かねてから有給休暇の消化率、つまり「有給取得率」が低いとされている日本。以前の記事で「日本の有給消化率が2年連続で世界最下位だった」とお伝えしたが、その数字は50パーセント。おそらく来年の日本も、ブッチギリで有給取得率最下位なのだろう。このままでは……いかん。
そこで今回は社会に出てから約15年、これまで数社でサラリーマン生活を送ってきた記者が「日本の有給取得率を劇的に上げるたった1つの方法」を提言したい。これが実現できれば、イヤでも有給取得率は上がるハズだ。
・有給を取得しづらい理由
思い返すと私(P.K.サンジュン)は、これまでコンサルティング会社、Web制作会社、不動産会社、そして現在のロケットニュース24と、合計4つの会社を渡り歩いてきた。いずれもサラリーマンとして働いていたので、有給を取得しづらい理由はわかっているつもりだ。
中には有給もへったくれもなく「休みが欲しい日は上司に許可を取る」だけの会社もあったが、本質的に休みづらい理由はどこの会社も同じ。ただ漠然と有給の取得には “一種の罪悪感” が付きまとうのだ。
「みんなが頑張っているのに俺だけ休んでいいのか?」
「体も悪くないのに休むなんて、怠け者だと思われるのではないか?」
いざ、有給を申請しようとしても、そんな考えが頭をよぎり有給申請に踏み出せない。気付けば期限切れでどうせ来年分も期限切れ……そんな負のループに陥る。
では、劇的に有給取得率を上げるにはどうすればいいのか? 私が提言するのはズバリ、
「上司が有給を取得しまくること」
これに尽きる。社長が一番偉いなら社長、そして次に副社長、専務、常務、部長、課長……と上席の人間はメチャメチャ率先して有給を取得すべきである。何ならスタートを切るべき社長は、1月中に有給を使い切る勢いでバカンスにでも出かけて欲しい。
上司がいくら「遠慮せずに有給使えよ!」なんて言っても、その上司が有給を取得していないと、部下たちはなかなか踏み出せないものだ。上司が有給を取得しているのを目の当たりにして初めて「じゃあ……僕もいいですか?」と言えるのが多くの日本人の性(さが)である。
どれだけ法律が整備されても、上司が有給を取得しない限り数字は絶対に上がって来ない。だから日本全国の部下を持つ上司たちよ、とにかく有給を取得しまくれ。絶対に余らすな。しっかり休んでバリバリ働く! そんな素敵な上司に部下は憧れるものなのだから。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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