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元バイトAKB・梅澤 愛優香さんが経営するラーメン屋に行ったら本人降臨! AKBメンバーとの思い出、アイドルを辞めた理由、ラーメンにかける思いを語ってもらった

2019年6月28日

いつも私たちに笑顔と元気を与えてくれる存在──アイドル。中には「一生アイドル宣言」の方もいるだろうが、多くの場合はしかるべきタイミングで卒業……いわゆる “引退” を迎えるのが常だ。

その後は女優やタレントとして同じ芸能界に活躍の場を移す人もいれば “普通の女の子” に戻る人もいるが、なんとラーメン店の経営者へと転身した元アイドルがいることはご存知だろうか? しかも、あのAKB48とともにステージで踊っていたというから驚きだ。

そんな彼女が作る渾身の一杯、アイドルを辞めた理由、そしてラーメンにかける熱い思いを聞いてきた。

・開業2年目の「麺匠 八雲」

「会いに行けるアイドル」ならぬ、「食べに行ける元アイドルのラーメン」を目当てに私が降り立ったのは、東京は葛飾区にある京成電鉄・堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)駅。都内でもなかなかディープなスポットと言えるが、5分ほど歩くとたどり着くのが「麺匠 八雲(やぐも)本店」だ。

事前にチェックしたホームページによると、店主は若干22歳の梅澤 愛優香(うめざわ まゆか)さん。高校卒業後にバイトAKBとしてアイドル活動していたが、2年ほど前に「八雲」を開業させたとのことだ。ちなみに「バイトAKB」とは何なのかは、のちに詳しく触れよう。

「八雲」の店舗内へと入ってみると8席ほどのカウンター席に、梅があしらわれた絵やぼんぼりの照明など、どことなく「和」を感じる雰囲気。清潔感のある店内は、いかにも女性が店主の店らしい。ちなみに2階には座敷席もあり、今回はそちらに案内していただいた。

メニューを見てみると、ラーメンの種類の多さに驚かされる! 王道の「味噌」「塩」「醤油」はもちろん「バターラーメン」「スタミナラーメン」「海老ワンタンメン」などもある。マジで元アイドルのラーメン屋なのか? と疑わざるを得ないほど豊富なラインナップだ。

ニンニク大好きMANの私なので、ここは「ニンニクバターラーメン」いっとくか~! と言いたいところだが、“八雲の真骨頂” だという「味噌ラーメン(800円)」を頼まないわけにはいかないだろう。ということで、そちらを注文。

ほどなく、美人の店員さんが丼を届けにきた。お~ウマそう~……

って、丼を持ってきたの、店主の梅澤さんやないかーーーい!? 本人キターーーーー!! 

とテンションが上がる私を尻目に、「ごゆっくりどうぞ」とだけ言い残してその場を後にした元アイドルで現ラーメン屋の梅澤店主──。その後、ご本人にゆっくりと話をうかがう機会を得られたのだが、その模様をお伝えする前にとりあえず目の前のラーメンをいただきます。

まずは、少し縮れがかった中太麺を丼引っぱり出して、ひとすすりすると……あぁ~コレ好きなヤツ。小麦の風味をしっかり感じさせてくれるヤツです。ツルっとしながらも、モチモチとした食感がたまらない。

その麺と絡み合ってくるのが、熱々のスープ。透き通っていて綺麗だが、一口と飲むと濃厚な味わい! そしてノド元を過ぎると味噌の芳醇な香りが鼻から抜ける。それでいてホッと温かい気持ちになるのは、味噌を愛する日本人の性(さが)でしょうか。後味は意外にもスッキリだ。

忘れてはならないのがチャーシュー。いわゆる “トロトロ” タイプではなく、しっかりと肉の食感を堪能させてくれる肩ロースと思われるもの。噛むほどに広がる旨味……濃厚な味噌スープとの相性バツグンじゃないか。

気が付けば、あっという間に完食……。私は神奈川県横浜市出身なのでラーメンに関してはゴリゴリの “横浜家系とんこつ至上主義者” なのだが、「味噌ラーメンってこんなにウマかったっけ……」と軽くカルチャーショックを受けるような美味しさだった。ごちそうさまでした。

・店主の梅澤 愛優香さんにインタビュー

さて、食べ終えるとちょうどお昼の営業時間が終わったところだったので、先ほど自らラーメンを届けに来てくれた元バイトAKBの店主・梅澤 愛優香さんに色々とお話をうかがった。

と、その前にまずは「バイトAKB」について軽く説明しておこう。「バイトAKB」とは、某アルバイト求人情報サイトとAKB48によるタイアップ企画であり、1万人以上の応募の中から約250倍の難関を突破して選ばれた50人のメンバーのことだ。

梅澤さんもそのバイトAKB(一期生)の一人で、2014年8月~2015年2月にかけてアイドル活動をしていたという。

──いま、半年間のアイドル活動を振り返ってみて、いかがですか?

「とにかく……すごく “濃い” 半年間でしたね。それまでテレビで見る憧れのアイドルの方々が一生懸命、努力している姿を間近で見ながら自分もダンスや歌の稽古をしたり、ステージに上がらせてもらったり……当時、高校卒業したての私にとっては勉強になることも多くて、とにかく濃い半年間でした」

──「アイドル」としては具体的に、どういう活動をされていたんですか?

「秋葉原にあるAKB劇場でメインメンバーのバックダンサーをしたり、リハーサル時のメンバーの代役をしたり、色々ですね。ファンとの交流もありました」

──実際にステージに上がっていたんですね。どんなメンバーとご一緒に?

「高橋みなみさん、指原莉乃さん、渡辺麻友さん、小嶋陽菜さん……」

──(思わずさえぎり)うおおおお!! そうそうたるメンバーァァ!!

「(笑)NHK紅白歌合戦のリハーサルステージにも立たせてもらったので、当時の主要メンバーとは大体ご一緒させていただきました。私は『紅白』では、リハーサルでメンバーの代役をやったりしただけでしたが」

──リハーサルでも、紅白の舞台を踏んだことはスゴイですよ……。ところで、ご一緒したメンバーで最も印象に残っている方は?

「たかみなさんですね(即答)もう、”そのまま” でした」

── “そのまま” とは?

「”みんなを引っ張るリーダー” というイメージそのまま、というか。当時、たかみなさんは総監督でしたが、ステージ上の演出や進行など、物事を誰よりも把握していて、メンバーをとりまとめていました。もう、さすが、って感じでした」

──高橋みなみさんは『リーダー論」という本まで出しているぐらいですからね。

「他のメンバーの方も、例えば、リハーサルの時にステージ上で “ここに立つんだよ” と言った感じで優しく声をかけていただいたりしましたね」

──みなさん優しかったんですね。ちなみに、一番最初に声をかけてもらったメンバーは?

「川栄李奈さんですね」

──またBIGネームきたーーーッ! 川栄さんとは、どんな会話を?

「AKB劇場って、開演前にアナウンスをするのですが、私がアナウンスを担当することになったときに少し緊張してしまって……そうしたら川栄さんが近づいてきて “緊張しなくて大丈夫だよ” って声をかけてくれました。すごい嬉しかったです」


 

AKBメンバーのとんでもない暴露話が出ちゃったらどうしよう? と、半分ドキドキ半分ワクワクしていた筆者だが、どうやら国民的アイドルグループともなるとバックステージでも “神対応” をするようだ。

・ラーメン屋「八雲」開業へ

歌やダンスなどの厳しい稽古をしながら国民的アイドルたちと共に華々しいステージに立っていた梅澤さんだが、そんなかたわら、よなよなラーメン作りに精を出していたという。

──バイトAKBとしてのアイドル活動と並行して、ラーメン作りをしていたとか?

「最初は、本とかネットとかで研究したりして、AKB劇場でのステージ後に帰宅したら毎回すぐに家のキッチンで試作をしたり、とにかくできるところから地道にやっていました。

バイトAKBを卒業した後(2015年2月)もラーメンの試作を重ねていたのですが、2017年にやっと自分の納得のいく味のラーメンが完成したんです。 “コレだったら多くの人に喜んで食べてもらえるかもしれない” と思って……。

それで親に相談をして長い説得の末、家族を巻き込まない事を条件に出店していいとの承諾をもらい、晴れて2017年9月に『八雲』の1店舗目をオープンしました」

──2017年(当時20歳!)に開業し、翌年に2店舗目をオープン。22歳となった現在は、フランチャイズ店も含めると4店舗の経営者なんですよね?

「そうです。毎日どこかしらの店舗にいます」

──今日みたいに、普段から梅澤さん自らがラーメンを届けたり、調理をしたりするんですか?

「もちろんです。お客様と接することを大事にしているので注文取りも、調理も、接客も、お会計もします。ほぼ毎日、朝の4時~7時まで製麺もしています」

──ガチのラーメン屋! でも朝の4時から製麺って、ハードですね……。まだ22歳だから、ぶっちゃけ遊びたくないですか? 私が22歳のときは、いかに働かずにして遊ぶことを考えていま……というか今(34歳)も考えています。

「……私の場合は、今は自分の好きなラーメンで、自分の納得のいく味で、お客様が笑顔になって喜んでくださっているので……ただただ、それが嬉しいです。楽しいです」


 

ぐっ……キラキラしてまぶしい……心の底からラーメン作りが楽しいのだろう。

・アイドルへの未練、ラーメンへの思いは

しかし、せっかく1万人以上の応募をくぐり抜けてAKBグループに入ったのに、もったいないというか……。バイトAKB卒業後は、そのまま本格的にアイドルへの道を歩もうと思わなかったのだろうか。

──若くして自分の夢を実現したことは本当に立派だと思いますが、元々「アイドルになる」という夢もあったはずですよね。未練はないのですか?

「もちろん最初はありましたが、アイドル活動をしていくうえで、徐々にラーメンが好きという思いの方が強くなってきて……」

──でも梅澤さんは「バイトAKB」という、いわゆる “実績とキャリア” があります。もう卒業したとはいえ、一般の人よりはアイドルへの道がまだ開かれているように思うのですが……例えば「アイドルを目指しながら、引き続きラーメンを研究する」という選択肢はなかったのですか?

「そもそも昔から1つのことに集中するタイプなんです。あっちもこっちもやると集中力が途切れてしまうので。だから “もう、ラーメンに専念しよう!” って決めて、今は毎日がんばっています」

──なるほど……。アイドルとラーメン屋、相通じる部分ってありますか?

「やっぱり、お客さんの顔を見ながら接することですかね。例えばスープをたくさん飲んでくれたりとか反応が目に見えますし、『美味しかった』とか『また来るね』とか声をかけてくださったり、そういう “声援” も励みになります」

──最後に、一言お願いします。

「 “女性が店主” とか “元アイドル” とか、いろんなフィルターごしに見られてしまうのは覚悟していますが、味には自信があります! とにかくできるだけ多くの方に自分のラーメンを先入観なしに一度味わってみてほしいです!」

──ありがとうございました!

・取材を終えて

今回、お話をうかがった22歳の梅澤店主は、ほんの数年前まで華々しいステージで歌い踊っていたアイドルとは思えないほど、大人びた雰囲気をまとった女性だった。

終始、穏やかに落ち着いた語り口調でインタビューに応じてくれたが、「自分の作ったラーメンでお客様が笑顔になってくれるのが、ただただ嬉しい」と語った時に見せた嬉しそうな表情が非常に印象的だった。

本記事の冒頭、「いつも私たちに笑顔と元気を与えてくれる存在──アイドル」という一文から導入したが、梅澤店主は今「ラーメン屋の店主」として多くの人に笑顔と元気を届けているようだ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 麺匠 八雲 本店
住所 東京都葛飾区堀切3丁目4番13号
時間 11:00~15:00 / 17:00~22:00
休日 月曜日

参考リンク:麺匠 八雲(Twitter @YAGUMO_RAMEN) / 梅澤愛優香(Twitter @MAYUKA_YAGUMO)(Instagram @mayuka_yagumo
Report:ショーン
Photo:RocketNews24.
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▼「麺匠 八雲」は堀切菖蒲園駅から5分ほど

▼バイトAKBのCM&メーキング映像

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