入っているんですよ」
エンナァジイイイィィィッッ! なんということだ、予期せぬところで不意にエナってしまった! でも記事の趣旨がブレるから、この先は通常のテンションでお送りするぜ!
で、改めて飲んでみると、やや控えめな甘みが感じられ、それと同時にエネルギッシュな “ガラナ臭” が鼻に抜けていきますな。それでいて後味はサッパリで飲みやすい!
バーテンダーさんいわく「フルーツの盛り付けはともかく、お酒そのものはあまり過剰な “派手さ” を演出せずに、さっぱりと爽やかな飲みごたえにしたかったんです」——とのこと。ウン、まさに『エンドゲーム』を鑑賞し終えたときのような気持ちのいい、爽やかな “終わり” を表現されたということですね。
・アベンジャーズに乾杯
最初に登場した時は「一体なにが始まるんだ!?」とビックリわくわくした『アベンジャーズ』。世界興収では惜しくも『アバター』に及ばなかったが、 “シリーズものの最終作” という一見さんの客が入りにくい作品としては大健闘、いや、事実上の世界No.1映画と言っていいのではないだろうか?
MCUシリーズが始動してからの11年間、我々に多くの感動を与えてくれたアベンジャーズに乾杯だ!
・別ver. の『エンドゲーム』カクテルも?
ちなみに、今回いただいた『アベンジャーズ / エンドゲーム』のカクテルはご紹介した通りだが、バー「八月の鯨」には複数のバーテンダーさんが勤めており、作り手によって少しずつ微妙に違う『エンドゲーム』カクテルが存在するとのことだ。
まだまだ『アベンジャーズ』を堪能したいというファンは、ぜひともお店に通って、その味を確かめてみてはいかがだろうか。それにしても、『アバター』が強すぎてクラクラするぜ……。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 八月の鯨
住所 東京都渋谷区宇田川町28-13 門ビル 地下1階 & 2階
時間 18:00~4:00
休日 不定休 (※公式Twitterで告知)
参考リンク:八月の鯨(1F)、八月の鯨(2F)
Report:ショーン
Photo:RocketNews24.
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