新元号「令和」も発表され、いよいよ近づいてきた平成の終わり。そんな2019年4月5日、金曜ロードショーで放送されるのが『平成狸合戦ぽんぽこ』である。
多摩ニュータウンの開発で居場所を追われた狸たちが立ち上がるこの物語。実は、環境破壊だけでなく裏のテーマがあるという噂がある。物語の裏に隠されたジブリのメッセージとは一体何なのか? プロレスマニアに聞いたところ衝撃の事実が判明した! ファンは閲覧注意!!
・可愛いけどどこか切ない
コメディータッチのため家族で楽しめる本作。登場する狸たちは真剣に議論する姿もどこか可愛く、私(中澤)も子供の頃はそういう可愛さが好きだった。
とは言え、テーマはなかなか重いことも確か。なにせ、そんな可愛い狸たちを悩ませているのは私たち人間なのだから。最終的に人間の社会で生きるようになった狸たちには悲哀のようなものさえ感じてしまう。これで良かったのか……?
見終わった後、環境破壊について考えさせられる本作には、実は裏のテーマがあるという噂がある。人間の歴史的な過去を描いたものだと言うが……一体、本作が描く裏のテーマとは何なのか? 編集長のGO羽鳥(プロレスマニア)と先輩記者・P.K.サンジュン(プロレスマニア)に聞いてみたところ……
GO羽鳥「1.4橋本 vs 小川だ」
──えっ、何ですかそれは。
P.K.サンジュン「アントニオ猪木に師事していた小川直也が、試合開始と同時に橋本にセメントマッチを仕掛けた試合です。
当然、何の心構えもしていなかった橋本はなす術もなくボコボコに。当時の橋本は “最強” の象徴的存在でしたから、プロレスファンのショックは計り知れないものがありました」
──ほうほう。どんな試合だったかは分かったんですが、ぽんぽこと一体どんな関係が?
GO羽鳥「それは狸側のメンツを見ると一目瞭然だ」
──と、言いますと?
GO羽鳥「まず、注目すべきは物語の始まりだ」
──狸同士の抗争から幕を開けますね。
GO羽鳥「そうだ。狸側も一枚岩ではないことが分かる。中でもこの抗争は、鷹ヶ森の権太が鈴ヶ森を自分のものにしようとして起こったもの。権太は狸側本体に歯向かう反体制の大将なんだ。反体制の大将と言えば、サムライ・越中詩郎しかいないって!」
──すみません。ケンドー・コバヤシさんのモノマネでしか知りません。
P.K.サンジュン「越中詩郎とは “ど根性ファイター” の異名を持つ名選手です。華やかさこそありませんでしたが、人間の持つ泥臭さが多くのプロレスファンの胸を打ちました。
ちなみに、越中の口癖は『やってやるって!』です。そう言えば、権太も作中で『人間は殺す』と繰り返していますね。この符合は見逃せない」
──なるほど。
GO羽鳥「そう考えると、権太が率いる集団は平成維震軍。そして、平成維震軍が所属しているということは、狸たちは新日本プロレスということになる」
P.K.サンジュン「となると、長老の鶴亀和尚は長州力、ご意見番のおろく婆はマサ斎藤、のんびり優しいぽん吉はエル・サムライですね。そして、狸側のエース的ポジションの正吉は……」
GO羽鳥・P.K.サンジュン「橋本真也!!」
──盛り上がってきましたね。
GO羽鳥「ここで、狸にとっての抗争の重要性を考えてみてくれ。環境破壊という名の人間の侵略を受けて立ち上がった狸たち、負ければ住処を追われる運命の一戦だ」
──負けられない闘いですね!
GO羽鳥「そう。これは多摩の狸史上に残る事件の話なんだ」
P.K.サンジュン「くしくも、1.4橋本 vs 小川も ”事件” と呼ばれています。この符合も見逃せない」
GO羽鳥「さらに言うと、その一連の試合の後、橋本は新日を抜けて小川とタッグを組むようになる。そう、人間と共生するようになった正吉のように。ここまで来るともはや言い訳のしようもないだろう」
GO羽鳥・P.K.サンジュン「『平成狸合戦ぽんぽこ』は『1.4橋本 vs 小川』を描いている!」
「平成維震軍まで持ち出してくるなんてさすがジブリだ!!」
──震えた……まさか、『平成狸合戦ぽんぽこ』の裏に描かれているのが『1.4橋本 vs 小川』だったなんて……! だがしかし、その共通点の多さには説得力がなくもない。
後半ほとんど何言ってるか分からなかったが、平成維震軍まで登場するところにジブリのプロレスへの愛が伝わってきた。今後もロケットニュース24編集部では、ジブリ作品に隠された謎を追い続けていきたい。
執筆・イラスト:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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