ロケットニュース24

【体験談】アパートの立ち退きを告げられ「家なき子」になりかけた /「備えあれば憂いなし」を実感した話

2018年7月5日

人生、何が起こるか分からない。とはいえ、不測の事態なんて自分に降りかからなければ、対岸の火事だと思う人もいらっしゃるだろう。かく言う筆者(Yugamin)もその1人だった。

だが、3年前のこの時期、住んでいたアパートからの立ち退きを勧告されて家なき子になりかけた。この時ほど「備えあれば憂いなし」の言葉が身にしみたことはない。普段から準備しておくことの大事さについて、実体験を交えてご紹介したい。

・立ち退きは約1カ月後

ある日、大家である建設会社から電話が掛かってきた。「直接会って話すことがある」と告げられたが、何か用件があるんだろうなくらいにしか考えなかった。約束の当日、ピシっとスーツできめたやり手風の営業マンがやってきた。あいさつもそこそこに、近くの喫茶店で本題に入ることに……。


営業マン「実は、今お住まいになられているアパートを建て替えるんですよ」

私「そうなんですね」

営業マン「お気の毒ですが、Yugaminさんにも退去していだだきたく……来月の頭あたりまでには」

私「お、ファッ?!


想定外のことに頭ポポポポーーーーン!! 営業マン曰く「アパートを取り壊し、一戸建ての家を建てるから」だそうだ。当時、ブラック企業戦士だった筆者。そう言われても、あいにくお金も時間も無い。同情するならお金をくれませんかねぇ……。

とりあえず断るか……いや、でも建て替えるならいつかは出ることになるし……そんな感じで途方に暮れていると、営業マンから救いのひと声が!


営業マン「立ち退きは弊社の都合ですから、引っ越し費用はすべてお支払いします。経済的な面で先払いをご希望でしたら、引っ越しにかかる費用をざっくりと見積もりしていただいて結構ですよ」


これまじ? 流れ変わったな! 金銭的な不安が消えたことで退去を決めたが、リミットまでの時間が重くのしかかることになった。話し合いをした足で不動産屋にかけこみ、その日のうちに次の住居を決めた。

・日頃から意識しておくことの重要さ

もうひとつ困った問題があった。大量の物だ。営業マンからは「大きい家具は置いたままでもいいよ」と言われていたが、溜めに溜めた荷物計7年間分、押し入れの中はパンパンだった。

だとしても、荷造りをしなければ。毎日長時間勤務だったので当然平日に荷造りはできず、数少ない完全オフの日を使って一気に準備することになった。それでもギリギリになってしまい、最終的には友人に頼み込んで手伝ってもらうハメに。

マメに整理していれば、こんなことにはならなかったのだろう……。くぅ〜、過去の自分に言ってやりたい。普段から「もしも」を想定して準備しておけよって。もし引っ越しが終わってなかったら……と当時を思い出すだけでもゾッとする。

・立ち退きフラグは立っていた?

余談だが、いま考えると立ち退きフラグが立っていたような気がする。実は数カ月前に、大家が変わっていたのだ。元々は個人オーナーが管理していたのだが、資産整理のためにアパートの権利を建設会社に譲渡したと聞いていた。

新オーナーの建設会社と昭和生まれの木造アパート、何も起こらないはずもなく……。もしかしたら立ち退きへの序章だったのかもしれない。

さらに、事の発端となった連絡があった2週間ほど前から、知らない番号から着信が入るようになっていた。出るのが怖くて放置していたが、何度も掛かってくるので出てみたら新大家からだったというオチ……。

これは、完全に自業自得だった。それからというもの、知らない着信でも出るようになったことは言うまでもない。──以上が事の顛末(てんまつ)である。

なんとか期限までに引っ越すことはできたが、この件は本当に教訓になった。日本は天災が多い国土だし、他にもいつ何時どんなことが起こるか分からない。常日頃から備えておくことを、改めて考えてみてはいかがだろうか。

執筆:Yugamin
Photo:RocketNews24.

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