全米で社会現象になるほど話題となった海外ドラマ『LOST』は、『プリズン・ブレイク』や『24 TWENTY FOUR』と共に、日本で第二次海外ドラマブームを巻き起こすきっかけとなった作品だ。
謎が謎を呼ぶ展開に思いっ切り引き込まれてしまったファンのなかで、「もっと『LOST』みたいな作品を見たい!」という人も多いはず……。そこで今回は『LOST』ファンなら絶対にハマる、海外ドラマシリーズ3選を紹介することにしたい。
・『LOST』ってどんな作品!?
それでは、まず初めに『LOST』がどんな作品なのか簡単に解説しよう。物語の中心となるのは太平洋にある無人島に墜落し、生き残ったオーシャニック815便の搭乗者48名。レーダーにも探知されない島にはジャングルに白熊が生息していたり、人間を襲う黒い煙が現れたり不可解なことだらけ……。
救助を望めないことを悟った生存者達の壮絶なサバイバルが始まり、同時に彼らの訳ありな過去や島に潜む秘密が次々に暴かれていく……というストーリー。ファイナルシーズンの最終話は「生と死とは何か」を問うスピリチュアルな展開となり、賛否両論を呼んだことでも話題となった作品だ
それでは、ここからが『LOST』が好きな人に絶対オススメの海外ドラマ3選。続けてどうぞ。
・『ウェストワールド』
1973年公開の同名映画をドラマ化したシリーズの舞台は、テーマパーク「デロス」内にある古き米西部を再現したウェストワールド。ここでは人口知能を持つ人間ソックリなホストがゲストを出迎え、ゲストはホストに対して、性的暴行だろうが殺人だろうが金さえ払えばやりたい放題できる…という場所。
割り当てられた役割とシナリオがプログラミングされたホストは、ゲストを傷つけることは出来ないが、何体かのホストに自我や感情が芽生えだし、ゲストに復讐し始める……という怖~い展開となる。
本シリーズで製作総指揮に名を連ねるのは、『LOST』を手掛けた敏腕クリエイターのJ・J・エイブラムス。『LOST』では巧みにフラッシュバックが取り入れられ、現実に起こっていることなのか夢なのか分からないようなデジャブ的なシーンがいくつも登場した。
そういった “J・J節(ぶし)” は『ウェストワールド』でも健在で、テーマパークで次々に起こる違うシナリオがデジャブ的な感覚を生み出し、気が付いたらその世界に引き込まれてしまう。本作は、大河ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に続く、米HBO局の目玉作品として高い視聴率を誇っている作品で、シーズン2への更新が決定している。
・『LEFTOVERS / 残された世界』
本作はトム・ペロッタによる小説をもとに、『LOST』で製作総指揮を務めたデイモン・リンドロフがクリエイターを務めた作品。
本作の舞台となるのは、世界人口の2パーセント(約1億4千万人)が忽然と消え去った事件から3年後の世界。理由を知らされることもなく愛する者を失った、残された人々の苦悩や葛藤が描かれるミステリー・ドラマだ。
なぜ自分は残されて愛する人が消えてしまったのか、消えた人々はどこへ行ったのか、その説明がつかない現象は一体何なのか……と疑問が疑問を呼ぶ展開は、思いっ切り『LOST』を彷彿とさせる。
また、墜落事故で生き残った『LOST』の登場人物と、消えずに残された『LEFTOVERS』の人々の「なぜ自分は、この世界に残ったのか?」という存在意義を問う視点には、大きな共通点を感じてしまう。カルト的な人気を誇る本作は、『LOST』ファンなら夢中になって見てしまうはずだ。
・『The OA』
おそらく筆者が今までで見たドラマの中で、『The OA』ほど上手く説明が出来ない不思議な作品はないと断言できる。シーズン1を見終わった筆者は、狐につままれたような気分になってしまったからだ。
そんな本作の主人公は、7年間失踪していた女性プレーリー・ジョンソン。失踪した時は盲目だったはずの彼女が発見された時には目が見えるようになっていて、彼女は “ある使命” を果たすためにネットで協力者を募る。こうして彼女は、集まった5人に空白の7年間で起きた壮絶な体験を語り始めるのだった……。
強制された人体実験や臨死体験、何度か死んだ話を協力者に語って聞かせるプレーリー。にわかに信じられないような話に、聞いている協力者だけでなく視聴者もいぶかしげに感じてしまうことは言うまでもない。それでも、自分が見ているストーリーの行き着く先を確認しなければ……という思いに駆られてしまうのだ。
そして、この作品はシーズン1の最終話に起こる、奇跡のラストシーンのためだけにあると言っても過言ではない。ここで何が起きるか言ってしまっては大きなネタばれになってしまうので控えることにするが、シリーズ全体に流れる生と死の意味を問う宗教観は『LOST』に通じるものがある。『The OA』はシーズン2への更新が決定しているが、次に一体何が起こるのか筆者は全く見当もつかない。
上に挙げた3作品は、どれもおススメではあるが好き嫌いが分かれる可能性がある。だが、謎が謎を呼び生きることの意味を考えさせられる『LOST』が好きだった人には、どこかに “刺さる” 作品であることは間違いないので、ぜひチェックしてみてほしいと思う。
執筆:Nekolas
Photo:RocketNews24.