当たり前のことだが、地域によって食文化は異なる。現地でしかとれないものを使用するだけでなく、根付いた調理法を用いたかと思えば独特の食し方まで存在するから知らない土地を訪ねるのは面白いのだ。たとえば東京と大阪を比較するだけでも違いは顕著で、食文化を知りたければ足を運ぶのが一番である。
さて、最近大阪を訪れた私(佐藤)は、歓楽街を歩いているうちにあまり東京では見かけないサンドイッチのお店を発見した。その場では購入しなかったが、どうしてもサンドイッチの名前が頭に残った。「タマゴカツサンド」だと? タマゴサンドなのか、カツサンドなのか、どっちなんだコラッ!!
・大阪で有名らしい
その名前が頭を離れなかった私は、東京に帰る新幹線に乗る際にKIOSKで購入した。
「巷で人気のタマゴカツサンド」(税込540円)。巷で人気ということは、大阪ではメジャーな存在なのか? 後に当編集部記者で大阪出身の中澤星児に話を聞くと、なんでもダウンタウンの浜田雅功さんが絶賛したことで火がつき、一気に有名になったのだとか。そんなことを知りもしない私は、てっきりタマゴサンドとカツサンドが一緒に入った商品だと思っていた。
実際はそうではなく、タマゴ焼きに衣をつけて揚げたものであるとわかった。
・タマゴ焼きを揚げている?
なるほど。何でも揚げてソースをかければウマいのは確かだ。少なくとも私はそう思っている訳だが、そのセオリーにのっとって、タマゴ焼きも揚げてしまったのだろうか? 食ってみれば実力がわかるだろう。
実際に食べてみると……。
口に入れると、最初にやって来るのは衣のサクリとした食感。ソースの味とあいまって、一瞬これは(豚)カツサンドかな? と錯覚してしまう。ところがその向こうにフワリとしたタマゴが待ち構えており、思いのほか甘さが際立っている。ソースとタマゴの甘辛い味のコントラストが面白い。
食べてみるまでは味の想像がまったくつかないのに、食べると「なぜ今までなかったんだ」と全てを受け入れられてしまう。面白い、実に面白い!
組み合わせの妙とでも言おうか。味の化学反応とでも言おうか。とにかく、これまでにあっても全然おかしくないはずのものなのに、今まで多くの人が知らずにいたことは不思議なくらいアリな味だ。
タマゴ焼きを揚げるという発想に至った、創造主に敬意を表したい。これはぜひもっと広まるべき。どこかで見つけたら、1回食べてみて欲しい。浜ちゃんが “ハマ” ったのも納得だ。「ほんまにウマいんか? あ! ウマ!! これウマ!」と言ったのが容易にイメージできるはず。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24