妊娠後、赤ちゃんの心拍が確認された頃に交付される『母子健康手帳(母子手帳)』。妊婦や0才児のためのものというイメージが強いが、実は産後~6才頃までの病歴や予防接種の状況などが記録されるとても大切な手帳だ。
それだけじゃない。多くの手帳には「いつハイハイをはじめたか」「おしゃべりを始めたか」など子供の成長ぶりを記録できる欄が用意されており、簡単な育児日記としても活用できる。全国のパパママさん、この欄、ちゃんと書いてる? 真っ白で放置していると、10年後に大後悔するかもしれないらしい。
・母子手帳、必要最低限しか書かなかった結果
「母子手帳の成長の記録をちゃんと書いておくべきだった!」そう力説するのは、中学2年生と小学5年生の子供を持つママ・Sさん(40代)だ。
Sさんはワーキングマザーで、上のお子さんは1才から保育園。仕事に家事、育児と何かと大変だったそう。特に下のお子さんが生まれてからは、忙しさに拍車がかかり、母子手帳も予防接種や定期健診で確認される部分など必要最低限しか書いていなかったという。
その結果、10年後にツケを払うことになったのだとか。その理由とは……
・その理由とは……
ズバリ「1/2成人式」!! 20才の2分の1、10才を記念するあの行事である。小学校の授業の一環で、赤ちゃんからの成長の記録を事細かく調べてくるようにという宿題が出されたというのだ。
Sさん「もう、昔は “1/2成人式” なんてなかったから、“えっ!?” って思いました。いつ歩くようになったとか、そのとき親はどう思ったとか……だいたい母子手帳の記入欄にあることなんですけど、私は書いてなかったんですよ。
子供に真っ白な手帳を見せるのもどうかなーと思って、もう慌てて、夜中に当時のビデオを見返したり、保管していた保育園の連絡帳を見たりして、必死で埋めました。それで何とか乗り切ったのですが、疲れましたね」
Sさん「しかも、その後、中学校でも似たような課題が出てビックリです。最近の学校ってそういうものなんですかね。
落ち着いたら書こうって思って放置していたツケを、ここで払うことになるとは(笑)子供が大きくなったからと言って、ヒマになることないです。そのときそのときの忙しさがある。
とにかく、いま小さなお子さんがいるお母さん方には、母子手帳、ちゃんと書いておいた方がいいですよって伝えたいですね!」
とのことだった。
・せめて月齢など数字関係だけでもメモを
たとえ10年以上の月日が経っていても、我が子の成長ぶりをどう感じたかなどは昨日のことのように思い出せると話していたSさん。しかし、それがいつだったか細かい月齢までは、さすがに思い出せなくて焦ったという。
Sさん「せめて月齢などの数字関係だけでも、記憶が新しいうちにメモっておくといいかと思います。何かと役に立ちますから」
「1/2成人式」は文科省が定める『学習指導要領』には含まれておらず、自治体や学校によって扱いが異なる。マストの行事ではない。また、現在は流行しているものの「感動や感謝の押しつけ」「傷つく子供が出る可能性」など反対の声も出ており、今後、廃れていく可能性もあるだろう。
とはいえ、成長の記録欄は記入しておいて悪いことはない。私が小学生の頃は1/2成人式なんてなかったが、母が事細かく書いてくれていた母子手帳を見せてもらい感動した記憶がある。身近な人のリアルな声だ。子供が親になり、育児に悩んだときに何かの役に立つかもしれない。
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.